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なんともインチキ臭い手口……“押し紙圧縮新聞社”がソロリ(COLUMN)
2009年10月、筆者は複数の全国紙が長年封印してきた“押し紙”の存在に触れた。公称部数と実際の販売数との差が押し紙で、各紙はその存在を絶対に認めてこなかった。が、最近、一部の新聞がこれをこっそり是正し始めたのだ。今回の時事日想は、ソロリと始まった取り組みに触れる。
押し紙とは、先に触れたように新聞社が公表している部数と、実際に読者の手元に届けられた部数との差だ。新聞社の印刷工場を出た商品が販売所に押しつけられ、配達はおろか梱包すら解かれずに廃棄されている状況を指す。
実際に筆者が新聞販売所に勤務していた20年前から存在し、インターネットの普及で新聞離れが加速している昨今、その数は着実に増え続けているのだ。2009年10月、筆者はこの状態について、新聞社に広告を出稿している企業が是正を求め始めていると触れた。
全国紙が提示する広告掲載料は高く、ここに定期的に出稿するのは大手企業が大半。だが、昨今の不況で企業側は厳格なコストカットを迫られ、出稿量を抑制し始めた。企業側はこれと同時に、株主などステークホルダーからの厳しい監視の目にさらされ始めた。つまり、“押し紙で水増しされた割高な広告料を支払い続けるのはけしからん”と迫られたわけだ。
筆者が昨年この問題に触れたのは、ある週刊誌が押し紙についての詳細を報じ、リポートされた側の新聞社が同誌を訴えたことが契機となった。両者は現在も係争中であり、各紙にとっては死活問題ともいえるデリケートなテーマだ。
が、最近接触した一部大手紙関係者から、非常に興味深い話を聞き出すことができた。この関係者によれば、「押し紙の是正に動き始めた」というのだ。長年に渡って新聞販売所を苦しめてきた業界のウミのような問題だ。なぜ声高に見直したとアピールできないのか。そこには根深い問題が潜んでいた。
●インパクトが大きすぎる
この新聞社が始めた具体的な是正策は、大まかには以下のような形だ。
一昨年からの大不況の影響で、同紙を始めとした全国各紙は急激な広告出稿減という事態に見舞われた。
新聞社の主たる利益は、購読料と広告だ。ここ2年、各社ともに広告の激減で業績は大幅に悪化、赤字に陥る会社が続出した。この関係者によれば、「各社が赤字のうちに、こっそりと押し紙を減らしても目立たない」というのがミソ。
従来、販売店に押し付けていた分の売り上げ分を段階的に減らし、「減収分を広告減という名目に押し込み始めた」というのだ。なにやら粉飾めいた話だが、押し紙を減らしましたと声高に宣言することができない事情があるのだ。
先に触れたように、各社は押し紙の存在をひた隠しにしてきた。今になってこの存在を明らかにすれば、「多数の広告主から訴えられるリスクがある」(別の関係者)。大まかに、新聞広告の費用は公称部数に連動する形となっている。部数が多いほど広告は高い。が、新聞社の側に立てば、従来まで提示してきた数が水増しされていました、とは口が裂けても言えないのだ。このため、前述したようなインチキ臭い手法が採られた、という寸法なのだ。
また、業界内での立ち位置の問題もある。押し紙を指弾した週刊誌と係争中の新聞社もあることから、「表立って押し紙を減らしていますとはとても言えない。インパクトが大きすぎる」(同)という状況なのだ。
複数の関係者によれば、この新聞社の取り組み、手法はジワりと他社に広がる気配があるという。他の業界と同様、新聞業界も横並び意識が強いため、「広告減による減収・業績悪化」という項目に、押し紙圧縮による減収分を紛れこまそうとする動きが広がるかもしれない。
ただ、1つ問題がある。こうした行為が他の業界で行われていた場合、新聞記者は真っ先に叩きにいく。筆者が現役の記者であれば、格好の素材としてしつこく取材し、ねちっこく記事を出し続ける。が、こっそりと押し紙圧縮に動いた新聞社があるように、自浄作用は働いていないのが現状だ。筆者はなんども経験し、目にしてきたが、メディア業界は内部のスキャンダルやミスを他の業界以上に隠ぺいしたがる。日頃他人を叩き続けているという立場上、自身のことを表に出すと仕事がやりにくくなる、というのがその理由だ。業界に長きに渡っていた悪習・因習を自戒する記事、あるいは声明が当事者である新聞社の内部から出てくることを筆者は切に願っている。
