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孫社長、「iPadについてはノーコメント」
 ソフトバンクの孫正義社長は2月2日、米Appleの「iPad」について「素晴らしい製品だと心から思っている」とコメントした。その一方で、iPad向け3G通信サービスへの対応計画については「コメントする立場にない」と述べるにとどまった。
 iPadの3G対応版は小型SIMカード「GSM micro SIM」に対応し、SIMカードを差し替えることで3G通信キャリアを自由に選べるSIMロックフリー端末になっている。
 日本では3G対応版が6月以降に発売される予定で、NTTドコモの山田隆持社長は「前向きに取り組みたい」と話し、iPadへの3G回線提供に強い意欲を示している(ドコモ山田社長「iPad、前向きに取り組みたい」)。一部報道によると、ドコモはiPad発売に合わせてmicro SIMを単体で販売するプランを検討しているという。
 経営不振に陥っているPHSのウィルコムに対し、ソフトバンクが支援に乗り出すとの報道についても「ノーコメント」とした。
 純有利子負債の削減については、前年同期に比べて約3700億円削減し、1兆6782億円となったことを示したほか、ソフトバンクモバイルの借入残高は9867億円になったという。これについて孫氏は、「ボーダフォンの買収で2兆円の借金をしたが、それが1兆円を切る水準となった」と語った。
 そのほか、孫氏は、「Twitterをはじめてから、多くの人から電波が届かない範囲があるという声をたくさんいただいた。この事実を正面から受け止め、最優先課題として、私が陣頭指揮を取って、改善に努めている。2010年度は、設備投資計画を積み増しし、3000数百億円程度を見込んでいる。金額的な点だけでなく、新たな手法も取り入れていくも盛り込んでいる」などとした。
 そのほか、ソフトバンクが33%を出資するアリババグループホールディングや、35%を出資するOPIといった企業を通じた、中国におけるインターネットビジネスについても説明。「アジアのインターネット人口は2015年には世界の半分を占める。つまり、アジアを制するものが、世界を制する。そして、ビジョンは、モバイルを制するものはインターネットを制する。ソフトバンクグループは中国市場で6億人を突破するユーザーがいる。トヨタ、ソニー、パナソニック、資生堂が中国に6億人のユーザーを持っているだろうか。ソフトバンクは、モバイルインターネットの世界に実現に向けて、投資をし、アジアインターネットナンバーワンの企業を目指す」とした。
 フェムトセルについては、「順調に粛々と進めている」などとした。
 さらに、Androidについては、「着実に勢力を拡大していくだろう。機能も評価している」とする一方で、「携帯電話には、新しい機能はいらないというニーズもある。高機能モデルと、まったく機能がないモデルとの中間的なところにある、インテリジェントを持たない製品が、今後はガラパゴス化していくのではないか」などと語った。



三菱化学、パイオニアと資本提携 有機EL照明を共同開発
 パイオニアと三菱化学は資本・業務提携する。三菱化学が早ければ3月末にもパイオニアに出資。省エネ型の次世代照明と期待される有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)照明を共同開発する。経営再建中のパイオニアは三菱化学のほか、ホンダなどからの出資受け入れで再建の大枠を固め、経営体質を強化する。有機EL照明を成長の柱のひとつと位置付ける。
 三菱化学はパイオニアが今年度中にも実施する第三者割当増資に応じ、10億~15億円を引き受ける方向で調整している。パイオニアの時価総額は2日時点で735億円。三菱化学の出資比率は1~2%となる見通し。



電子マネー、決済1兆円突破 09年1.4倍
 かざすだけで買い物の支払いができる電子マネーの決済総額(鉄道・バスの利用分を除く)が2009年に初めて1兆円を突破した。利用できる範囲が大都市圏のチェーン店から、地方の商店街や自動販売機、自治体などに広がり、利便性が高まっているためだ。決済件数も大きく伸びており、消費者にとって「第2の財布」としての存在感が増している。
 日本経済新聞社の推計では、前払い方式をとる電子マネー、主要6規格の昨年の決済金額の合計は08年に比べ4割強多い約1兆2000億円となった。野村総合研究所によると、硬貨を中心とする国内の少額決済の規模は約50兆円とみられ、この2%強に相当する。



KDDIのJCOM株取得、金融庁がTOB規制で調査
 KDDIが2月中旬に予定しているジュピターテレコム(JCOM)への資本参加を巡り、金融庁が法的な妥当性の調査に乗り出した。同社は議決権の3分の1超を得るために、実質的な大株主から株式を相対で取得すると発表したが、株式市場参加者の間ではTOB(公開買い付け)が必要ではないかとの指摘が出ていた。調査の結果次第では、資本参加の練り直しを迫られる可能性もある。
 KDDIは1月25日にジュピターテレコムへの資本参加を発表した。発行済み株式の38%弱を3600億円強で買い取る予定。ただ実際に取得するのはJCOM株を保有する米リバティー・グローバル傘下の3つの中間持ち株会社だ。



バンダイナムコ、コンテンツ事業を1本化 社員も1割削減
 バンダイナムコホールディングスは2日、業績が悪化しているグループの経営体制を見直すと発表した。2010年度にゲーム事業と映像音楽事業を「コンテンツ事業」として1本化するほか、グループ社員の約1割を削減する。09年度と比べ10年度には年間の費用を80億円減らす計画だ。
 コンテンツ事業を担うバンダイナムコゲームスの社長は、4月からホールディングスの石川祝男社長が兼務し、意思決定を早める。鵜之沢伸・現バンダイナムコゲームス社長は同社の代表権のある副社長に就く。ゲームスでは200人の希望退職者を募る。他の事業会社でも早期退職制度などを活用して人員を削減、10年度末までにグループ全体の社員数の1割に当たる630人程度を減らす。
 同日発表したバンダイナムコホールディングスの09年4~12月期の連結最終損益は117億円の赤字(前年同期は90億円の黒字)だった。売上高は前年同期比10.4%減の2828億円、経常利益は22.8%減の49億円だった。



映像ソフト売上高、5年連続前年割れ 09年4.5%減
 日本映像ソフト協会(東京・中央)が2日まとめた2009年の映像ソフト売上高(速報値)は、前年比4.5%減の2750億4000万円だった。前年割れは5年連続。全体の9割を占めるDVDビデオが洋画などのヒット作に恵まれず売り上げを落としたほか、無料で動画を見られる投稿サイトの普及も影響しているもようだ。
 媒体別にみると、DVDビデオは9.9%減の2503億2500万円だった。ブルーレイ・ディスク(BD)は約2.5倍の241億4800万円と大きく伸びたが、全体をけん引するまでには至らなかった。同協会は「今はBD対応の録再機が普及し始めている段階。全体を底上げするようになるのはこれからだろう」としている。
 インターネット上で動画を有料配信するサービスは統計に含んでいない。



トヨタの米新車販売、15%減 1月、リコール問題響く
 【ニューヨーク=小高航】トヨタ自動車が2日発表した1月の米新車販売台数は、9万8796台と前年同月比で15.8%減少した。一方、米フォード・モーターは24.1%増の11万2406台、米ゼネラル・モーターズ(GM)は13.6%増の14万6825台といずれも好調だった。
 トヨタはアクセルペダルの不具合に伴うリコール(回収・無償修理)に関連し、1月26日以降、「カムリ」など主力8車種の販売を止めており、販売に響いた。
 半面、フォードやGMは経営危機に陥っていた前年同月の販売水準が低かったことの反動もあるが、トヨタ車ユーザーの取り込みを狙った販売キャンペーンが奏功した面もあるとみられる。



