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「mixi」2000万ユーザー突破 「世界のSNS競争は始まったばかり」と笠原社長
 ミクシィは4月14日、SNS「mixi」のユーザー数が2000万人を突破したことを発表した。2004年2月のサービス開始から6年、07年5月の1000万人突破から3年で達成。「4000~5000万人規模を目指したい」と笠原健治社長は意気込みを述べ、グローバルなSNSプラットフォーム競争に備えてサービスを継続的に強化する考えを示した。
CM展開も「性急なユーザー獲得は目指していない」
 「2000万人突破は思ったより早かった」――mixi登録ユーザーの月間増加数はここ2年ほど20~30万人前後で落ち着いていたが、「mixiアプリ」や、同じ学校のユーザーを探せる「mixi同級生」開始などで徐々に増加。今年3月、招待状なしで使える登録制をスタートするとともに全国でテレビCMを展開した効果で、74万人に急増した。
 「性急なユーザー獲得は目指していない」という。実際、テレビCMも、友人や同僚がmixiでコミュニケーションする様子を描くドキュメンタリー風。ネットサービスのCMで定番となっている、サービスのURL表示や、「続きはWebで」など検索を誘導するための内容もない。
 「mixiは説明しづらいサービス。新規ユーザーにも、人と人との心のつながりというmixiのコアバリューを理解した上で入ってもらった方が、アクティブに長く使い続けてもらえると考えた」ためという。CMは3月でいったん終了。CMがきっかけで始めた人の継続利用の状況などを調査し、効果を検証していく。
 登録制、マス広告展開を前に、友人とつながる機能も強化してきた。「mixi同級生」は、これまでに413万人が利用。mixi同級生経由でのマイミク申請は、承認率が平均より10%高いという。
 今後は「mixiアプリ」の拡大や、Twitter風ひとことサービス「mixiボイス」の機能強化など、地道な改善でユーザー数を積み上げていきたい考えだ。
mixiアプリ好調 GREEやモバゲーは「まったく気にしていない」
 mixiアプリは予想を上回る好調。4月1日現在、PC版で904アプリ、モバイルで523アプリが登録されており、昨年12月末時点でのページビューは109億に上るが、まだまだ伸びしろがあるとみる。
 「国内ゲーム会社や、海外の有力ソーシャルアプリベンダーにもう少し多く参入してもらえるよう働きかけている。協力が得られれば、大ヒットアプリがさらに出てくるのでは」
 GREEやモバゲータウンがソーシャルゲームで収益を急拡大させている一方、mixiはゲームの利用増を収益につなげられていないが、その違いは「まったく気にしていない」という。
 「GREEやモバゲーは従来のオンラインゲーム市場を狙っているが、mixiのソーシャルアプリは現実社会と地続きの人脈でコミュニケーションするためのもの。狙っている市場がまったく違う。mixiアプリは収益の立ち上がりには時間がかかると思うが、中長期的に広く大きな市場を作りたい」
 mixiアプリのソーシャルゲームの中には、プレイしているマイミクシィが多いほど有利に進められるものもあり、ゲームのために見知らぬユーザー同士でマイミクを募る、オンラインゲーム的な動きも出ている。同社は、アプリ用のマイミク募集を公式コミュニティーで行わないようアプリケーションプロバイダーに知らせるなど、対策を取っているという。
Twitterとmixiボイスは「住み分けられる」
 Twitterユーザーが拡大しており、「Twitterを始めてからmixiへのログインが減った」という声もある。笠原社長は「Twitterのオープン性はすばらしいと思う」とした上で、つぶやきをネット全体に公開することが前提のTwitterと、マイミクのみに公開できる「mixiボイス」は「中長期的には住み分けられる」とみている。
 「mixiボイスの利用は伸びており、今後の改善で大きく伸ばせる」。mixiボイスの機能強化も、今後発表する予定だ。
「グローバルなSNS競争、始まったばかり」
 mixiの伸びしろはまだ広いとみている。「米国のFacebookや韓国Cyworldはそれぞれ自国の人口の半分ぐらいが使っている。mixiもサービスの改善を積み上げることで、まだまだ伸びしろがあるのでは。より多くの人により楽しくコミュニケーションしてもらう中で、3000万~5000万人に到達できればいい」
 競合は、モバゲーやGREEではなく、Facebookや中国「開心網」「人人網」など現実の人間関係をベースにした世界のSNS。ミクシィは2008年から中国に現地法人を設立してSNSをスタートしているが「まだうまくいっていない」という。
 「世界68億人のうち、数十億人がSNSを使う時代が来るのでは。世界最大のFacebookでもまだ4億人で、競争は始まったばかり。サービスの質を高め、グローバルなSNSに互していけるよう、日本発のSNSとして頑張りたい」


mixiが2000万ユーザー突破-- 6年間の軌跡を振り返る
 ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「mixi」の会員数が4月14日に2000万人を突破した。2004年2月のサービス開始から6年。節目の数字に到達した。「ゆくゆくは3000万、4000万人を目指したい」とミクシィ代表取締役社長の笠原健治氏は語る。これまでのmixiの歩みを記事とともに振り返ってみた。
 2000万人という数字は、たとえばオーストラリアやルーマニア、スリランカなどの人口と同規模。日本の携帯電話キャリアの加入者数と比べると、ソフトバンクモバイル(約2187万人、2010年3月末)に近い。
 そんなmixiも最初は運営会社のミクシィ(当時イー・マーキュリー)社内のメンバー間で招待しあうところからスタートした。ID取得第1号はmixiを開発した衛藤バタラ氏。笠原氏は第2号ユーザーだった。
 2010年3月からは登録制も併用しているが、当時はmixiといえば「招待制」だった。すでに知っている人と旧交を温めるというサイト設計はいまも変わらない。これこそが「ソーシャルネットワーキングサービス」の定義であると笠原氏は折に触れて語っている。
 mixiの会員数は順調に伸びた。2004年7月に5万人を超え、2カ月後の9月には10万人を突破。11月25日には20万人を突破した。2004年はおよそ2カ月間で10万人ずつ増加するペースだった。
 2005年1月には30万人を突破。4月に会員数が50万人を超え、わずか4カ月後の8月にはついに100万人を突破。サービス開始から17カ月2週間というハイペースだった。年末までにさらに倍増し、200万人を突破した。最初の100万人に到達するまでには17カ月と2週間を要したが、次の100万人は4カ月と1週間。約4分の1の期間で達成した。
 2006年1月、イー・マーキュリーは社名を現在の「ミクシィ」に変更し、mixiを中核事業に位置づけることを発表した。すでに会員数は250万人。1日あたりのページビューは1億PVを超えていた。
 2月、社名が変更されたタイミングで笠原氏にインタビューした。「サービスを続々と投入する新生ミクシィのこだわり」という記事で、mixiの収益構造、IPOの予定、競合のグリーをどう見ているかなどの質問に笠原氏が答えてくれた。
 3月には会員数が300万人を突破した。2005年12月6日に200万人を突破してから、300万人まで増加するまでの期間は84日間。成長のスピードは止まらなかった。
 9月14日にはついに東証マザーズに上場。市場の注目度は高く、上場初日は値が付かなかった。ミクシィは一気にマザーズ市場のリーダー格となった。新規上場から2日目の9月15日、朝方に付けた初値は295万円だった。
 同時期、笠原氏にmixi開発秘話を聞いた。そのインタビュー記事によれば、2003年夏から新サービスの検討を始め、同年10月には「SNSをどうしてもやりたい」という気持ちが固まっていたという。
 2007年1月にはmixiの会員数が800万人を突破した。これは20代前半人口の約3分の1が利用している計算だった。さらに携帯電話向けサービスである「mixiモバイル」の1日あたりのPVは1億を超える規模に成長した。
 5月にはついに1000万人に到達。2004年2月にサービスを開始して以来、3年3カ月での達成だった。
 ミクシィは8月に神宮前の新オフィスに移転した。
 2008年7月には、会員数が1500万人を超えた。笠原氏は「サードパーティーが、『mixi』の中で自由にアプリケーションを構築・運営できるようなプラットフォームを構築することで、引き続きユーザー数の拡大を目指していきたい」とコメント。1年後に登場することになるmixiアプリを、今後の成長の柱に据える考えを示した。
 2009年はmixiアプリ一色となった。4月に開催したイベント「mixiアプリ カンファレンス 2009」で笠原氏は、「mixiアプリ開放は過去最大の変革」と演説した。8月にmixiアプリが公開され、mixiがついに「正式サービス」となった。サービス開始から5年、やっとロゴからベータ表記が取れた。
 mixiアプリは順調な滑り出しとなり、「サンシャイン牧場」のような人気アプリも多数登場。2008年以降、PV、ユーザー数が伸び悩んでいたmixiの救世主となった。