KDDI 小野寺社長、Twitterは「やるつもりない」
「わたしはやるつもりはない」──KDDIの小野寺社長は4月23日の決算発表会で、Twitterの利用予定について聞かれてこう答えた。
小野寺社長はTwitterについて「いい仕組みだと思っている」と評価する一方、「つぶやいたことが責任のある形でできればいいが、つい本音が出て、逆のことを言おうものなら『何だ』という話にもなる。責任のある人が闇雲にやるべきではないと思う」とした。
ソフトバンクモバイルの孫正義社長は、Twitterを活用してユーザーの要望などをサービスに取り入れている。小野寺社長は「孫さんは非常に上手なので、うまく使っていると思う」とコメントした。
YouTubeでもライブ動画配信、グーグル徳生氏「ニーズがあれば」
グーグルは23日、動画共有サイト「YouTube」の設立5周年を記念して記者会見を開催した。同社シニアプロダクトマネージャーの徳生裕人氏がYouTubeの現状を語り、今後は「USTREAM」などに代表されるライブ動画配信の提供を視野に入れていることを明かした。
YouTubeのライブ動画配信への取り組みとしては、2009年10月にロックバンド「U2」のコンサートを無料配信するなど「実験している状況」(徳生氏)というが、「長期的には間違いなくやる」と語った。
「USTREAMに対抗するサービスを提供するのか」という記者団の質問に対しては、「対抗というよりも、ユーザーにどのようなバリューが提供できるかということ。ニーズがあればそういうことをやっていきたい」と話した。
また、米国のYouTubeでは映画配給会社と契約し、映画コンテンツを有料配信しているが、同様の取り組みを日本で展開することについては、「権利者と話し合いをするとともに、有料課金サービスへのニーズがあれば応えたい」と前向きな姿勢を見せた。
収益面については「(米Googleの)CFOが『楽観している』と公式の場で言っている」と説明。高画質の動画配信によるコストに関しては「収益の議論をせずにスタートしたが、フルHD動画は全体のごく一部」として、収益を圧迫することはないと話した。
YouTubeは2005年2月に米国で設立。同年10月に米Googleが16億5000万ドルで買収した。現在の動画再生回数は毎日10億回以上、アップロードされる動画は毎分24時間以上としており、どちらも成長を続けているという。
前社長、管財人代理を退任 ウィルコム
会社更生手続き中のPHS最大手ウィルコムは23日、前社長で管財人代理に就いていた久保田幸雄氏が同日付で退任すると発表した。2009年8月に社長を務めていた久保田氏はウィルコムから離れる。
ウィルコムは当初、経営陣が残って再建を目指す方針だった。だが、今月1日に事業部門を統括する管財人に弁護士が就任して再生への態勢が整ったほか、久保田氏から健康上の理由で退きたいとの申し出もあったため、退任が決まった。
自工会会長「自動車は簡単に値上げできない」 鋼材価格巡り
日本自動車工業会の青木哲会長(ホンダ会長)は23日の定例記者会見で、自動車向け鋼材の価格交渉で鉄鋼メーカーが鉄鋼原料の値上げ分の転嫁を要請していることに関し「自動車は消費者に買ってもらう商品で、いまの経済状況で簡単に値上げはできない。鉄鋼メーカーはコスト削減に最大限努力してもらいたい」と述べた。
「自動車メーカーは2008年以来の需要減に対応するためコスト削減を徹底してきた」とも語り、自動車各社が鋼材価格の上昇分を吸収するのは容易ではないとの見方を示した。
自工会会長、次世代車普及「強力な政策支援が必要」
日本自動車工業会の青木哲会長(ホンダ会長)は23日の定例記者会見で、ハイブリッド車や電気自動車(EV)など次世代自動車のシェア拡大について「政府の責任で強力な政策支援を講じてもらう必要がある」と述べた。
そのうえで、自動車業界は温暖化ガス削減に貢献するため次世代車の開発に力を入れていることを強調。「研究開発のための人員や今後10年間でのモデルチェンジの回数を考慮すると、まだまだ課題は多い」と説明した。
歳出入の差「消費税10%でも埋まらない」 金融相