中国でネット中毒者2400万人
 2日付の中国夕刊紙、北京晩報によると、中国青少年インターネット協会などの調査で、ネットのゲームやチャットに過度にのめり込む「ネット中毒」の青少年は2009年に都市部で2404万人に達したことが分かった。
 ネットを利用する青少年の約14%に当たる。青少年の「ネット中毒」が社会問題として注目され始めた05年ごろは400万人程度とされており、4年間で6倍増となった計算。



中国、投資依存の成長が鮮明 09年
 【北京=高橋哲史】中国国家統計局は2日、2009年の国内総生産(GDP)の実質成長率に対する需要項目別の寄与度を明らかにした。09年の8.7%成長のうち、6割強は投資が稼ぎ出したものだった。中国経済は公共投資を柱とする景気刺激策で高い成長を達成したが、投資に過度に偏った成長の姿が浮き彫りになっている。
 09年の成長率に対する投資、外需、最終消費の寄与率はそれぞれプラス8.0%、マイナス3.9%、プラス4.6%だった。外需の寄与度がはっきりとマイナスになるのは1993年以来、16年ぶり。中国経済は外需主導で03年から5年連続の2けた成長を実現したが、世界的な金融危機で輸出が激減したため、外需頼みの成長がもはや成り立たなくなったことを示している。



米国防計画 重要性を増す日米同盟の強化(2月3日付・読売社説)
 安全保障環境が厳しさを増す中、同盟国との連携を重視する米国の国防戦略指針が示された。
 米国防総省が、オバマ政権下で初めて発表した「4年ごとの国防計画見直し」(QDR)は、国防戦略の最優先課題に、アフガニスタンとイラクにおける戦争の勝利を掲げた。
 国際テロ組織アル・カーイダを粉砕する持続的な作戦の必要性も指摘した。テロとの戦いを完遂する決意を表明したものだ。
 紛争の予防と抑止のために米国は、軍事力や外交など、総力をあげるとし、いかなる有事にも万全な備えをとると強調した。
 今回のQDRは、中国やインドの台頭や、テロ、核拡散などの脅威の拡大によって、米国が安全保障環境の大きな変化に直面している現状を踏まえている。
 多様化する脅威への対応に力点を置き、同盟国や友好国との緊密な協力を力説した背景には、米軍の優位が相対的に低下しているとの認識がある。
 QDRは、透明性を欠く中国の軍拡路線に、前回同様、強い警戒感を示した。弾道ミサイルや攻撃型潜水艦、サイバー攻撃能力、対衛星兵器の開発・配備などを列挙し、その「長期的な意図に多くの疑問」が残ると指摘している。
 核武装国家の不安定化や崩壊によって核拡散が一気に進む恐れにも言及した。国際テロ組織の跋扈(ばっこ)や、北朝鮮による核実験と長距離弾道ミサイル発射、イランの核開発を強く懸念してのことだ。
 多様な脅威の拡大は、米軍の前方展開や核による抑止力の弱体化をもたらしかねない。日本の安全保障にも重大な影響が及ぶ。日米の綿密な擦り合わせが必要だ。
 東京では、日米安保条約改定50周年に合わせた同盟関係深化のための局長級協議が始まった。
 QDRで示された中国の軍備増強や北朝鮮の核開発に対する脅威認識を、今後の協議に反映させていくことが重要だ。中国軍の急速な近代化を踏まえれば、自衛隊と米軍の連携を強化し、抑止力を高める努力が欠かせない。
 QDRは、在日米軍再編計画を着実に実施し、「長期間にわたる日本駐留とグアムの再編」を確実に履行する方針を打ち出した。
 アジアと世界の安全保障環境に関して日米が認識を共有し、役割分担と協力を検討する戦略対話を重ねることが大切だ。
 同時に、その議論を可能にするには、普天間飛行場の移設問題の5月決着が不可欠となる。もはや先送りは許されない。
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“稲盛銘柄”再建の真相(COLUMN)
 “稲盛銘柄”であるPHS会社ウィルコムの再建処理が大詰めを迎えている。 日本航空で救世主となり、困ったウィルコムを政府に押しつけるとの見方は短絡的。 企業再生支援機構を活用との報道の裏に、法的整理・会社分割の影がちらついている。
 日本航空の再建に乗り出し、一躍脚光を浴びた「企業再生支援機構」。設立当初の「地域にある中小企業の再建支援」という主目的はどこへやら。第2号案件として浮上してきたのも、財界大物が関与するPHS会社、ウィルコムだった。
 日航の立て直しでは、政府と支援機構が新CEO(最高経営責任者)に稲盛和夫・京セラ名誉会長を招聘した。政権与党の実力幹事長、小沢一郎氏に近い財界人としても、つとに有名な人物だ。その稲盛氏が中心となって設立し、現在も取締役最高顧問を務めるのがウィルコムである。
 一部の週刊誌は、稲盛氏が日航再建に一肌脱いだ見返りとして、政府・支援機構が再建途上のウィルコムに助け舟を出す、との見立てをする。よくできた読み筋だが、利権がぶつかり合う内実はそう単純ではない。
「法的整理も検討しないと…」
 「支援機構を活用するにしても、法的整理を視野に入れつつ検討を進めないと、再建は難しいかもしれない」
 ウィルコムなど通信業界への許認可権を一手に掌握する総務省の、政務3役の1人は本誌取材で、初めて「法的整理」に言及した。1月下旬の段階では、会社更生法の適用申請が、同社再建に向けた選択肢の1つとなっている。経営破綻とは、あまり穏やかな再建スキームとは言いがたい。なぜ、ウィルコム再建に法的整理が検討されているのか。
 昨夏、加入者減に悩むウィルコムに対し、将来性を不安視した取引銀行団はシンジケートローンの借り換えに難色を示し始めた。9月、私的整理の1つである事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)の活用が決まった。
 金融機関への支払い延期といった“延命措置”で一息ついたとはいえ、「出口」がなかなか見えてこない。新規出資に応じるスポンサー企業が見つからなかったからだ。1300億円に及ぶ有利子負債の扱いや出資金額を巡って、ウィルコム、スポンサー候補企業、金融機関などの交渉は遅々として進まない状況に陥った。
 膠着状態の中、1月15日付の全国紙の朝刊1面に掲載されたトップ記事は、次なる動きを伝えていた。
 「ウィルコム、支援機構活用、再建へ最終調整」
 交渉が暗礁に乗り上げているウィルコムに対し、支援機構が助け舟を出すという趣旨の記事だった。ただこの記事は、交渉の一端しか捉えていない。支援機構を活用する裏で進められた検討は、会社更生法の適用申請に踏み切ったうえで、ウィルコムを2社に分割して再建するという案だった。新旧分離方式と呼ばれる再建手法だ。
350億円の社債の行方
 法的整理が俎上に上った背景はやや複雑だ。交渉関係者が言う。
 「350億円の普通社債について、法的整理を使う以外に、うまい手段が見つからないんです」
 事業再生ADRの手続きによって、取引金融機関の融資については、支払い延期や債権放棄などの調整は可能だ。だが、2005年にウィルコムが発行した普通社債は、公募のため一般投資家を含めて広く分散していた。
 問題となったのは社債発行の折にウィルコムが社債管理会社を設けなかったこと。発行後に投資家の間を転々と流通する社債について、今誰の手元にあるかすら分からないのだ。これでは、「仮に額面以下での買い取りを投資家にお願いするとして、何人がそれに応じてくれそうかといった票読みすらできない」と、交渉関係者は言う。
 そのためウィルコムのスポンサー候補は交渉でこう迫ったこともある。
 「社債の負担をどれだけ減額できるか事前に見通しがなければ、リスクが大きくて投資判断がつかない」
 時間をかければ、ウィルコムの社債を持つ投資家間の利害調整もある程度はできるかもしれない。だが、それでは時間ばかりかかって、ウィルコムの企業価値が日ごとに劣化しかねない。
 会社更生法の適用を申請すれば、裁判所によって社債の問題を早期に解決できる可能性が高まる。法的整理による信用悪化については、支援機構に加えて、携帯電話3位のソフトバンクと投資ファンドのアドバンテッジパートナーズの3社を準備しておくプリパッケージ型と呼ばれる手法にすることで補うことができる。ここまでは日航の再建策と瓜二つだ。
 異なるのは、会社の新旧分離を行う点だ。現在、ウィルコムには2つの事業がある。旧来のPHS事業と、「XGP」と呼ばれる次世代PHS事業だ。旧来PHSは成長性は低いが黒字の事業、次世代PHSは成長性はあるが今後の投資負担が重い。
 前者を手がける「旧会社」が旧来PHS事業と負債の多くを引き取り、そこに支援機構が出資するスキームが検討される。後者を手がける「新会社」は次世代PHS事業を手がけ、ソフトバンクとアドバンテッジが投資する。
 ソフトバンク連合が見積もる新会社の企業価値は、およそ300億円と目される。ソフトバンクが100億円、アドバンテッジが200億円を拠出することが検討されているようだ。そのうち数十億円を、新会社に移行する資産などの対価として旧会社に支払うことも検討されている。
 もっとも、再建交渉がすんなり進むかどうか不透明な部分も多い。
 当事者であるウィルコムは法的整理の申請について、「ADR手続きそのものが非公表であり協議内容や進捗状況は答えられない」(同社社長室)と口を閉ざす。仮に申請が固まったとしても、支援機構が出資する“大義名分”が成り立つかどうか。地方企業でも中小企業でもないうえ、投資リスクを取って再生するにウィルコムがふさわしい企業かどうかの精査が必要だろう。
税金で一企業を利する?
 1号案件となった日航の場合、仮に会社清算ともなれば航空会社という社会インフラの大きな部分を失うことになり、国民が被る不利益は大きいと考えられる。ウィルコムも通信会社という社会インフラには違いはないが、430万という加入者数では、通信の主要プレーヤーとは言い切れない。加入者を他事業者に移す措置さえ施せば済むとの見方もある。
 「一民間会社に過ぎないソフトバンクを利するため、税金が使われることはあってはならない」(前出の総務省政務3役の1人)との指摘もある。旧会社の再建が進まなければ、そこに税金が注ぎ込まれる。その時、ソフトバンクが手に入れた新会社の次世代PHSが軌道に乗っていた場合、国民負担で利益を得たと指弾されかねない。
 ともに“稲盛銘柄”と言われる日航とウィルコム。それぞれが真に再建の道筋をたどるには、もう少し時間がかかりそうだ。