「ぐるなび」上海版の閲覧5割増 ネット各社、海外に力
 日本のインターネットサービス企業が相次いで海外関連事業の収益拡大に乗り出している。飲食店情報サイトの「ぐるなびや医薬品情報提供のエムスリーが2010年度に海外子会社の黒字転換を見込むほか、旅行サイトの一休も中国語サイトを近く新設する。消費低迷で国内での収益の伸びはやや鈍化しており、国内で成功したビジネスモデルを生かし、成長著しい中国の消費者など海外需要を取り込むことで業績拡大を目指す。
 ぐるなびの中国子会社は10年度に営業黒字化を見込む。05年の設立以来初めて。飲食店向けに旧正月(春節)の宴会や母の日のコース料理を提案するなど店舗の運営も支援しており、サイトへの掲載を希望する店舗が徐々に増加。加盟店からの会費収入が伸びている。
 上海版サイトは最近の閲覧数が月間3000万回超と前年比5割増の勢い。中国で店舗運営支援型のサイトは珍しいといい、現地子会社の売上高も2億円程度と09年度に比べて倍増する見込みだ。加盟店数をさらに増やし、早期に月間1億回の閲覧回数を目指す。中国では米グーグルが本土でのネット検索事業から撤退したが、中国のネット関連事業は高成長を続けている。



日経電子版の会員が30万人を突破
 日本経済新聞社が3月23日に創刊した「電子版(Web刊)」の会員が14日、無料・有料読者を合わせて30万人を突破した。電子版はパソコンでも携帯電話でも、確かな情報とデータ、最新の映像をいつでも閲覧できる新しいメディアとして登場し、幅広い読者層に受け入れられ始めた。
 電子版は最新ニュースをより速く伝えるとともに、より深堀りした多彩なコンテンツが特徴。なかでも、米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏と東芝の次世代原発開発をめぐるニュースとその真相に迫る「コンフィデンシャル」や、最新の話題について読者投票してもらう「クイックVote」などの記事が注目を集めた。機能面では登録キーワードに基づく自動記事収集などを備え、過去5年間の記事検索を月25件まで基本料金内で利用できる。



「続きはTwitterで」のCMが登場
 「続きはWebで」ではなく「続きはTwitterで」――4月14日に放送が始まった、ボトル缶入りコーヒー「ジョージア エスプレッソ ブラックス」(コカ・コーラシステム)のテレビCMで、Twitterと連動した企画が行われている。
 CMは、織田信長が本能寺で攻撃を受けながらもコーヒーを飲んで落ち着いているという内容で、最後に「続きはTwitterで」という音声と、「本能寺は変」という文字でWeb検索するよう誘導する画像が出る。CM映像はWebサイトでも公開している。
 Twitterと連携した特設サイト「本能寺は変~信長は生きていた~」で歴史SF小説を展開。4月14日時点では、「譲司 阿太郎」という、信長の顔アイコンの28歳サラリーマンが、「@george_ataro」というアカウントで仕事の様子をツイートしている。
 商品の広告メッセージである「いいものはちょっとずつ」にかけ、Twitterを活用。今後、8人の登場人物が1日数十回に分けて「ちょっとずつ」Twitterでストーリーをつぶやくという。



任天堂、米社に逆転勝訴 コントローラー特許侵害
 任天堂の家庭用ゲーム機「Wii」などのコントローラーに関する特許侵害をめぐり、米連邦高裁は13日、任天堂に2100万ドル(約19億5千万円)の損害賠償と販売差し止めを命じた2008年のテキサス州の連邦地裁陪審評決を覆す決定を下した。任天堂が逆転勝訴したことになる。
 米メディアによると、米アナスケープ社は06年、任天堂の「Wii」や「ゲームキューブ」などの振動機能付きコントローラーが、アナスケープ社の保有する特許を侵害したとして任天堂と米マイクロソフトを提訴していた。マイクロソフトとは08年に和解した。



「買ってはダメ」レクサスSUV、一時販売停止
【ニューヨーク=小谷野太郎】トヨタ自動車は13日、高級車ブランド「レクサス」のスポーツ用多目的車(SUV)「GX460」の米国での販売を一時停止すると発表した。
 米消費者専門誌コンシューマー・リポートが同日、急ハンドルを切った際に横転の恐れがあるなどとして「買ってはいけない車」に指定したことによる措置だ。
 トヨタは「問題点を検証し、必要があれば改善する」と説明している。大規模リコール(回収・無償修理)問題で対応の遅れを批判されたことから、早期に対応して顧客の不安を取り除きたい考えだ。



関西最大級のアウトレット 滋賀で7月に開業へ
 三井不動産は13日、アウトレットモール「三井アウトレットパーク 滋賀竜王」を7月8日に滋賀県竜王町で開業すると発表した。敷地面積は約18万平方メートルで関西では最大級。名神高速道路の竜王インターチェンジに近く、京阪神や名古屋方面から年間400万人の来場を見込む。
 衣料品や生活雑貨の店舗、飲食店など計165店が出店。人気ファッションブランドの「ZARA」や「セシルマクビー」などのアウトレット店も出店する。



【中日社説】
高速新料金 場当たりではないのか
2010年4月14日
 車種別に上限料金を導入するなど、高速道路の新料金制度が発表された。一部無料化に対応するものだが、無料化や従来の割引財源の道路建設への転用も含め、場当たり主義の感をぬぐえない。
 首都高速、阪神高速、本州四国連絡道を除く高速道路の新料金体系は、軽自動車千円、普通車二千円、大型車五千円など車種別に上限料金を設け、従来の割引制度は原則撤廃、六月から実施する。
 前政権から、ETC搭載車の休日料金上限を千円とするなどの割引が実施中だ。新料金は、六月から高速全体の18%で始める無料化とセットで、全車両対象という点を除けば、従来の制度の変形とみることもできる。
 新料金体系では、平日の遠距離走行が割安の半面、近距離利用の車は実質値上げとなる。新料金体系や一部無料化で、他にどのような問題が予想されるか。
 車の通行量がさらに増えるかは路線・区間で違い、渋滞の発生や排ガスの変動は即断できない。しかし他の公共交通への影響が強まるのは避けられまい。
 JR七社は、休日割引の減収が上限料金導入などで二倍に膨らむと見込み、先に上限料金制度の見送りを求めた。フェリー業界では、伊勢湾フェリーが九月末で三重県鳥羽市-愛知県・伊良湖航路を廃止、会社も清算する。
 高速道路無料化という民主党の政権公約は降ろさず、一方で新しい料金体系を導入する。二〇一〇年度予算で公共事業費を削減、無駄な道路建設は抑制としつつ、以前からの料金割引原資三兆円のうち一・四兆円を、高速道路整備に転用可能の法改正を進める。これは約束違反ではないか。
 割引原資の転用で、東京外郭環状道路や名古屋環状2号の新規着工、東海北陸道一部区間の四車線化などが整備対象に挙がっている。転用が一部料金実質値上げの理由との批判もある。
 新料金体系で、上限料金をETCに関係なく全車両に適用する点は、不公平の是正として評価できる。だが政権交代後の高速道路に関する施策全体を見ると、矛盾したつぎはぎが目立つ。
 国民は右往左往するばかりだ。高速道路網は新規に建設するかしないか。建設するなら資金の負担をどうするのか。維持管理の費用も含め、受益者負担の原則は今後も貫くのか。あらためて国民を納得させる首尾一貫した総合的な方針をまず打ち出し、それに基づく具体策を築くべきではないか。
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毎秒100メガの高速通信網を全家庭に 総務省検討
サービスの全国一律化も視野
 総務省は2015年までにブロードバンド網を全家庭に普及させる構想について、通信速度の目標を毎秒100メガビットにする検討に入った。光ファイバー通信並みの高速インターネットサービスを全国に広げ、遠隔医療や教育などの利用を促す。また、ブロードバンドサービスに、全国一律のユニバーサルサービス義務も課す方向だ。
 原口一博総務相の指示で総務省のタスクフォース(作業部会)が議論し、5月中旬までに方向性をまとめる。ブロードバンド網を巡っては米オバマ政権が20年までに100メガビットに高める目標を掲げるなど、各国が整備を競っている。日本では人口の9割を超える地域に光ファイバーによる高速通信回線が敷かれているが、実際に利用している割合は3割にとどまっており、普及を急ぐ必要があると判断した。
 100メガビットの超高速インターネットが実現すれば、大容量の画像診断などを多用した遠隔医療や動画を取り入れた教育などが広がるとみている。行政サービスなどの利用を進め、生産性の向上につなげたい考え。ただ実現するには技術的な課題も多い。
 ブロードバンド網の普及をにらみ、ユニバーサルサービス義務を課す対象を、電話からブロードバンドサービスへと見直すことも検討する。電話の契約数が減る一方、ブロードバンドサービスの需要が増えるためだ。
 ユニバーサルサービス制度は電話を対象に02年度につくられ、山間地や離島など採算のとれない地域でもサービスを維持するコストを通信事業者が負担している。実際には利用者に転嫁し、1回線当たり月8円を徴収している。対象を見直すとこうした料金が上がる可能性もある。