亀井静香郵政・金融担当相は23日の閣議後の記者会見で、消費税率の引き上げについて「消費税を10%にしても(それによって上がる税収では)今の歳出と歳入のギャップを埋められない」と否定的な考えを示した。同時に「菅直人財務相も力強いダイナミックな経済成長を促す財政出動を否定していない。2人の意見は一致している」と語った。
11年連続減 09年度たばこ販売
日本たばこ協会が23日発表した2009年度のたばこ販売数量は前年度比4・9%減の2339億本となった。前年実績を下回るのは11年連続で、ピークの1996年度(3483億本)からは3割もの“激減”となった。消費者の健康志向の高まりや、今年10月に予定される1箱100円程度の増税を前に、禁煙の動きが広がったためで、今後も需要減退に歯止めがかかりそうもない。
日本たばこ産業(JT)の国産たばこの販売は同5・0%減の1519億本で、フィリップ モリス ジャパンとブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパンの輸入たばこは同4・5%減の820億本。販売シェアは、JTが0・2ポイント減の64・9%となる一方、輸入たばこが0・2ポイント増の35・1%だった。
銘柄別のシェアは、首位のセブンスターが5・0%で2年連続の首位。以下2位はマイルドセブン・スーパーライトで4・6%、3位はマイルドセブン・ライトで3・8%だった。上位20銘柄中、JTが16銘柄、輸入タバコは4銘柄だった。
たばこ販売は、ここ11年間で年率5%前後のマイナスと厳しい環境だが、先行きは一段と苦戦が予想される。国の税制改正に伴い「たばこ税」が10月1日から増税となり、ほとんどの銘柄で1箱400円台となる見込みだ。「大幅なたばこ需要の減退が避けられない」(JTの木村宏社長)状況だ。
日銀総裁がNYで講演、消費税引き上げに言及
【ニューヨーク=小谷野太郎】日本銀行の白川方明総裁は22日、ニューヨーク市内で講演し、消費税について「欧州諸国の平均税率20%に対し日本は5%で、十分引き上げの余地がある」と述べ、財政健全化に向け、消費税率の引き上げが有力な選択肢の一つとの認識を示した。
鳩山首相は任期中の消費税率引き上げを否定しており、消費税を巡る日銀と政府の意見の食い違いが、今後、論議を呼びそうだ。
白川総裁は、2008年秋以降の金融危機について、「影響が一巡したとは言えない」と述べ、先行きに慎重な見方を示した。
さらに、今回の危機では「良好な経済状況が過剰な自信をもたらし、民間のリスク管理も、中央銀行や政策当局の監督・規制もうまく作動しなかった」と分析。その上で、「個々のリスク特性に応じた監督」が有効との見解を示し、中央銀行や監督当局には「適度な裁量が必要」と強調した。
「夢あふれる日本」舛添代表で「新党改革」旗揚げ
参院選
舛添要一・前厚生労働相らは23日午後、東京都内で記者会見し、新党「新党改革」の旗揚げを正式に表明した。
新党の代表に就任した舛添氏は「鳩山政権の迷走ぶりに国民は本当に失望している。しかし、国民は自民党政権の復活は望んでいない」と民主、自民両党を批判した上で、「尊敬される日本を再構築し、夢あふれる日本をつくるため、参院選を戦わなければいけない」と夏の参院選に向けた決意を強調し、「どうか皆さん、一緒に日本を変えましょう」と訴えた。
新党には改革クラブの渡辺秀央代表ら参院議員計6人が参加した。
【中日社説】
高速新料金 国民無視の“大迷走”だ
2010年4月23日
所管の大臣が公表した高速道路の新料金体系が、一夜にしてひっくり返り見直しへ。その後も、政府・与党間の意見は食い違ったままだ。選挙目当てを疑われる迷走の被害を受けるのは国民である。
前原誠司国土交通相が、高速道路の一部無料化に合わせ導入する新料金体系を発表したのは、今月九日のことだった。ところが二十一日夜の政府・民主党首脳会議では一転、再検討と決まった。
新体系に盛られた車種別上限料金制が、近距離で実質値上げとなり、小沢一郎幹事長ら党側が「政権公約で高速無料化を言いながら、値上げはおかしい」と異論を唱えたからである。背景には利用者らから「公約違反」の批判など、参院選への悪影響を懸念する党内の動きがある。
前原国交相は二十二日、「現時点では見直さない」としつつ、国会の審議によっては柔軟に対応する考えも示した。国権の最高機関による審議を尊重するとした限りでは、正論といえよう。