ソフトバンク、「携帯で動画生中継」の米社に出資 まず14%
 ソフトバンクは動画配信を手掛ける米ベンチャー、ユーストリーム(カリフォルニア州)と資本・業務提携した。同社が実施した第三者割当増資を20億円弱で引き受け、約14%を出資。携帯電話などのカメラで撮影した動画を全世界に「生中継」できるユーストリームのサービスは欧米を中心に利用者が急増している。ソフトバンクは提携を機に日本や中国などアジア市場を開拓する。
 ソフトバンクは2011年夏までにユーストリームの株式を買い増す権利も取得した。すべての権利を行使した場合、30%強の株式を保有する筆頭株主になる見込み。
 ユーストリームのサービスでは、利用者が撮影する生の映像を、遠隔地にいる別の利用者が携帯電話やパソコンを通じてリアルタイムで視聴できる。現在の月間視聴者数は全世界で延べ約4千万人。オバマ米大統領が就任演説の中継に使ったり、企業が記者会見のネット中継に活用したりするなど動画配信の新手法として普及しつつある。



ソニー映画部門、450人を削減へ 全体の6.5%
 【ニューヨーク=武類雅典】米ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)が約450人の削減を計画していることが1日、分かった。全従業員の6.5%にあたる。同社の興行収入は好調なものの、DVD販売などはネットの台頭などで苦戦を強いられ、人員削減を決めたとみられる。



ローソン 電子広告でADK、ドコモと新会社
 ローソンは2日、ディスプレーを使った電子広告配信事業で、広告大手のアサツー・ディ・ケイ(ADK)、NTTドコモと組み、共同出資の新会社を3月に設立すると発表した。全国1万店弱の店舗網を新たな事業展開に生かしたいローソンと、電子広告にノウハウを持つADK、携帯サービスの強化を狙うドコモの思惑が一致した。
 設立する新会社の社名は「クロスオーシャンメディア」。資本金は7億8500万円で、ローソンが42%、ADKが38%、ドコモが20%を出資する。ローソンの店舗の外窓に2台の液晶を設置、幅広い業種の広告を流す。今年6月にまず都心300店に設置し、順次、拡大する方針だ。



ゆとりの次は「さとり世代」?
 ゆとり世代の次は「さとり世代」?――ネット発の新語「さとり世代」が話題になっている。
 発端は「WEB本の通信社」(本の雑誌社と博報堂が運営)に載った、書籍「欲しがらない若者たち」(山岡拓 著)をベースに書かれた記事についての2ちゃんねるのスレッドだ。
 記事では、「車に乗らない。ブランド服も欲しくない。スポーツをしない。酒を飲まない。旅行をしない。恋愛に淡泊。貯金だけが増えていく」「現代の若者が目指すのは、実にまったりとした、穏やかな暮らしである」など若者の消費傾向を紹介。これが日本経済にとってプラスかマイナスかを問いかける内容になっている。
 記事を取り上げた2ちゃんねるのスレッドでは、「物心付いたころから不景気だった」「欲しがらないのではなく、お金がなくて買えないだけ」「以前より消費者が賢くなったのでは」などさまざまな感想や意見に混じり、「さとり世代」という書き込みが登場、「名言」と注目を浴びている。
 2ちゃんねる元管理人の西村博之(ひろゆき)氏はスレッドの議論を受けた、Twitterの書き込みでさとり世代を「ゆとり世代の次。結果のわかってることに手を出さない。草食系。過程より結果を重視。浪費をしない」と集約。多くのユーザーがさとり世代についての意見をつぶやいている。