シャープ、携帯電話で海外進出 欧米や中国へ
 【北京=多部田俊輔】伸び悩む国内市場に閉じこもっていた携帯電話メーカーが海外進出へ動き始めた。シャープは米マイクロソフト(MS)と組んで5月以降、欧米でスマートフォン(高機能携帯電話)「KIN(キン)」を発売、中国でも第3世代携帯電話サービス(3G)に対応した端末を本格投入する。国内勢は海外から撤退・縮小するケースが続いていた国内勢だが、汎用性のある基本ソフト(OS)を使ったスマートフォンの人気やアジアでの3G普及で再進出の環境が整い始めている。
 「キン」はMSの携帯電話用OS「ウィンドウズフォン7」をベースに開発。北米では携帯電話大手ベライゾンワイヤレス向けに、欧州ではボーダフォン向けに投入する。
 シャープの大畠昌巳執行役員・情報通信事業統括は「キンで欧米市場に再チャレンジしたい」と意欲を示す。スマートフォンは米アップルの「iPhone(アイフォーン)」や米グーグルの携帯用OS「アンドロイド」を搭載した携帯電話が存在感を増している。シャープは「この端末にとどまらずウィンドウズフォンを出していく」(大畠氏)としており、MSとの提携を通じて欧米市場を開拓する方針だ。
 一方、中国では13日、2010年末までに、中国での携帯電話販売店を現状の5割増の1万店まで増やすと発表した。内陸部や中小都市を中心に販売店を増やすほか、携帯電話専売店に加え、家電量販店での販売も拡充する。
 品ぞろえも09年の新機種投入は10機種だったが、10年は22機種を発売する。このうち3Gに対応した端末は前年の5倍の10機種発売する計画。スマートフォンも今夏に投入する予定で、現在0.1%にとどまる3G端末のシェアを10%まで伸ばしたい考えだ。
 「カラー液晶もカメラ付き携帯も世界初だったのになぜ海外に出られないのか」。シャープの海外での巻き返しは片山幹雄社長が就任以前から温めていたプロジェクトだという。日本の携帯電話はNTTドコモなどが開発、販売まで手がける通信会社主導だったため、戦略上の制約があった。その結果、「iモード」のような先進的なサービスは生まれたものの海外に展開できない「ガラパゴス化」と呼ばれる状態が続いていた。今後はMS、アップル、グーグルなどの世界標準に準拠して海外市場での巻き返しを狙う。
 バークレイズ・キャピタル証券の津坂徹郎アナリストは「海外のOS会社と組むことで、日本メーカーも特定の通信会社に縛られない独自ブランドの端末を世界展開する環境が整いつつある」と指摘する。



<PS3>500万台を突破 FF13発売後3カ月で100万台ペース
 ソニー・コンピュータエンタテインメントの家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)3」の累計国内販売台数が500万台を突破したことが13日、エンターブレインの調べで明らかになった。
 PS3は、スーパーコンピューター並みの半導体チップを内蔵、ブルーレイ・ディスク搭載でハイビジョン画質の高精細な映像でゲームが楽しめる。約5万円の高値で発売され、ソフトに巨額な開発費が必要となるため、対応ソフトが不足するなどが原因で普及が伸び悩んだ。09年3月に300万台を突破し、9月に新型が発売されると売り上げが加速。同12月に大作「ファイナルファンタジー(FF)13」(スクウェア・エニックス)が発売され、09年12月に400万台を突破、約3カ月で100万台のハイペースで売り上げている。
 PS3向けソフトの売り上げ上位は、1位が「FF13」(約188万本)、2位が「メタルギア ソリッド 4」(約70万本)、3位が「龍が如く4」(約53万本)。任天堂の「Wii」は今年2月に1000万台を突破している。



フジテレビ、独自のミニブログサービス「イマつぶ」提供開始
 フジテレビジョンは13日、独自のミニブログサービス「イマつぶ」を開始した。見てわかるように「今つぶやく」の略で、Twitterライクな機能を提供する。利用は無料だが、フジテレビIDの登録(無料)が必要となる。PCや携帯電話、iPhoneに対応する。
 「イマつぶ」は、140文字以内のつぶやきを投稿してユーザー同士でコミュニケーションできるサービスだが、絵文字やデコメに対応していることがTwitterとの差別化ポイントという。また、1つのIDで3個の「つぶやきネーム」とそれに対応したプロフィールを登録できるため、職場やプライベート、本名とニックネームなどで使いわけられるとしている。
 「イマつぶ」は、フジテレビが当日開設した同社の第2公式サイト「1924.jp」のコンテンツ第1弾として公開したものだ。
 「1924」とは、その後の人生の価値観を大きく左右するタイミングである19~24歳を応援するために同社が開始したプロジェクトの総称。デジタルネイティブ世代である19~24歳をコアターゲットとして、テレビ番組とWebコンテンツを連動させたコンテンツを展開していく。
 フジテレビ執行役員デジタルコンテンツ局長の大多亮氏は、Twitterの利用者は比較的高所得層で平均年齢も30代と高めと言われていることから、「イマつぶ」ではもっと下の「1924」世代が、携帯電話から絵文字やデコメ、写真を簡単に投稿できるよう考慮したと説明する。



若者の2ちゃんねる離れ 中高年だけ残る「暗い未来」
「若者の2ちゃんねる離れ」がネットでささやかれている。2ちゃんには、開設当初からのユーザーがそのまま居残って「高齢化」する一方、若い世代は「ミクシィ」をはじめとしたコミュニティーサイトに移ったのではないかというのだ。
現在の「2ちゃんねらー」のメインユーザーは40代、さらには50代というデータも出ている。若者にとって2ちゃんは「不要」となっていくのだろうか。
将来は「孫のかわいさ語ろうスレ」
2ちゃんねるが開設してから既に10年を超えた。当時「若者」だったユーザーも当然、同じだけ年齢を重ねている。学生や若手の社会人だった人が、今は30代、40代になっていても不思議ではない。
グーグルが提供する「アド・プランナー」を使って調べたところ、年齢層は35~44歳が最も多かったことが分かった。35~44歳が34%と最も多く、25~34歳(17%)、45~54歳(同)、0~17歳(14%)と続いている。それから約1年後、再度調べてみると年齢層に若干の変化が見られた。最も多いのは35~44歳で全体の36%を占めている。そして2番目となったのは、45~54歳の22%だ。もはやユーザーの中心は40代、さらには50代の「中高年」と言えそうだ。
最近、「2ちゃんねる離れ」を扱ったネット記事が掲載された。当の2ちゃんねるにも早速その内容を語るスレッドが立った。「おっさん狙いの話題しか伸びないもん」と「高齢化」を感じている人もいれば、「若者が2ちゃんやらないことがなぜ深刻なんだ?何の問題もないだろ」と考える人もおり、受け止め方はさまざまだ。ただ、未来の姿を想像してかこんな書き込みもあった。
「孫の可愛さを語ろう!!とか嫁が憎いだとか
老人ホームで暮らす香具師集まれ!とか
そんなスレばかりになるのだろうかいつか」「今の若者にとってはビビッドなものではありません」
メディアジャーナリストの津田大介氏は、自身の経験として「以前より2ちゃんねるを見なくなった」と話す。2ちゃんには有益な情報が掲載されている面もあり、活用していた。しかし、ツイッターのようにリアルタイムで欲しい情報が手に入るツールが登場したため、2ちゃんの利用頻度が減ったという。
津田氏は、2ちゃんねる誕生時と比較して、コミュニティーサイトをはじめ選択肢が増えたことで、若者が移っていったのではないかと言う。「もともと2ちゃんねるは、ある程度ネットリテラシーが高くないと使いこなすのが難しいものでした。一方で、ミクシィやモバゲータウンなどは、ゲームやソーシャルアプリといった低年齢層にアピールするサービスを提供し、若者ユーザーを獲得していったのです。10年前の若者には2ちゃんが『ビビッドなもの』だったのが、今の若者にとってはそう感じられなくなったのでしょう。(2ちゃんに)若者を取り込む要素はありません」
このままでは2ちゃんの高齢化は避けられないが、「それはあらゆるメディアの宿命」と津田氏はいう。しかし若者は「2ちゃんは見ないが、『痛いニュース』は見る」というように、「まとめサイト」を見て必要情報を効率的に得ている可能性もある。今後、「まとめサイト」への細分化がどのように進むかで、若者にとっての2ちゃんのあり方が変わることも考えられる。



オバマ・胡錦濤 関係修復を演出した首脳会談(4月14日付・読売社説)
 年初以来、きしみ続けていた米中両国関係を、ひとまず修復したと言えるのだろう。
 オバマ米大統領と胡錦濤・中国国家主席の両首脳が、5か月ぶりに、ワシントンで会談した。
 相互依存関係が強まり、世界の景気回復や核不拡散の問題など両国が連携すべき課題は数多い。台湾やチベットなど2国間問題の立場の違いを超え、国際的な課題の解決では、米中が協調していくことを再確認した形だ。
 焦点だった人民元の切り上げ問題では、対立の表面化を回避しようとする動きがうかがえた。
 対ドルの人民元相場は、2008年夏から1ドル=6・8元程度で動いていない。中国が輸出産業を保護しようと、市場介入で元の上昇を抑制しているからだ。
 これに対し、今秋に中間選挙を控えた米議会では、元安が米国の産業界に打撃を与え、失業問題を悪化させているとして、反発が根強い。中国製品に報復関税をかける制裁法案も浮上しつつある。
 首脳会談は表向きは対決ムードを避けた。だが、大統領が人民元切り上げを求めたのに対して、胡主席は「外圧の中では改革を進められない」と牽制(けんせい)し、自主的に判断する考えを示した。
 米政府は、15日に予定していた為替報告書の発表を延期し、中国を「為替操作国」に名指しすることを先送りしたばかりだ。
 大統領は輸出戦略を打ち出し、雇用の拡大を重視しているが、当面は対中圧力を和らげ、元切り上げを待つ構えだろう。
 しかし、中国がいつ改革に踏み切るかは不透明だ。早期に動かなければ、米国内の対中強硬論が勢いを増し、対立が先鋭化しかねない。中国は決断を急ぐべきだ。
 中国経済は金融危機を克服し、2けた成長を回復したが、過剰マネーによる不動産価格の高騰など元安に伴う副作用も目立つ。
 ここで過度な市場介入をやめて元高を容認し、バブルを退治することが中国にも利益となろう。
 イランの核開発疑惑では、国連安全保障理事会での追加制裁決議の早期採択を目指す米国に対し、胡主席は、中国も国際的な核拡散防止体制を維持する義務があるとして、協力する姿勢を示した。
 中国は原油の輸入先や投資先として、イランとの関係を深めているだけに、米側に一定の歩み寄りを示したと言える。
 米中両国は自国の利益だけにとらわれず、国際的な課題解決に冷静に取り組んでもらいたい。
iモードの生みの親が語るツイッター論
 1回140文字以内の「つぶやき」がインターネット上を行き交い、世界中で利用者を増やすツイッター。新種の投稿コミュニケーションは経済、社会に何をもたらすのか。携帯電話を使ったデータ通信サービス「iモード」の生みの親、夏野剛・慶大大学院特別招聘教授は、知的な刺激を受けられるプラス面を認めつつ、過大評価は禁物と説く。
 僕自身つぶやいているが、すごく面白いツール(道具)だと思う。ふつう自分の意見というものは、よく考えてから話さないと誤解を招くかもしれず危険じゃないですか。過激な思想を持っているのではと疑われたりして。その点ツイッターなら、しっかり固まっていない考えを出しても怒られない。思いつきでのつぶやきだとみんなが認識してくれているからだ。
 浅はかな考えかもしれないけれど、それに対するほかの人の意見を聞いてみたいと思うことってありますよね。それが24時間、場所を選ばずにできる。しかも僕のつぶやきに注目してくれるフォロワーは、僕の知らない人の方が多い。そういう人たちの反応が分かると、知的探索、知的思考を深めていくのにとても役立ちます。こんな意見もあるんだなあと。その結果、自分の考えがまとまったり、反省したりする。
 ブログに自分の意見を書こうと思ったら、「よし頑張るぞ」と気合を入れないとできない。ツイッターであれば、今日思ったこと、ニュースで感じたことをとりあえず電車のなかでも書ける。しょせんつぶやきだから「もし間違っていたら、ごめん」という緩い感じ。文章を推敲してどうこうじゃないのがいい。逆に、考えがまとまって論理体系が固まったものは140文字じゃとても表せない。
 有名人や、フォロワーが5千人、1万人を超えるような発信者ではない一般の人たちにとってのツイッターは、人間関係をサポートするツールになっていると思う。自分が今、何をしているのか友達に知らせる方法はかつて電子メールだったけれど、今はツイッターのほうが便利だ。「今日、渋谷」「私も行く」「じゃ会おうよ」と。
 夏野氏はほかの人のつぶやきに耳を傾けるフォロワーでもある。注目するのは孫正義ソフトバンク社長のつぶやき。坂本龍馬を信奉する孫氏はNHKの大河ドラマの大ファンで、毎週放送が近づくと興奮気味のつぶやきが増える。一方で孫氏は顧客の要望をツイッターで吸い上げ、自社サービスの改善にも生かす。
 ほかの人がつぶやくのをフォローしていると、その人に対する別の見方が生まれることがある。孫さんの場合が一番いい例で、フォローすることで孫さんのキャラ(個性)がそれまでとは違って、身近に感じられるようになる。(大河ドラマの放送については)「先発隊行けーっ!!」とか、意味がつかみにくいつぶやきも多いけれど、そういう孫さんの勢いがソフトバンクの活力になっているんだと分かる。
 僕は個人的にも孫さんのことを存じ上げているけれど、孫さんを知らない人は「悪人で金もうけばかり考えている」などと思っているかもしれない。でも実際はピュア(純粋)な心でやっている人な訳ですよ。そういう孫さんの様子がタイムリーに共有できる。後から振り返る自伝とかではなくて。リアルタイム性がツイッターの根本にある。
 孫さんは顧客の声を直接、自分でとるツールとしてもツイッターを使っている。今までは部下に任せないと拾えなかった声が拾えるようになった。ツイッターそのものは企業のマーケティングに使えるとか、そこまで深く考えて作られたものではないと思う。すべてのIT(情報技術)はツールであり、使い方次第で生かせる場合も、生かせない場合もある。ITの進化を理解していると孫さんのように使いこなせる。
 海外にいても現地からつぶやくなど、夏野氏はツイッターの熱心な利用者。それでも万能型のメディアだとは思っていない。
 ツイッターには危険なところもある。たくさんのフォロワーを抱える人ほど気をつけないといけないのは、フォロワーの多くは自分に関心を持ってくれている賛同者、サポーターであるという点だ。そもそも嫌いな人、意見の合わない人をフォローしようとは思わないものね。(情報の発信者とフォロワーの関係にはそうした偏りがあり)人々の「本当の反応」はつかみにくいメディアだ。
 僕のフォロワーは1万5千人いて、1万人を超えるとマス(大集団)といえるが、僕を支持する側に立つ人たちのコミュニティーだということを忘れてはならない。僕のつぶやきに対して批判的なコメントも来るが、やはり前向きなコメントの方が多い。これを「民の声」と勘違いすると、だんだん「オレの言うことは正しい」と裸の王様になってしまう。
 ツイッターですべてが変わるとか、メディアがいらなくなるとか言っている人が結構いるけれど、それはちょっと違うなあ。



Twitterが広告プログラム「Promoted Tweets」導入 収益化目指す
 マイクロブログサービスのTwitterは4月13日、収益化に向けた広告プログラム「Promoted Tweets」を発表した。
 Promoted Tweetsは、Twitter.comの一部の検索結果ページの上部に、広告主の宣伝ツイートを表示するというもの。Twitterによると、宣伝ツイートは「企業が幅広いユーザーに向けて強調したい普通のツイート」。広告だと分かるように「promoted」というラベルが付く以外は通常のツイートと同じで、企業のフォロワーのタイムラインに表示され、リプライやRTも可能だ。Twitterは、宣伝ツイートに対する反応(ユーザーのリプライやRT)を測定し、ユーザーから反応のないものは表示をやめるとしている。
 同社はBest Buy、Red Bull、Sony Pictures、Starbucksなど少数の広告主とともに、第1フェーズを実施する。その後、Twitterクライアントにも宣伝ツイートを表示できるようにしたり、検索結果だけでなくタイムラインにもPromoted Tweetsを拡大することを計画しているという。



携帯電話から利用するTwitterの実態調査
 アップデイト内のMMD研究所は、携帯電話から利用するTwitterに関して実態調査を実施し、結果を明らかにした。
 調査はインターネット上の携帯サイトにて3月31日~4月5日に実施された。有効回答数は2056件。
 携帯電話で利用しているTwitterクライアントについては、Twitter公式の「TwitterMobile」が30.9%で1位となった。2位は「携帯Twitter」(28.3%)、3位は「iTwitterMobile」(13.8%)、4位は「モバツイ(movaTwitter)」(12.7%)。男女別では、男性の1位が「TwitterMobile」(36.7%)になる一方、女性は1位が「携帯Twitter」(29.7%)、2位が「TwitterMobile」(29.5%)となった。
 携帯電話のユーザーである回答者に対し、携帯とパソコンのどちらでTwitterを利用しているか聞いた質問では、「携帯電話のみ」が47.8%、「パソコン、携帯電話両方」が37.8%、「パソコンから」が14.9%となった。
 また、Twitterの利用目的については、男性の1位は「暇つぶし」(63.0%)となり、2位が「趣味の情報収集」(46.6%)、3位が「友人、知人とのコミュニケーション」(21.9%)、「生活の為の情報収集」(21.9%)、「仕事の情報収集」(21.9%)と続いた。女性は1位が「暇つぶし」(62.9%)、2位が「趣味の情報収集」(48.6%)、3位が「有名人、著名人のツイートを読むため」(33.9%)となった。
 調査ではこのほか、利用した感想や要望、職業別の利用目的の違いなども明らかにされている。