トヨタの佐々木副社長、リコールを陳謝 「業績気にせず」対応
 トヨタ自動車の品質保証担当の佐々木真一副社長は2日、名古屋市で記者会見し、米欧などでのアクセルペダルの不具合による大規模リコール(回収・無償修理)について「世界のトヨタのお客様にご心配をおかけし、おわび申し上げます」と陳謝した。今後の対応策についても詳細を説明した。
 今回のリコールは、対応策を固める前に不具合を公表したことで混乱が大きくなった。佐々木副社長は「顧客第一を優先して考えて、きちんとした情報を出すことに集中した」と説明した。一方で「(市場に)疑念を抱かせる結果になったことは申し訳ありません」と理解を求めた。
 米国ではリコール対象車種の生産・販売を止める状況になっており、業績への影響も懸念される。佐々木副社長は「(豊田章男)社長からも、信頼を損なわない意思決定をするよう指示され、業績を気にせずやってきた」と経緯について触れた。
携帯電話、家庭に超小型基地局を導入 KDDI
 KDDI(au)は携帯電話の電波がつながりにくい家庭向けに超小型の基地局を設置する。3月中旬に関東の一部地域で試験サービスを始め、夏以降、全国に拡大する。複数の基地局の電波が干渉して通信が不安定になりやすいマンションの高層階や、電波が届きにくい密集市街地などの「圏外」を解消する。
 超小型基地局は「フェムトセル」と呼ばれ、各家庭まで引き込んだ光ファイバー通信回線などのブロードバンド(高速大容量)通信回線につないで携帯電話向けの電波を飛ばす装置。KDDIが導入する日立製作所製のフェムトセルは、半径10メートル程度の範囲で安定した通話ができるようになるという。



ソフトバンク、電報サービス参入 「115番」利用
 ソフトバンクグループのPSコミュニケーションズ(東京・港、阿多親市社長)は電報サービス「ほっと電報」を開始した。ソフトバンクテレコムが提供する固定電話サービスの契約者であれば局番なしの「115番」に電話をかけるだけで利用できる。
 利用料は台紙が525円、文字料金が25文字までの場合で735円(電話やFAXで申し込んだ場合)など。同社が今回参入した特定信書便事業の3号役務では「料金を1000円以上とする規定があるため、NTTなどの料金に比べて同等または若干安い水準にとどまっている」(同社)という。



モバゲー再び急成長 ソーシャルゲーム、3Qだけで30億円売り上げ
 「新たな成長のエンジンをつかんだという力強い感触を得ている」――ディー・エヌ・エー(DeNA)の南場智子社長は2月1日に開いた2009年10~12月期(第3四半期)連結決算会見でこう話し、四半期ベースの売上高が過去最高を更新したことを報告した。
 主力の「モバゲータウン」事業は今年に入って低迷していたが、10月に投入した自社製ソーシャルゲームのヒットで再び急成長。ソーシャルゲームだけで同期中に約30億円売り上げた。横ばいだった月間ページビュー(PV)も10月を境に急拡大し、12月は前年同期比2.5倍の約380億PVと「とんでもない成長」(南場社長)となった。
 モバゲータウンの売上高は68億6600万円と、前年同期比1.5倍に。アバターやアフィリエイト広告の低迷が続く中、ゲームの売り上げが急拡大し、35億7700万円と前期(09年7~9月期、4億3900億円)より約30億円増えた。
 増加分のほとんどが、自社開発のソーシャルゲームからの課金収入だ。ユーザー同士で世界の宝を集める「怪盗ロワイヤル」や自分の星を育てる「ホシツク」などがヒット。ソーシャルゲーム効果で会員のアクティブ率も高まり、PVも急拡大した。
 ゲームプラットフォームは「モバゲーAPI」として昨年から他社に開放。1月27日、APIを使って他社が作ったゲーム第1弾を公開した。他社製ゲームは自社製ゲームと競合する恐れもあるが、「多少のカニバり(食い合い)があったとしても、ユーザーに豊富なラインアップのゲームを楽しんでもらうことが重要。小さなカニバりは気にせずモバゲー全体で魅力を高め、モバイルナンバーワンプラットフォームを目指す」と南場社長は意気込んでいる。
 「ホシツク」「怪盗ロワイヤル」はmixiアプリにも提供中で、mixiアプリ経由でのアイテム課金収入も徐々に入ってきているという。同じゲームがモバゲーでもmixiでもプレイできる状態だが、「mixiとモバゲーはユーザー層が違うのか、ユーザーを取り合うイメージはまったくない」とし、mixiアプリとは共存できるとみている。他社プラットフォームへのゲーム提供も今後、収益の柱として育てていく方針だ。



サムスン電子、DRAMの線幅最小の30ナノ 下期から量産へ
 【ソウル=尾島島雄】韓国のサムスン電子は1日、半導体メモリーのDRAMで、回路の線幅が世界最小となる30ナノ(ナノは10億分の1)メートル台の製品を開発したと発表した。量産品で世界のトップを走るエルピーダメモリの45ナノ品を上回り、従来のサムスンの先端品に比べ生産性が6割向上する。今年の下半期から量産を開始する予定。製造コストを引き上げて世界首位のシェアをさらに拡大するとしている。
 発表では「30ナノメートル台」としているが、実際の線幅は35ナノとみられる。チップ1枚あたりの容量は2ギガ(ギガは10億)ビットで、パソコンなどに使う新型規格「DDR3」に対応する。回路線幅が狭くなると1枚のシリコンウエハーからとれる半導体個数が増え生産性が向上。40ナノメートル台の製品に比べ消費電力も15%以上減るとしている。
 サムスンは35ナノ品の量産に年内に着手し、韓国・ハイニックス半導体やエルピーダメモリと比べた製造コストやチップの消費電力性能で優位に立ちたい考えだ。



家電量販、海外PB拡充 ケーズは米デジカメなど倍増
 家電量販店が海外のプライベートブランド(PB=自主企画)など低価格の独自商品の取り扱いを拡大する。業界4位のケーズホールディングスは、米国の家電量販最大手ベスト・バイのデジタルカメラなどのPBを来年3月までに約150品目に倍増。ラオックスは親会社である中国・蘇寧電器の商品を3月から販売する。量販店各社が共通に扱う国内メーカー品は値下がりが激しいため、価格競争力のある独自商品で集客・収益力の向上を狙う。
 ケーズはベスト・バイのPBのうち、中国で生産する商品を2007年末から日本で独占販売。現在は映像ケーブルやデジタルフォトフレームなど、国内大手メーカー品より3割前後安い約70品目を扱う。まず2月中をメドに2万円弱のムービーカメラ、1万円を切るデジタルカメラなどを新たに投入する。



百貨店売上高、1月は0.5~7%減
 百貨店大手5社が1日発表した1月の売上高(既存店ベース、速報値)は前年同月比0.5~7%減だった。バーゲンセールが好調だったほか、高額品の一部で販売が回復したことなどから、2カ月連続で1ケタ台のマイナスにとどまった。
 各社の下落幅はJ・フロントリテイリング傘下の大丸が0.5%、松坂屋が3.5%、それぞれ減った。三越伊勢丹ホールディングスでは三越が7%減、伊勢丹が0.8%減少。高島屋は6.3%減だった。



太陽光発電1000万世帯に 政府、温暖化ガス削減へ行程表
 2020年までに国内の温暖化ガス排出量を1990年比25%減らす目標達成に向け、政府が検討しているロードマップ(行程表)案が明らかになった。25%のうち最低6割の15%分を国内削減(真水)で実現し、残りを海外からの排出枠などで賄う。ハイブリッド車の普及率や太陽光発電の導入目標も示した。ただ、企業や家計の負担は大きく、実現のハードルはなお高い。主要排出国が参加する国際合意が実行の前提となる。
 行程表案は環境省を中心に作成。週内に開く地球温暖化問題に関する閣僚委員会の副大臣級検討チームに提示する。対策例として高効率給湯器を住宅の80%以上に普及させるほか、新築住宅のすべてに最高基準の断熱性能を持たせることを挙げた。太陽光発電では、家庭用で現在の30倍以上の1000万世帯に、工場などの産業用では100倍以上の4300万キロワットに引き上げる。