ネット口座、3人に1人 大手4行3000万人突破
09年度末、顧客獲得競争激しさ増す
 大手銀行4行のネットバンキング契約件数が、2009年度末時点で前年度末比8%増の約3140万人に達した。年度末ベースで3000万人を突破したのは初めてで、4行に預金口座を持つ顧客の3人に1人がネット口座も契約している計算になる。ネット専業銀行も口座数を大幅に増やしており、大手銀も巻き込んだ顧客獲得競争が激しさを増しそうだ。
 09年度末時点の契約件数を各行別にみると、三菱東京UFJ銀行と三井住友銀行がいずれも1000万を突破した。みずほ銀行は約830万、りそな銀行は200万強となった。利便性の高さや割安な振込手数料が顧客の支持を集めている。
 大手銀も若年層の取り込みや支店運営のコスト削減を目指し、顧客をネット口座に誘導しつつある。三井住友銀は5日から、ネット専用投資信託の自動積み立ての最低額を1000円(従来は1万円)に引き下げた。ネット専用投信の品ぞろえを10年度中に、現在の13本から最大50本程度に増やす。



原口総務相、ユーストリーム会見を定例化へ 「広報媒体の一つ」
 原口一博総務相は13日の閣議後会見で、9日に行ったインターネットの動画配信サービス「ユーストリーム」を通じた会見について、「広報媒体の一つと考える。ある一定の時間で体系的に政策が説明できる」と述べ、定期的な開催に意欲を示した。
 9日の会見では、ミニブログ「ツイッター」で告知し、大臣室からの生中継で総務省の政策について説明をした。
 原口総務相は、告知の中で、「情報発信の新しいあり方について議論しています。さまざまな可能性に挑戦したいと考えています」と説明していた。
 視聴者から「大臣室から! すごい」「マスコミを通じない形がいい」「今後もこのダイレクトコミュニケーションを続けて」といった歓迎の声が寄せられるなど好評だったという。
 ただ、同省広報室には、事前にいっさい知らされておらず、波紋が広がっていた。



「主婦借りられない」 内閣府政策会議、貸金業法改正に懸念続出
 内閣府は13日、政策会議を開き、6月に予定する改正貸金業法の完全施行について与党議員から意見を聴取した。参加者からは「中小零細企業や主婦が借りられなくなる」といった懸念の声が相次いだ。これに対し、亀井静香金融相は同日の閣議後会見で「施行を目指した体制づくりに全力をあげて努力する」と、予定通り施行する方針を改めて強調した。
 政策会議では金融庁のプロジェクトチーム(PT、座長・大塚耕平内閣府副大臣)がまとめた運用見直し案を提示。見直し案は、上限金利の引き上げや、借入額を収入の3分の1までとする総量規制など規制強化に当たり、借入残高の超過分を段階的に減らすための借り換え措置などが盛り込まれている。
 これに対し、参加者からは、「多重債務や自殺の問題は解決しない」などと懸念する声が続出。「6月までに手続きが間に合うのか」といった指摘や、「政策決定の過程が不透明」といった批判も出た。
 貸金業法に詳しい堂下浩・東京情報大学准教授は「規制強化で行き場をなくした顧客がヤミ金に流れるのは確実。現状のまま完全施行するのはリスクが高く自殺者も増えかねない」と警告している。



09年度企業物価、過去最大5・2%減 需要不足でデフレ圧力
 日銀が13日発表した2009年度の国内企業物価指数(05年=100、速報)は102・6と、前年度比5・2%下落した。下落率はデータが比較可能な1961年度以降では、86年度と並んで過去最大となった。需要不足によるデフレ圧力で、鉄鋼などの原材料や電子部品など幅広い品目で下落した。
 同時に発表した3月の国内企業物価指数(速報、200年=100)は102・6と、前年同月比1・3%下落し、15カ月連続で前年を割り込んだ。下落率は2月の1・6%から0・3ポイント縮小し、7カ月連続で改善した。前月比でも0・2%の上昇。石油などの原材料費の上昇で企業物価は着実に下げ止まっている。ただ、消費不振で最終製品の価格に転嫁するのは難しく、企業収益の圧迫要因となる懸念がある。
 09年度を品目別でみると、石油・石炭製品が、前年度の高騰の反動で前年度比23・3%下落。鉄鋼が15・5%、非鉄金属が11・7%、化学製品も6・9%、電子部品・デバイスが4・7%と、幅広い品目で下落した。
 一方、3月の品目別では、石油・石炭製品が前年同月比27・3%増と、高騰の反動減が一巡し足元の相場上昇で、企業物価を押し上げている。



グーグルはいじめ動画掲載で利益追求 伊地裁が判決理由を開示
 米ネット検索大手グーグルの動画サイトにイタリアの自閉症の子供がいじめられている様子を撮影した動画が投稿され、同社幹部らに有罪判決が言い渡された裁判で、同国北部ミラノ地裁は12日までに、グーグル側がサイトへの広告掲載で利益を得ようとしていたとの判決理由を開示した。AP通信が伝えた。
 地裁は2月24日、プライバシー侵害の罪で同社幹部ら計3人に執行猶予付き禁固6月の判決を言い渡した。イタリアのメディアによると、投稿コンテンツの不当性を理由にネット上のサービスを提供する会社関係者の刑事責任が認められたのは初めて。グーグルは控訴の方針を示していた。
 イタリアでは裁判所は判決理由を後日、開示することになっており、同地裁は2月24日は量刑だけを言い渡した。



ネットメディアがピュリツァー賞を初受賞 調査報道で
 米ニューヨークのコロンビア大は12日、優れた報道などに贈られる第94回ピュリツァー賞を発表。調査報道部門では専門サイト「プロプブリカ」が2005年のハリケーン「カトリーナ」の医療活動に焦点をあてた報道で、インターネットメディアとして同賞を初受賞した。ニューヨーク・タイムズ・マガジンとの共同受賞。
 ジャーナリズム計14部門のうち、ワシントン・ポスト紙が国際報道や企画報道など4部門を制した。昨年5部門で受賞したニューヨーク・タイムズ紙は今回、3部門にとどまった。
 企画写真部門はイラク戦争で戦闘に臨む10代の兵士の表情をとらえたデンバー・ポスト紙のクレイグ・ウォーカー氏が獲得した。速報写真部門はダムに落ちた女性の救出場面を撮ったデモイン・レジスター紙。



伝統薬 都内にショップ 薬事法改正で老舗結束
 各地に伝わる伝統薬の製造業者が力を合わせ、東京都港区に初のアンテナショップを開いた。いずれも創業が明治・大正期の老舗で、小規模経営ながら家伝の製法を守り、主に電話で注文を受けて顧客に薬を送り届けてきた。だが09年6月、改正薬事法が施行され、通信販売ができなくなった。業者はショップを通じて伝統薬を守ろうと必死だ。
 伝統薬は、各地に伝わる古くからの製法で、生薬などを配合した薬。一部の漢方薬も含まれる。「高輪 伝統薬房」と名付けられた店舗は、薬事法改正に対抗するため同業43社で組織した「全国伝統薬連絡協議会」が、加盟社の「再春館製薬所」(本社・熊本県益城町)東京事務所(港区高輪4)1階に開設した。
 店内には薬種を粉末にする薬研(やげん)や小さな引き出しがたくさんついた百味箪笥(ひゃくみだんす)が置かれ、生薬の香りが漂う。棚には動悸(どうき)、息切れに効く「六神丸」や風邪薬、婦人薬など21社の約60種の薬が昔ながらのパッケージで並んでいる。来店した客には2人の薬剤師が効能や特徴を説明する。「一人でも多くの人に伝統薬を知ってもらいたい。このままでは貴重な遺産が消えてしまう」と店の担当者は話した。
 通信販売の原則禁止は主にネット販売への規制を念頭に置いたもので、伝統薬業界には「電話注文を受けていた自分たちは、あおりを受けた」との思いがある。08年10月までの加盟43社の年間売上総額約87億円のうち、4割を超える約39億円が通販での売り上げだった。協議会によれば、改正法施行後、実際に多くの業者が売り上げを2~3割減らしているという。
 各地に伝統薬を訪ねた「妙薬探訪」の著者で医療ジャーナリストの笹川伸雄さんは「薬に安さと即効性ばかりが求められるようになり、通販禁止でますます消えていくだろう」と指摘する。戦前は1000以上あった業者は現在、200社以下に減ったという。
 協議会は国に引き続き電話による通信販売禁止の見直しを求めていく考えだ。



【中日社説】
タイ騒乱 暴動の裏側にあるもの
2010年4月13日
 タイの騒乱は、日本人カメラマンを含む二十人以上が死亡する流血の事態に陥った。収拾のめども立たない。「ほほ笑みの国」に影を落とす根深い貧富の差。人々があの笑みを取り戻すには-。
 苦学して大学を出た会社勤めのタイ人から、こんな「夢」を聞いたことがあった。
 「生まれ変わってもタイ人がいい。でも、今度はお金持ちに生まれたい」
 生まれ変わらなくては、貧乏から抜け出せない。そういう悲鳴だった。
 対立は、起きるべくして起きたといえる。貧富の格差は、一九八〇年代からの経済発展で生じたゆがみでもある。工場進出が相次いだバンコクと農村部の平均所得は十倍にも開いた。相続税もなく、富は固定化される。成長優先の陰で格差は放置されてきた。
 治安部隊と衝突した「赤シャツ隊」は、タクシン元首相を支持するタイ東北部の貧しい農村部の人々。三月十四日から首都バンコクの繁華街を占拠し続けていた。
 二〇〇一年に政権を握った元首相は、農村部の貧しい人々に優遇策を打ち出し、選挙で圧勝した。
 強権ぶりや一族の蓄財が批判を浴び、元首相は〇六年の軍事クーデターで亡命したが、農村部では今も支持されている。現在のアピシット首相は英オックスフォード大卒のエリートで、富裕層・都市中間層が支える。
 取材中だったロイター通信カメラマン、村本博之さん(43)の左胸に実弾が貫通した。痛ましい限りだ。治安部隊は実弾は使っていないという。タイ政府には厳正な調査と責任の糾明を求めたい。日本政府も究明に力を尽くすべきだ。
 クーデターからの四年間、国内の騒乱が収まらない。深刻なのは打開策が見えぬことだ。
 もし現首相が退陣しても、求心力のある政治家はいそうもない。タクシン派が求める総選挙を行えば、タクシン派の集票力が勝るだろう。反タクシン派は黙っていまい。国民が慕うプミポン国王は既に八十二歳と高齢で入院中だ。
 今はともかくも双方に自重を求め、テーブルに着くよう願いたい。根本解決には、国民の間の格差を見つめることから始めてほしい。
 日本とタイは、経済や貿易、文化など幅広いつながりがある。お互いに支え合う関係でもある。タイの政情は東アジアの安定にも影響する。日本は大切な友人に対し、忠告も手助けもしたい。
NTT再編、家庭との接続網分離を検討 総務省作業部会で
 総務省の作業部会(タスクフォース)はNTTグループの組織再編を巡り、基幹通信網から各家庭に高速大容量回線を引き込む「アクセス網」の分離を検討する。NTT以外の通信事業者も同条件でアクセス網を利用できる環境を整えることで価格競争を促し、ブロードバンドを普及させることを目指す。5月中旬をメドに方向性を示し、年内に結論をまとめる考えだ。
 ブロードバンドの中心である光通信網は人口の9割を超える地域で利用できるが、実際にアクセス網を使って家庭で利用している割合は3割程度にとどまる。政府は光通信サービスの7割のシェアを占めるNTTに対し、同社が持つアクセス網を他業者も同条件で利用できるように促せば、利用料金の低下につながるとみている。
 具体的には(1)NTTの一部門として機能だけを分離する(2)NTTグループ内で分社化する(3)NTTと資本関係を切り離して完全に別会社化する――などの案が浮上している。政府は分離したアクセス網を通信事業者が同条件で利用できる仕組みを構築する。海外では英BTが機能分離方式を採用している。
 NTTは政府が3分の1超を出資する特殊会社だが、株式を公開しており、政府がNTTに不利な再編を強要すれば、株主の利益に反する可能性もある。このため作業部会では、慎重に議論を進める方針だ。
 通信会社の間では、分離に対する意見の溝は大きい。NTTはアクセス網の分離について「分離した会社はもうからない設備事業をやる意欲がわかない」(三浦惺社長)として反対する。一方、アクセス網を使っているソフトバンクなどは「分離は海外でも例がある」(孫正義社長)として分離を主張している。



マイクロソフト、SNSに的絞った携帯電話
 【シリコンバレー=岡田信行】米マイクロソフト(MS)は12日、「フェースブック」など交流サイトの利用に的を絞った携帯電話「KIN(キン)」を発表した。シャープと共同開発した端末2機種を5月に米国で発売する。携帯電話はパソコン並みの多機能化が進んでおり、MSも2月に発表した新型OS(基本ソフト)でアップルなどに対抗するが、それとは一線を画するSNS特化端末の成否に注目が集まりそうだ。
 新型携帯電話「キン」は手のひらに収まるサイズの「キン・ワン(1)」と携帯ゲーム機のような大きさの「キン・ツー(2)」の2種類。いずれも、スライド式のキーボードと液晶タッチパネル画面、カメラを搭載。フェースブックやマイスペースなどの交流サイトを使って写真やメッセージ、検索情報を共有できる。
 米国では通信大手のベライゾン・ワイヤレスが販売し、MS、シャープ、ベライゾンの3社で販売促進活動を共同展開する。キン本体には3社のロゴや社名が入る見通し。価格や通信料金は明らかではないが、「SNSの利用者層が安心できるようにする」(担当者)としており、パソコン並みの作業をこなせるアップルの「iPhone(アイフォーン)」など高機能携帯よりも低価格になる見通しだ。
 今秋にはボーダフォンと組んで、英、独、スペイン、伊の欧州4カ国でも売り出す。日本での発売は未定としている。



私の「信用力」教えて 開示請求、最多の約11万件
09年度 審査厳格化など背景
 個人がクレジットカードの利用や支払い状況など自分の信用情報の開示を求める動きが強まっている。信用情報機関のシー・アイ・シー(CIC、東京・新宿)が2009年度に個人本人に開示した信用情報の件数は前年度比6%増の10万9千件で過去最多となった。改正貸金業法の完全施行を6月に控え、貸金業者が融資などの審査を厳しくしていることを反映しているとみられる。
 信用情報は通常、貸金業者がクレジットカードを発行したり、キャッシングの利用枠を設定したりする際などに照会するデータで、他社のカードでの利用や支払い実績などを確認できる。
 CICによると、03年の個人情報保護法施行をきっかけに個人による信用情報の開示請求件数が増えており、09年度は11万件に迫る水準まで膨らんだ。住宅ローンを契約する際に、あらかじめ自分の信用情報を確認しておくなどの利用者も多いが、今年6月に迫る改正貸金業法の完全施行による規制強化も影響しているようだ。
 個人向けローンの規制を大幅に厳しくする同法では、貸付総額を利用者の年収の3分の1以下に抑える総量規制が導入される。また貸付上限金利もこれまでの29.2%から20%に下がる。このため、カード会社を含めた貸金業者は返済能力の低い個人への融資の絞り込みや、カード発行の抑制に動いている。
 こうした要因からキャッシングの利用枠を縮小されたり、カードの入会審査を通らなかったりした個人が、自らの信用情報を確認していることが開示請求を増やしているとの指摘がある。
 総量規制が導入されると貸金業者は信用情報機関に登録された利用者の借り入れ状況だけでなく年収を正確に把握する必要がある。このため、急ピッチで源泉徴収票など年収証明の提出を利用者に要請しているが、思うように集まっていないのが実態。完全施行後にキャッシング機能を使えなくなる利用者が増える可能性もある。



法人税収、32年ぶり10兆円割る 還付金も急増
09年度 地方税も低水準に
 2009年度の国と地方の法人税収が32年前の水準まで落ち込む見通しとなった。財務・総務両省の予測によると、国・地方合計の法人税収は9.7兆円と08年度実績(18.4兆円)の半分近くに急減し、1977年度(8.7兆円)以来の低さとなる。08年度のリーマン・ショックによる業績悪化がなお尾を引いており、納め過ぎた税金の還付が09年度に急増したことも一因だ。
 国の09年度税収は3月決算企業の納税額が固まる5月分まで集計し、7月ころ判明する。09年度2次補正予算の見通しでは法人税は前年度のほぼ半分の5兆1750億円で、当初予算段階の10.5兆円から大幅に下方修正した。バブル期のピーク(89年度の19兆円)の約4分の1、直近のピーク(06年度の14.9兆円)の3分の1程度の水準にとどまっており、落ち込み幅が大きい。
 国の法人税収が大きく落ち込むのは、企業が前年度の税金の納め過ぎを相殺する還付が増えたことが背景。08年度に急速に業績が悪化した際、多くの企業は税金を納めすぎており、その分を09年度に取り戻した格好だ。
 企業は中間決算の段階で、その前の年の利益などを参考にして想定される法人税額の半分程度を中間納付。残る半期分の損益を合算して当該年度の法人税を納める。
 08年度はリーマン・ショックを経た年度後半にリストラや損失処理が相次ぎ、税金の過払いが相次いで発生した。財務省によると、09年度の還付額は今年2月末時点で3兆円を超え、08年度の1.4兆円を大きく上回る見通しだ。