米トヨタ、週内に修理開始 リコール問題、8日にも生産再開
 【ニューヨーク=小高航】トヨタ自動車は1日朝(日本時間同日夜)、アクセルペダルの不具合による米国での大規模リコール(回収・無償修理)について、対応策を発表した。週内にリコール対象8車種のペダルの修理を始めるほか、一時停止している北米5工場での生産を8日にも再開する。今後、米国で社会問題化しつつあるトヨタのリコール問題が収束に向かうかが焦点となる。
 米国でのリコール対象は230万台。米国トヨタ自動車販売(TMS)のジム・レンツ社長は1日、ホームページに掲載したビデオメッセージで顧客に対し「心配をかけたことを心からおわびする」と陳謝した。
 今回のリコールは、アクセルペダル内の可動部分の部品がすり減り、ヒーターをつけて結露した場合、踏み込んだペダルが元の位置に戻りにくくなる恐れがあることに対応した措置。1日発表の対策ではペダルの修理で対応。薄い鉄板を可動部分に挿入することで摩擦抵抗を軽減する。レンツ社長は同日の会見で今回の対策により、問題の再発防止に自信があると述べた。



米財政赤字、3年連続1兆ドル突破 11年度予算教書
 オバマ米大統領は1日、議会に提出する2011会計年度(10年10月~11年9月)の予算教書を発表した。雇用対策への積極的な支出などを背景に、財政赤字は1兆2670億ドル(約114兆円)となり、3年連続で1兆ドルを突破する。一方、国防などを除く政策的な経費に充てる支出の伸びを3年間凍結。財政規律にも配慮する姿勢をみせたが、中長期的に財政を健全化できるかは依然不透明だ。
 11年度の歳出は前年度比3.0%増の3兆8340億ドルとした一方、歳入は18.6%増の2兆5670億ドルと見込んだ。財政赤字は国内総生産(GDP)比で8.3%になる計算だ。
 10年度の財政赤字は1兆5560億ドルとなり、GDP比で10.6%に達するとの見通しを示した。赤字額は過去最大だった09年度(1兆4130億ドル)を上回る。