米グーグル日本法人、社長職を廃止 世界一体経営を強化
 インターネット検索最大手の米グーグルは日本法人の社長職を廃止する。現在、日本法人社長を務める辻野晃一郎氏(52)は4月末に退社する。カリフォルニア州マウンテンビュー市の本社を中心とするグループ一体経営を強化する狙い。
 グーグルは本社と世界各地の拠点との連携を重視しており、原則として現地法人に社長を置いていない。日本法人も社長職を廃して全世界の経営体制に合わせる。日本の開発部門などはこれまでも米本社と一体運営してきたが、今後はあらゆる分野で連携をより密にし意思決定のスピードなどを引き上げる。
 グーグル日本法人は様々なネットサービスの開発やネット広告の営業を担当している。需要拡大が見込まれる日本市場の開拓を強化するため、拠点の大幅拡充と開発・営業人員の積極採用を進めている。
 現社長の辻野氏はソニー出身で、パソコン「VAIO」を育てたことで知られる。2007年4月にグーグルに入社、09年1月に日本法人社長に就任した。法律上の代表取締役は別の営業幹部が務めるが、社長職は設けない。



パソコン新機種、テレビ機能が「売り」 NECなど地デジ内蔵型
 パソコン各社がテレビ視聴機能を搭載したパソコンの品ぞろえや機能を拡充する。NECは今夏からノート型パソコンを中心に搭載モデルを増やす。富士通は薄型テレビを表示装置として使うタイプのパソコンの使い勝手を高める。2011年夏に予定される地上デジタル放送への完全移行を前に、パソコン各社はテレビ視聴機能を打ち出して買い替え需要の一部を取り込む狙い。個室でテレビを楽しむ層が増えているのにも対応する。
 NECは今夏のボーナス商戦に投入するパソコンから、地デジチューナー搭載のモデルを増やす。これまで同社のノートパソコンでは最上位機種のみが対応していたが、これを中期的に全体の1割程度まで引き上げる計画。対応製品の価格は搭載しないモデルよりも1万円高い程度に抑える。オプションで機能を加えられる方式も検討する。
 パソコン本体にアンテナケーブルを接続しなくても、無線LAN(構内情報通信網)経由で受信できる機能なども搭載。設置場所を選ばないというノートパソコンの利点を生かす。
 電子情報技術産業協会(JEITA)によると、地デジチューナー内蔵パソコンの出荷台数は現在、パソコン全体の約7%を占める。2009年4月から10年2月までの累計で前年同期比4割増と大きく伸びている。低価格のネットブックに売れ筋が移行するなか、テレビ視聴機能の搭載で価格競争に巻き込まれにくくする狙いもある。パソコンでテレビ放送を楽しむ層が拡大すると、好調に推移する薄型テレビの販売に影響が及ぶ可能性もありそうだ。



【産経主張】JR不採用決着 「ゴネ得」としか映らない
 国鉄の分割・民営化に反対した国労組合員らがJRに採用されなかった問題が政治決着した。
 政府が1世帯当たり約2200万円を和解金として支払う代わり、国労側は旧国鉄(現・鉄道建設・運輸施設整備支援機構)を相手取った係争中の訴訟すべてを取り下げることが合意の柱だ。
 原告団910世帯で総額200億円という和解金の算出根拠も疑問だ。国鉄再建のため、あえて広域転勤などにも応じた多数の国鉄マンにはゴネ得としか映らないだろう。その意味でも、JR採用を希望する場合は政府が雇用受け入れを各社に「要請する」とした合意はおかしい。
 前原誠司国土交通相は「あくまでも判断するのはJR各社だ」としつつも、「最大限の努力を要請したい」とも語り、民間会社への権利侵害にはあたらないとの見解を示している。分割・民営化を主導した官庁のトップとして、信じがたい発言である。
 今回の決着は、与党の民主・社民・国民新3党と公明党が3月中旬に政府に提出した「4党提案」がたたき台になっている。和解金も3000万円近かった当初案からすれば相当減額されている。
 しかし、JRの雇用受け入れについては社民党はじめ4党・国労側が最後まで譲らず、最初は難色を示していた政府も「要請」なら責任は回避できるとみて最終的に受け入れを決めたようだ。
 国労側が政府の後押しに終始こだわった背景には、ちょうど10年前にもあった4党合意の失敗が“教訓”としてある。
 当時は自民・公明・保守の与党3党と野党の社民党による合意だったが、提案内容が金額や雇用義務で具体性を欠いた結果、2年後には白紙撤回された。
 前原国交相発言に社民党の又市征治副党首が「政府の要請は重い。単に要請ベースみたいな話ではすまない」と、すかさず実現を迫ったのもこのためである。
 原告団でJR採用希望者は北海道と九州を中心に200人程度いるという。すでに完全民営化で国の手を離れた本州の3社はともかく、国が依然、全株を保有する北海道など他のJR各社には無視できない圧力となろう。
 JRの不採用については、平成15年12月の最高裁判決で「責任なし」の司法判断が確定している。政府には、その自覚とともに民間への介入自制を強く求めたい。
ガラパゴス化は携帯だけじゃない Facebookの国内普及、実名制がネックに(COLUMN)
 世界最大のSNSサイト・Facebookだが、日本ではまだまだミクシィやグリーに及ばない。会員数が伸び悩む理由の1つに、日本人特有の気質があった。
 国内ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の最大手・ミクシィは昨年8月にスタートさせた「サンシャイン牧場」などのアプリゲームが好調だ。ユーザー数・PV数ともに上昇、昨年末の時点で会員数は1800万人超に伸びている。また同じくSNSのグリーもゲーム人気から会員数が1500万人超えするなどミクシィに迫る勢いをみせている。
 だが、これは国内での話であって、海外で一番使われているSNSはアメリカ発のFacebookだ。Facebookの成長はめざましいものがあり、全世界のアクティブユーザーは今年に入り4億人を超え、昨月には米国内のアクセス数でグーグルを抜き、首位にたったと各メディアが報じ話題となった。Facebookは3月13日までの1週間で米国内の訪問者数が最も多いサイトとなっている(インターネット調査会社ヒットワイズ調べ)。
 Facebookの日本版は2008年から対応しているが、現在の国内会員数は他国と比べると比較的少ない90万人超にとどまっている。日本ではミクシィやグリーの方が断然知名度も高く、なじみが薄いのがFacebookの現状だ。どうやら携帯電話と同じガラパゴス化現象がSNSでも起っているようだ。
 Facebookはツイッターのようにつぶやいたり、日記を書けたりと他のSNSと大きな違いはないが、特徴をあげるとすれば実名性が高いことである。Facebook自体も実名制を推奨しており、実名はもとより、会社名や個人のメールアドレスを公開している人や顔写真を掲載している人も多い(ただし情報を公開する範囲は友達までなど選ぶことができる)。実名や詳しい情報を公開していた方が、友達から検索してもらいやすいこともメリットであるが、海外ではネット上で発言する際に、実名でないと説得力がないと考える人が非常に多いのも理由の1つだ。
 Facebookは実名制によって、他のSNSと差別化をはかることでここまで成長してきたが、ネット上では匿名制を好み、ミクシィやグリーに慣れ親しんだ日本人にとって、Facebookの推し進める実名制は少なからず抵抗があるのも事実だ。
 ただし最近ではツイッターなどを実名で利用している人も多く、徐々にネット上で実名への抵抗感が減ってきている。そのためかFacebookの加入者も緩やかとはいえ、日本でも増加している。
「iPhoneを買ったら、Facebookが使えたので、登録してみました」(51歳・男性)というように、iPhoneや今月発売されたソニーエリクソンの Xperiaなどのスマートフォンは、Facebookと紐づいていることが多い。タイムラインで書き込みを表示してくれ、使いやすい環境を作ってくれているため、スマートフォン所有者の増加に伴い、登録者数が増えている。
 スマートフォン、Xperiaを手に入れた記者も、ツイッターやミクシィ、メールや着信の履歴を時系列で見ることができる「タイムスケープ」という機能の中に、Facebookも連携していたため、気になって入会してしまった。日本では昨年、ツイッターがブレークしたが、今年はFacebookの人気に火が付く可能性もある。



菅副総理「増税しても景気良くなる」
 菅直人副総理兼財務・経済財政相は12日午後、外国特派員協会での講演で「増税しても使い方を間違わなければ景気は良くなる。多くの人がそのことを共有してくれれば、増税を掲げると選挙に負けるというトラウマから(政治家は)解放される」と訴えた。
 そのうえで、政府として「経済成長と社会保障(制度の安定)、財政健全化を目指す1つの法案を準備している」と説明。財政健全化の関連法案を提出している自民党などに協力を呼びかける考えを説明した。



「消費税10%へ段階的引き上げ必要」御手洗経団連会長
 御手洗冨士夫日本経団連会長は12日の定例会見で、「来年度予算は巨額の歳出が必要になり、中長期的にみて日本経済に悪影響を及ぼす」と懸念を示し、「これを正すためにも消費税を2011年から段階的に10%に引き上げなければならない」と語った。
 御手洗会長は「日本の将来のために税制改正は避けて通れない。法人税に頼らず、景気・不景気に弱い構造を直すべきだ」と言及。
「消費税を拡充して目的税化し、社会保障に充てるべきだ」と日本経団連の従来の主張を改めて強調し、「少なくとも10%以上の消費税率引き上げが必要だ」と力説した。
 また、先週末に決党した保守新党「たちあがれ日本」に触れ、「重大な決意を持って立ち上がったのだろう。正式に発足したら、マニュフェストを拝見したうえで早期に政策対話をしたい」と期待感を示した



シャープ、世界初の4原色対応3Dテレビ発売へ 今夏
 シャープは12日、立体的な映像が楽しめる3次元(3D)対応の液晶テレビを、国内で今夏から発売すると発表した。3Dテレビの国内投入は4月のパナソニック、6月のソニーに次いで3社目。先行投入された米国では3D商戦が激化しており、国内でも争いが加熱しそうだ。
 シャープは同日、3D対応の液晶ディスプレーについて、世界で初めて4原色対応タイプを開発したことも発表。従来の赤、緑、青に加えて、黄も加えて映像を表示させる技術で、シャープは「これまでにない明るく色鮮やかな表示が可能となる」としている。
 今夏投入する3Dテレビ新製品は5月にも正式発表する。まず国内で先行投入し、「欧米中国でも本年度中に発売したい」(シャープ幹部)としている。



「Palmが身売り」の報道
 スマートフォンメーカーの米Palmが身売りを模索しており、今週頭にも入札を行うと、Bloombergが事情筋の話として伝えている。
 PalmはPreやPixiなどのスマートフォンをWebOSソフトを手掛ける企業。Goldman Sachs Group、Qatalyst Partnerと協力して身売り先を探しているという。
 Palm株は4月9日に急騰した。同社の株価は先週、買収のうわさとオプション市場のうわさで激しく変動した。
 台湾のEconomic Daily Newsは9日に、世界第5意のスマートフォンメーカーHTCが「Palm買収の意向を明らかにした」と報じた。
 Palmにコメントを求めたが、業務時間外で連絡が付かなかった。



Apple、iPhone SDKの規約変更 Flash締め出しか
 AppleがiPhone OS 4.0 SDKのβ版公開に合わせて、SDKの利用規約を変更したことが物議を醸している。新たな規約では「アプリケーションはObjective-C、C、C++、またはiPhone OS WebKitエンジンによって実行されるJavaScriptで書かなければならない。C、C++、Objective-Cで書かれたコードのみコンパイルして公開APIに直接リンクできる(変換・互換のためのレイヤーやツールを使って公開APIにリンクするアプリは禁止する)」となっている。これにより、Adobeの「Packager for iPhone」ツールでFlashアプリをiPhoneアプリに変換したり、C#で書いたアプリを.NETフレームワークでiPhoneアプリに変換するといったことができなくなる。
 開発者からはこの変更を批判する声が上がっており、「Flashつぶしのための変更ではないか」との見方もある。Adobeは「新しい規約を調査しており、Packager for iPhone技術の開発を続ける」とコメントしている。この技術はAdobeのCreative Suite 5に搭載される予定だ。
 ジョブズ氏はこの件についての問い合わせについて、品質維持のための措置と答えている。同氏はクロスプラットフォームアプリを開発するための中間レイヤーが「水準以下のアプリを生み出し、iPhoneプラットフォームの進歩を妨げる」ためと説明している。



昨年度の中古車販売、過去最低で初の400万台割れ
 日本自動車販売協会連合会(自販連)が12日発表した2009年度中古車登録台数は、前年度比7・5%減の394万7289台と、1978年度の統計開始以来最低となった。減少は4年連続で、400万台割れは初めて。エコカー減税などの新車購入支援策により、中古車の割安感が薄れたことが影響したとみられる。
 2009年度の販売台数は、ピークだった1996年度と比べて3割以上低い水準。内訳をみると、乗用車が6・8%減の339万4870台、トラックが12・2%減の44万4453台。景気低迷により、運輸、物流業者の購入意欲減退が続いている。
 同日発表された今年3月の中古車登録台数は、前年同月比7・1%減の50万7329台で、昨年2月以来、14カ月連続で前年を下回った。
 自販連では「当面、厳しい状況が続きそうだ」と話している。



ビール類出荷、過去最低=キリンが2年連続首位-1~3月
 ビール大手各社が12日発表した2010年1~3月のビール類(ビール、発泡酒、第三のビール)出荷量は前年同期比5.7%減の8613万9000ケース(1ケース=大瓶20本換算)で、統計が始まった1992年以降で最低となった。前年割れは3年連続で、過去最低の更新は05年1~3月以来5年ぶり。会社別シェアはキリンビールが37.3%(出荷量は6.6%減)で2年連続首位。
 消費低迷の影響に加え、昨年末に一部メーカーが年間シェアを伸ばすために大量出荷した反動が年明け以降に表れた。低価格で人気の第三のビールは9.5%増だったが、ビールと発泡酒はマイナスだった。
 シェアは、アサヒビールが35.5%(同6.5%減)で2位。「ザ・プレミアム・モルツ」などが伸びたサントリー酒類は14.2%(同3.8%増)となり、唯一シェアと出荷量を増やした。サッポロビールは12.0%(同10.3%減)だった。 



CHINTAIとエイブルが共同持ち株会社設立
 賃貸住宅情報誌を発行するCHINTAIと、アパートやマンションの賃貸仲介大手のエイブルは12日、今年11月1日をめどに株式移転方式で共同持ち株会社を設立すると発表した。持ち株会社が両社株式を100%保有し、傘下に置く。両社の普通株式1株に割り当てられる持ち株会社の普通株式は、CHINTAIが100株、エイブルが2・3株となる。
 賃貸住宅業界は、長引く景気低迷や少子高齢化の影響で、若年層の住み替えに対する意欲が低下するなど経営環境が悪化。このため両社は、新たな企業グループを設立することで、賃貸物件や情報掲載件数の増加を図り、効率的な経営とサービス向上を目指す。



電子書籍で一番読み返したいマンガ「スラムダンク」
ライフネット生命保険は2010年4月、電子書籍に関する調査結果を発表した。
調査は、ネットエイジアリサーチのモバイルモニター会員から全国の25~44歳の男女1000人を対象に実施。書籍のジャンルごとに、本と電子書籍とどちらで読みたいか聞いたところ、「本で読みたい」のは「小説・文芸」(80.0%)、「雑誌」(73.8)が上位となった。一方で、「電子書籍で読みたい」ジャンルとしては、「アニメ・ゲーム」(33.9%)、「コミック」(24.5%)などが上位に入った。
また、携帯電話の電子書籍で「読み返したいマンガ」としては、男女総合でトップだったのが「スラムダンク」(29.0%)。男性だけでは「ドラゴンボール」(34.4%)、女性だけでは「花より男子」(38.6%)がそれぞれトップだった。



急成長!女性向け「お色気ケータイコミック」市場
10代、20代の女性を中心に、ケータイコミックが流行っています。最近に限ってみても、2006年に約100億円だったのが、07年に約230億円、08年には約400億円という急成長ぶりです。
先日、所用でバスに乗っていたときのこと。若い女性が熱心にケータイを睨みつけているので、何かと思って覗き見してみたら、やはりケータイコミックでした。
読者の過半は女性という調査があり、アクセス時間は夕方以降、23時から24時頃にピークを迎えるのだとか。
何が若い女性を惹き付けているのでしょう?
「女の子の妄想が端的に描かれているんですよ。真剣に読むというよりは、寝る前や空き時間に気分転換で読み捨てる感じだと思いますけどね」
そう話すのは、ケータイコミック愛好者の20代女性。昭和の頃によくあった、男性社会人向けのお色気短編マンガみたいなもの、ということのようです。
「ストーリーも伏線も、いたって単純。エッチの過激さはレディス・コミックと変わらないと思いますけど、そこは、まあ、妄想だと割り切ってますし。リアルの生活とは区別してますよ。そんなの当たり前で、この程度でオジサン、オバサンに不健全だとか目くじら立てられても…ねえ」
近年、1000億円単位で市場が縮小しつつあるマンガ・コミック市場。その救世主にケータイコミック、電子ブック版のマンガがなると期待する向きもあるようです。
読み捨てるものはケータイや電子書籍で、保存して繰り返し楽しむものやフルカラー豪華版のような特別エディションはリアルの書籍で。
電子ブックリーダーの普及により、そんなスタイルに変わっていくのかもしれません。

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