聖域なき店舗閉鎖で問われるセブン流の百貨店経営の真価(COLUMN)
「次は、どの店舗が閉まるんだ?」。セブン&アイ・ホールディングス傘下のそごう・西武の百貨店、西武有楽町店が年末に閉店することになり、ブランド関係者は動揺を隠さない。同社の都心店の閉鎖は、昨年のそごう心斎橋店に続くもの。店舗閉鎖に聖域のないことをあらためて示した。
 そごう・西武が全国に28店(2008年時点)展開する百貨店のうち、赤字額だけでいえば、最大だったのがそごう心斎橋店。次いで大きいのが西武有楽町店である。数字だけ見れば、心斎橋、有楽町と閉鎖する順番は妥当といえる。
 だが、西武百貨店にとって、有楽町店は数字だけでは測れない役割を果たしてきた。
「ファッションの最先端を走るという西武百貨店のイメージを支えてきたのが、池袋、渋谷、有楽町という東京都心の3店舗。ブランド誘致のうえで、この“三位一体”が武器になっていた」(西武百貨店OB)という。
 西武百貨店の旗艦店は、言うまでもなく池袋店で、売上高で1389億円(08年度)、グループ百貨店の利益の大半を稼いでいる。しかし、池袋は市場規模こそ大きいが、地域性からファッションイメージを打ち出すには弱い。それを補完してきたのが、渋谷、有楽町という好立地店だった。
 西武有楽町店がこの10年間、赤字を垂れ流してきたのは高い固定費ゆえだ。隣の阪急百貨店有楽町店と比較してみよう。
 08年度の売上高では、西武有楽町店の160億円に対して、阪急有楽町店は120億円。にもかかわらず、阪急有楽町店は、2000~07年度と黒字を維持してきた。建物のオーナーが同じ阪急グループの東宝なので、経費コントロールができていたためだ。
 一方、西武有楽町店は、建物のオーナーが朝日新聞社などで、バブル期の契約を引きずり、賃料が高いままだ。
 さらに3年前の改装投資が裏目に出た。百貨店にとって歩率(取引条件)が悪いからとセレクトショップとの契約を打ち切り、B館に化粧品を集積した。赤字幅は縮小したが、ファッション性の強みが薄れてしまった。
 西武百貨店は、「東京に3店舗」という看板で、海外の有力ブランドをいち早く取り入れたり、取引先が近隣の競合百貨店に重複出店しないよう強く迫ることができた。有楽町という顔を失い、今後、取引先の競合店への流出は、歯止めがきかなくなりそうだ。
 セブン&アイは、百貨店市場の縮小を見越して、旗艦店に集中する戦略を打ち出している。今後も経営効率を重視した店舗閉鎖は続くだろう。
 しかし、採算性を優先して、このまま百貨店の独自カラーが弱くなる経営戦略に走ると、営業力低下を招く危険性がある。
アップル「iPad」にNTTドコモがラブコールを贈る理由(COLUMN)
 アップルは1月27日、タッチパネル式の新型情報端末「iPad」を発表した。第3世代(3G)携帯のデータ通信に対応した機種は複数の携帯電話会社の回線を使える「SIMフリー端末」となる。これが明らかになって真っ先に反応したのはNTTドコモだった。
 アップルがパソコン、携帯電話機に続く「第3のカテゴリー」の製品として発表したのがiPadだ。9.7インチのディスプレーを採用し、「iPhone」と同様にタッチパネルで操作する。OSはパソコンで採用している「OS X」ではなく、iPhoneと同じ「iPhone OS」(バージョン3.2)を搭載する。
 米国ではアマゾン・ドット・コムの電子書籍端末「キンドル」が人気だが、iPadは電子書籍端末だけでなく、インターネットやゲーム、動画再生など幅広い用途を想定したようだ。実際、アップルが開発した駆動周波数1GHzの高性能CPU「A4」を搭載し、文書作成や表計算、プレゼンテーション用のオフィスソフト「iWork」もiPad向けに用意するなど、パソコンに近い使い勝手を実現している。
■用途に応じた画面サイズ
 iPadを見ると、やはり人間は用途に応じて「適したサイズ」というものがあり、これからも様々なデバイスの使い分けが続くと実感した。
 iPhoneがデバイスとしてどんなに優れていても、読書をするのに不向きなことは間違いない。日本でも産経新聞が朝刊をまるごと読めるiPhone向けアプリを配信し、電通は雑誌を閲覧できる「マガストア」アプリを提供している。こうした話題性があるアプリが出るたびに、ダウンロードして試してみるものの、やはり継続して使う気にはなかなかならない。
 単純な話、どうしても画面が小さくて「読みづらい」のだ。アマゾンもiPhone向けにキンドルアプリを提供しているが、読みづらいのには変わりない。画面サイズがiPhoneの3.5インチから一気に9.7インチになることで、今度はこれらのアプリも継続して使う気になれそうだ。
■日本では「iBook Store」に未対応
 ただ、iPadで残念なのは、アップルの新しい電子書籍配信サービス「iBook Store」が米国限定である点だ。日本のアップルのサイトをチェックしても、iBook Storeに関する記述はない。音楽配信で実績のあるアップルが米国の大手出版社と提携し、電子書籍にも乗り出すだけに期待は大きいが、日本では対応していないと聞いてガッカリとしたユーザーも多いことだろう。
 しかし、iPadにはiPhoneと同じくアプリをダウンロードする仕組みが備わっている。前述のマガストアと同様に、電子書籍会社がアプリを経由して電子書籍を配布すればいいことだ。
 アップルによるコンテンツ配信はどうしても米国が優先され、日本では開始が遅れがちな実態がある(米国の「iTunes」では映画やテレビ番組も購入できるが、日本では動画コンテンツはあまり充実していない)。書籍に関しては、「AppStore」というプラットフォームを使い、アプリで閲覧するかたちにすれば、いち早く電子書籍ビジネスに着手することができる。
 英語版キンドルは日本でも通信販売で購入でき、日本語に正式対応したバージョンもまもなく登場すると言われるなど、米国発の電子書籍の波が一気に押し寄せようとしている。しかし、日本ではようやく出版社が結束して実証実験を始めたばかり。商用サービスは来年度を想定するなど対応の遅さが目につく。
 NTTドコモの山田隆持社長は「新たな波にどう対応するか検討中。結論としてドコモが(対応端末を)つくるということになってはいないが、鋭意検討する」と語る。携帯電話会社はこれまで携帯電話向けに電子コミックなどの配信を手がけ、課金プラットフォームも持つ。専用端末をつくる体力も十分に持っているが、電子書籍については市場の存在にようやく気が付いたという段階に過ぎない。
■NTTドコモが対応プランに名乗り
 そのNTTドコモが、iPadへの取り組みでいち早く名乗りを上げた。
 29日午後に開催された決算会見で、山田社長は自らiPadに言及。その後の質疑応答でも「ドコモとして前向きに取り組んでいきたい」と強い関心を持っていることを明らかにした。
 iPadは米国ではAT&Tが対応料金プランを用意するが、端末自体はSIMフリーだ。AT&Tのプランはプリペイド方式で、端末だけで契約でき解約も簡単になっている。NTTドコモも「勉強中」(山田社長)としており、3G通信対応のiPadが日本で発売される4月以降には対応プランを投入する心積もりがあるようだ。
 iPadはSIMカードの新しい規格「micro SIM」を採用しているが、「ドコモもmicro SIMの標準化作業に加わったことはあり、対応は決して難しくない。microといってもハード的に見れば金属部分は(通常のSIMカードと)同じで、周辺のプラスチック部分が小さくなっているだけ。あとはソフトウエアを変えるため検証が必要だが、数カ月で対応できる」(辻村清行副社長)という。
■ネットブックと同じ販売方法?
 NTTドコモがiPadに積極的なのは、やはりSIMフリーである点が大きい。アップルが販売する3G版iPadにNTTドコモがmicro SIMカードを供給し、それらを組み合わせて店頭で販売すればいいという計算がある。
 NTTドコモは現在、ネットブックで採用しているUSB型通信端末との組み合わせ販売をiPadにも応用したいようだ。最近は家電量販店だけでなくドコモショップでも手がけており、かなり順調な売れ行きを示している。
 「ネットワーク品質などが評価されていて販売は好調。月間5万台程度、シェアで30%程度になっている」(山田社長)。ARPU(一人あたり通信料)も4400~4800円といい、優良顧客であることは間違いない。
 この販売方法では、ネットブックとUSB型通信端末をそれぞれ別製品として売っており、NTTドコモは通信部分をしっかりとサポートしてさえいれば、パソコンのサポートには責任を持つ必要がない。「使い方がわからない」「壊れてしまった」といった顧客への対応は当然のことながら、パソコンメーカーの範ちゅうとなる。
 これまで、NTTドコモはいくつかのスマートフォンを手がけてきたが、海外メーカー製は日本の品質基準をなかなか満たすことができず、検証作業に時間とお金がかかってしまう。スマートフォンは高いARPUを期待できる一方、何かトラブルがあればすぐに出荷停止し、改善しなくてはならないなど、軌道に乗るまでコストがかかるというジレンマがある。
 NTTドコモのスマートフォン担当者は「ドコモブランドでスマートフォンを出したいと思う一方で、ドコモがすべての責任を負わなくてはいけないという悩みもある。海外メーカーは特に手がかかっている」と本音を漏らす。
 しかし、ネットブックではNTTドコモ側はUSB型通信端末さえ用意すればいい。契約回線数を増やせ、ARPUを稼ぎ、さらに手間もかからないというありがたい存在だ。SIMフリーのiPadは、まさにネットブックと同じ売り方ができる。何よりも開発にも販売にも「手がかからない」のが携帯電話会社にとっては魅力なのだ。
■「土管屋」競争ならドコモ有利
 もちろん、山田社長が「米国ではインセンティブ(販売奨励金)を出していないと言われるが、まだ勉強中の段階」というように、販売価格をいくらにするかは大いに検討の余地がある。SIMフリーでは他社の携帯電話会社に乗り換えるのも簡単であり、価格競争に陥る懸念もある。
 いずれにせよ今回のNTTドコモのiPadへの前向きな発言は、同社がインフラのみを提供する「土管屋」の役割を積極的に果たすという意思表示とも受け取れる。これから携帯電話会社間で「土管屋競争」の流れが強まれば、エリアの広さ、速度の充実度などで他をリードできるのは確実にNTTドコモといえる。
 その意味では、iPadの上陸は電子書籍市場の活性化より先に、SIMフリー端末として日本の通信市場を大きく揺るがす存在となりそうだ。



「iPadは閉鎖的」――Microsoft幹部が批判
Microsoftなどライバル各社がiPadにコメント
 iPadは「ロックダウンされたデバイス」――Microsoftのデベロッパープラットフォーム製品管理ディレクター、ブランドン・ワトソン氏はこのように批判している。同氏は、AppleがiPad(iPhone OS)の開発プラットフォームを厳しく管理していることについて、「Microsoftの方がAppleよりずっとオープンだなんて、ユーモラスな世界だ」と語り、Appleのやり方のせいで一部のソフト開発者が離れているとも指摘している。iPhone OS向けのアプリを作っている多くの開発者はもうかっていない、とも。
 一方、Googleのエリック・シュミットCEOは「大きな電話とタブレットの違いを教えてほしい」とコメント(Silicon Alley Insider)。任天堂の岩田聡社長は「iPod touchが大きくなっただけ。驚かなかった」と話している(Press Association)。



米アマゾンが一部電子書籍を値上げ 出版社の要求受け
 米インターネット小売り大手アマゾン・コムは1月31日、同社の電子書籍端末「キンドル」向けの一部書籍の販売価格を値上げし、12・99~14・99ドル(約1170~1350円)に改定すると発表した。アマゾンの安い価格設定に不満を持つ大手出版社の要求に応じた。
 アマゾンはこれまでベストセラーを含む単行本の中心販売価格帯を印刷版の半額以下の9・99ドルに設定、キンドルの販売を伸ばしてきた。電子書籍の値上げを求める動きが他の出版社にも広がれば、アマゾンがビジネスモデルの変更を迫られる可能性もある。
 英米を中心に事業を展開する出版大手マクミランは最近、アマゾンに対し販売価格の引き上げに同意しない場合、電子書籍と印刷版の両方を供給しないと通告。反発したアマゾンはマクミラン書籍の取り扱いを一時見合わせたが、最終的に受け入れを決めた。



ニコ動、動画視聴中にゲームを楽しめる「ニコニコ遊園地」
 ニワンゴは、動画共有サービス「ニコニコ動画(9)」で、動画の視聴中に他ユーザーとゲームを楽しめる「ニコニコ遊園地」のクローズドベータテストを開始した。
 「ニコニコ遊園地」は、アーカイブ動画の視聴中に「ニコニコ動画」にアクセスしている他ユーザーとゲームがプレイできるサービス。当初は釣りゲーム「ニコ釣り」や麻雀ゲーム「ニコニコ麻雀」、パズルゲーム「ナンプレライブ」の3種類が提供され、以降も随時追加される予定だ。
 1月30日に開始したクローズドベータテストは、月額525円の「プレミアム会員」が対象となり、先着で最大同時接続1500人限定で利用できる。動画視聴画面の下に表示されるテキストリンク「ニコニコ遊園地を有効にする」を選択すると、画面右側に「遊園地」タブが追加。このタブからゲーム名を選択することでサービスが利用できる。
 合わせて、画像を投稿してスライドショー再生できる「ニコニコ静画」で、「ユーザー生放送」の画面上にスライドショー再生を引用できる機能を追加。また、携帯電話からの画像投稿やお題作成に対応した。



雑誌の有料ネット配信の共同実験サイト「parara」が開設
 社団法人日本雑誌協会に加盟する大手出版社94社は、雑誌の有料ネット配信ポータルサイト「parara」の実証実験を開始した。
 同実験は、日本雑誌協会を母体とした「雑誌コンテンツデジタル推進コンソーシアム」が実施しているもの。モニターとして公募した約3000人に対し、雑誌記事のPDFを閲覧・ダウンロードさせるという。実施期間は1月28日から2月末までの約1カ月間。各モニターには仮想ポイントである5000パララが付与され、1ページ10パララで記事の購入が可能になる。閲覧・ダウンロードできるのは2009年10月~12月に発売された約90タイトルの雑誌記事。2月中旬には約30タイトルが追加されるとのことだ。
 最新のDRM技術を導入しているほか、雑誌別、記事別のデータベースによる検索機能などを提供。実験終了後、モニターからの意見を収集し、実用化に向けて調査分析するとのことだ。



「返品のない書店目指す」 丸善などのCHIグループが発足
 大日本印刷傘下の丸善と図書館流通センター(TRC)の両社は1日付で共同持ち株会社「CHI(シーエイチアイ)グループ」を設立した。同日、社長に就任した小城武彦丸善社長ら首脳が記者会見し、小城社長は「出版業界の活性化に貢献したい。両社の強みを生かし、返品のない書店作りを目指す」と抱負を述べた。
 本社は東京都新宿区に置き、資本金は30億円で、大日本印刷が52.28%と過半数を出資した。CHIグループは丸善とTRCをぶら下げ、戦略立案に機能を特化する。
 CHIグループは1日付で東証一部に上場。平成23年1月期連結業績は、売上高が1300億円、営業利益6億9000万円、最終利益は6億4000万円を見込む。
 小城社長は「返品率を下げて利益が出るようにする。改革にあたって丸善の外見が変わるかもしれない。これまでと発想を大きく変える」と述べた。さらに電子化への取り組み、図書館からの業務委託の業務拡大-などを課題として挙げた。
「ゲームマネーの現金売買は合法」韓国最高裁判断への賛否両論(COLUMN)
 韓国では、ソウルが観測開始以来の大雪や寒波を記録するほどの異常気象で、外出を控えオンラインゲームやデジタルコンテンツを利用する人が増えている。「Hangame」「NCSoft」「Nexon」「Netmarble」「Pmang」といったオンラインゲームの1月のユーザー平均滞在時間は前年同月比で3割も増加しているという。証券会社は2010年の株価展望で、不況ほど利用者が増えるオンラインゲーム株をさかんに推奨している。
 寒波以上にオンラインゲーム業界で話題になっているのがNCSoftの多人数参加型オンライン・ロールプレイング・ゲーム(MMORPG)「リネージュ」内で使われる仮想のゲームマネー「アーデン」の現金売買を巡る最高裁判断である。
■「ユーザーが努力して得た労働の対価」
 事件の始まりは08年12月、ゲームマネー売買を専門に行う個人2人が「ゲーム振興法32条1項7号違反」の容疑で起訴された。同法はゲームマネーの現金売買を禁じており、2人はゲームマネー2億3400万ウォン(約1900万円)相当を安く手に入れ、2000人に転売し2000万ウォンの利益を上げたとされた。
 地方裁判所は2人に罰金200万~400万ウォンの判決を下したが、2審ではリネージュのようなMMORPGのゲームマネーは同法の規制対象にならないと判断。検察が上告したが、最高裁判所は09年12月24日に2審判決を支持し、上告を棄却した。
 最高裁は、法律で現金売買を禁止されているゲームマネーは「一定の金額を賭けてゲームの結果によって配当が決まるもの、または偶然手に入れたもの」であるとし、2人が転売したリネージュのゲームマネーは「偶然ではなく利用者の行為によって得られたものである」と認定した。さらに「リネージュのゲームマネーはすでに現金売買が活発に行われており、転売して利益を得たことは同法違反に当たらない」との判断を示した。
 ゲーム会社は、オンラインゲームのゲームマネーやアイテムはプログラムで所有権は開発者にあり、ユーザーや仲介サイトで現金売買をしてはならないという約款を設けている。しかし、今回の最高裁判断はゲームユーザーの間では、「リネージュのようなゲームの仮想通貨はユーザーが努力して得た労働の対価であり、約款に関係なく売買することができる」と解釈されている。
■ゲームマネーの売買市場は約1200億円
 今回の判断が出る以前から、ゲームマネーやアイテムの売買を仲介するサイトは多数存在していた。もともとはユーザー同士がゲーム内のチャットや掲示板に売りたいアイテム、買いたいアイテムを書き込み、「PCバン」と呼ばれるネットカフェなどでアイテムと現金を直接受け渡していたが、詐欺などのトラブルが増え、01年ごろから仲介サイトが登場し始めた。
 仲介サイトは、決済代行手数料として販売金額の4~5%を徴収する。仲介サイトの登場で、本格的にゲームマネーやアイテム売買を職業とする人も現れた。韓国コンテンツ振興院や文化体育観光部によると、ゲームマネー売買の仲介サイトは10社以上あり、会員数800万人、年間換金(現金売買)規模は1兆5000億ウォン(約1200億円)にものぼるという。
 同時に数十万人がアクセスしてRPGを楽しむリネージュのようなゲームは、ゲーム内にもう1つの人間世界が繰り広げられているようなもので、ゲームマネーは必須となる。ゲーム会社側は、加入者を長期間足止めできるよう、キャラクターの育成や獲得できるアイテムを調整している。一方、ユーザーにしてみれば、ゲーム料金を数カ月分払うのと現金でゲームマネーを購入してアイテムに変えるのとでは金額的には大きな差がない。山の1合目から登り始めるか、それとも5合目から登り始めるかといった差だろうか。
■IDの詐取が増える? トラブル増加の懸念も
 今回のゲームマネー現金売買を合法とした最高裁判断に対しては、ゲーム市場の活性化につながるとの見方が多い。ただ、ゲーム業界内にも賛否両論はある。
 ゲーム振興法では、ゲームマネーを売買して利益を得るために他人の個人情報を盗んだり、ハッキングプログラムを使ってキャラクターのレベルを上げたりすることを禁止している。こうした違法行為を行うグループの拠点は「作業場」と呼ばれ、主に人件費の安い中国や地方都市にある。作業場では、数百台のパソコンを24時間フル稼働させ、ゲームマネーやアイテムを獲得しては仲介サイトに売り出して現金化しているとされる。
 大量のゲームマネーやアイテムを獲得するには、その分大量の会員IDが必要となる。作業場の人たちは電子商取引サイトやウェブメールサービスなどをハッキングして韓国人の住民登録番号を手に入れ、その個人情報を使いオンラインゲームサイトに会員登録する。韓国人の個人情報のハッキング事件が絶えないのは、このようにお金になるからである。
 今回の最高裁判断はこうした行為まで合法としたわけではないが、ユーザーがそれを区別するのは難しい。 ゲームマネー売買を悪用した不正資金問題や課税問題、ゲームマネーと企業ポイントや電子マネーとの連携にかかわる問題が起きる可能性もある。
■世界に輸出 海外対応も必要に
 ゲーム内のアイテムがお金で簡単に手に入るものになれば、ユーザーにとっての希少性は低下する。ゲーム会社はユーザーを引きつけるため、絶えず次に獲得したくなるような強い武器、強力な魔法アイテムといった新規アイテムを開発していかなければならなくなる。
 しかし、アイテムを開発するにはゲームのストーリー変更やキャラクター設定なども必要だ。これらはそう簡単に継ぎ足せるものではなく開発負担は少なくない。そもそもゲーム中毒やゲーム過労死が社会的問題になっているなか、アイテムを増やして売買規模を大きくすることには批判もあるだろう。
 ゲームマネーやアイテムの現金売買は韓国だけの問題ではない。韓国のオンラインゲームは世界60カ国以上に輸出され、その輸出規模は08年10億ドル、09年15億ドルと推定されている。世界のユーザーが韓国のオンラインゲームマネーを売買することで換金レートや取引方法などでトラブルが発生した場合、矛先はゲーム会社に向けられる可能性が高い。
 今回の判断により、職のない人たちがゲームマネーで生活費をかせごうとオンラインゲームに集まることでゲーム市場が成長するという予測もあるが、それでは悲しすぎるだろう。アイテム売買よりも、ゲームをきっかけにアニメ、映画、漫画といった文化コンテンツのすそ野を広げて市場を共有することの方が経済活性化につながるのではないだろうか。ゲームはゲームとして楽しめるよう、文化として育ててほしいものだ。



流通・サービス業、人材定着 不況で離職減る
 人手不足に悩んできた流通・サービス業で人材の定着傾向が強まってきた。景気低迷を背景に、すかいらーく、セントラル警備保障、ヤマダ電機など業界大手は離職率が大幅に下がり、2010年春以降の採用を絞り込む動きも広がってきた。こうした流れが加速すれば、企業は人材育成に注力しやすくなる半面、求職者にとって雇用環境が一段と厳しさを増すことになりそうだ。
 外食大手すかいらーくは入社1年目の正社員の離職率が従来10%を超えていたが、09年春の採用者は数%程度にとどまる見通し。新卒採用を09年春の150人から今春は60人に減らす予定だ。



11年度の社会保障財源、6兆円不足 菅財務相「特会を徹底見直し」
 菅直人副総理・財務相は31日、日本経済新聞のインタビューに応じ、2011年度予算で、社会保障関係費だけで約6兆円の追加財源を探す必要があるとの見通しを示した。「全閣僚が問題意識を共有して、自分の足元の特別会計などを徹底的に見直す」と述べ、制度や組織の改革に取り組む決意を示した。マニフェスト(政権公約)の見直しにも言及した。
 財源不足の主因について菅氏は子ども手当の満額支給(月2万6千円)、基礎年金の国庫負担、高齢化に伴う医療費などの自然増を挙げた。「6兆円」の帳尻を合わせるためには、予算削減、増税、国債増発のいずれかが必要になる。



日本旅行、高速バス22社の携帯予約サイト
 日本旅行は携帯電話で高速バスの予約ができるサイトを1日に開設する。予約後は携帯の画面に表示される乗車票を見せればバスに乗れる。
 携帯の画面を乗車券代わりにする仕組みは一部バス会社で導入済みだが、同サイトは複数のバス会社から選べる。まず近鉄バス(大阪府東大阪市)や京成バス(東京・墨田)などバス22社の30路線から空席を検索できるようにし、年内に約50社の100路線にまで拡大する。



米大統領「輸出5年で倍増」、通商・為替政策変化も
 【ワシントン=御調昌邦】オバマ米大統領が一般教書演説で打ち出した「今後5年で輸出倍増」計画が波紋を呼んでいる。目標達成に向け、農業や中小企業の輸出増加を狙った「国家輸出戦略」を作成すると表明したものの、具体的な政策手段は明らかになっていないためだ。日本を含む対米黒字国などは、米国の通商政策や為替政策に変化が生じないか注視し始めている。
 大統領は昨秋から輸出の重要性を強調していたが、倍増という目標は突然、演説で飛び出した。同時に「米国で200万人の雇用を支える」との効果も披露した。



【産経主張】日中歴史共同研究 「南京虐殺」一致は問題だ
 日中の有識者による歴史共同研究の報告書が発表された。両国の歴史に対する考え方の違いが一段と明確になった。
 この共同研究は、平成18年10月の安倍晋三首相(当時)と胡錦濤国家主席の合意に基づき、3年がかりで行われた。両国の認識の隔たりが大きく、両論併記の形がとられたのは当然である。
 近現代史の部分を読むと、日本側の記述はおおむね客観的な資料に沿って書かれている。これに対し、中国側の記述は中国共産党史観の域をほとんど出ていない。
 ただ、南京事件(昭和12~13年)のくだりで、中国側の主張に引きずられているのは問題だ。
 日本側の記述は「日本軍による捕虜、敗残兵、便衣兵、及び一部の市民に対して集団的、個別的な虐殺事件が発生し、強姦(ごうかん)、略奪や放火も頻発した」と「虐殺」を認めている。その数は、東京裁判で認定された「20万人以上」、中国が主張する「30万人以上」などの数字を挙げ、「日本側の研究では20万人を上限として、4万人、2万人などさまざまな推計がなされている」としている。
 しかし、「南京虐殺」や「南京大虐殺」は当時の中国国民党が宣伝したものであることが最近の実証的な研究で分かってきた。日本軍による集団的な虐殺の有無も、はっきりしていない。こうした日本側の研究状況を過不足なく正確に記述すべきだった。
 「南京虐殺」で認識が一致したといっても、共同研究に参加した学者間でのことだ。それがあたかも歴史の真実であるかのように、日本の教科書などで独り歩きするようなことは避けたい。
 今回、中国側が戦後史の部分の発表を拒否し、それに日本側が同調したことも問題である。このため、日本側の研究論文まで非公開にされてしまった。中国当局は天安門事件(1989年)に関する厳しい言論統制を行っており、日本側の論文が公表されることで当局への批判が誘発されることを恐れたためとみられる。
 日中両国の共同研究の成果は、等しく両国民に公開されるのが筋だ。日本政府は改めて中国側に公表を求めるべきである。
 共同研究は今後も続けられる。そもそも、独裁国家の中国と学問の自由がある日本との間で、大きな成果は期待できない。日本側の学者はこのことをよくわきまえて共同研究に臨む必要がある。
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