しかし国民の立場からは、政府と所管大臣、政権与党の意見が分裂している、というのが率直な印象である。鳩山政権の掲げた「政策決定の政府一元化」は、当初それなりに清新な感じを与えた。それが、党内有力者の一喝で覆ったり、関係する政治家にてんでばらばらに発言をされては、国民は何を信用したらよいのか。
高速道路網は今や、日常の物流はもちろん、観光を含む国民の国内移動ルートなどとして、日常生活に欠くことのできない重要な社会資本である。それを利用する料金体系につき、政府・与党の考えが不統一をさらけ出しては、政権への信頼も地に落ちる。
もともと民主党が政権公約に高速無料化を掲げながら、将来の高速道路網の維持、新規建設などに総合的な政策の展望を示さず、その場しのぎの小細工を続けたことに混乱の原因がある。
前政権以来続く休日料金の上限を千円とする割引などの原資を、建設に転用できるための道路整備事業財政特別措置法改正案は、衆議院で審議中だ。転用が実質値上げの理由との批判もあるが、もし新料金見直しで、転用により整備対象に挙げられた路線・区間着工が中止となれば、混乱に輪をかけることになる。
目先の利害にとらわれず、無料化の是非を含め、問題の根源までさかのぼり、高速道路網のあり方につき、政府・党一体となった新しい公約を示してほしい。
2009年10月、筆者は複数の全国紙が長年封印してきた“押し紙”の存在に触れた。公称部数と実際の販売数との差が押し紙で、各紙はその存在を絶対に認めてこなかった。が、最近、一部の新聞がこれをこっそり是正し始めたのだ。今回の時事日想は、ソロリと始まった取り組みに触れる。
押し紙とは、先に触れたように新聞社が公表している部数と、実際に読者の手元に届けられた部数との差だ。新聞社の印刷工場を出た商品が販売所に押しつけられ、配達はおろか梱包すら解かれずに廃棄されている状況を指す。
実際に筆者が新聞販売所に勤務していた20年前から存在し、インターネットの普及で新聞離れが加速している昨今、その数は着実に増え続けているのだ。2009年10月、筆者はこの状態について、新聞社に広告を出稿している企業が是正を求め始めていると触れた。
全国紙が提示する広告掲載料は高く、ここに定期的に出稿するのは大手企業が大半。だが、昨今の不況で企業側は厳格なコストカットを迫られ、出稿量を抑制し始めた。企業側はこれと同時に、株主などステークホルダーからの厳しい監視の目にさらされ始めた。つまり、“押し紙で水増しされた割高な広告料を支払い続けるのはけしからん”と迫られたわけだ。
筆者が昨年この問題に触れたのは、ある週刊誌が押し紙についての詳細を報じ、リポートされた側の新聞社が同誌を訴えたことが契機となった。両者は現在も係争中であり、各紙にとっては死活問題ともいえるデリケートなテーマだ。
が、最近接触した一部大手紙関係者から、非常に興味深い話を聞き出すことができた。この関係者によれば、「押し紙の是正に動き始めた」というのだ。長年に渡って新聞販売所を苦しめてきた業界のウミのような問題だ。なぜ声高に見直したとアピールできないのか。そこには根深い問題が潜んでいた。
●インパクトが大きすぎる
この新聞社が始めた具体的な是正策は、大まかには以下のような形だ。
一昨年からの大不況の影響で、同紙を始めとした全国各紙は急激な広告出稿減という事態に見舞われた。
新聞社の主たる利益は、購読料と広告だ。ここ2年、各社ともに広告の激減で業績は大幅に悪化、赤字に陥る会社が続出した。この関係者によれば、「各社が赤字のうちに、こっそりと押し紙を減らしても目立たない」というのがミソ。
従来、販売店に押し付けていた分の売り上げ分を段階的に減らし、「減収分を広告減という名目に押し込み始めた」というのだ。なにやら粉飾めいた話だが、押し紙を減らしましたと声高に宣言することができない事情があるのだ。
先に触れたように、各社は押し紙の存在をひた隠しにしてきた。今になってこの存在を明らかにすれば、「多数の広告主から訴えられるリスクがある」(別の関係者)。大まかに、新聞広告の費用は公称部数に連動する形となっている。部数が多いほど広告は高い。が、新聞社の側に立てば、従来まで提示してきた数が水増しされていました、とは口が裂けても言えないのだ。このため、前述したようなインチキ臭い手法が採られた、という寸法なのだ。
また、業界内での立ち位置の問題もある。押し紙を指弾した週刊誌と係争中の新聞社もあることから、「表立って押し紙を減らしていますとはとても言えない。インパクトが大きすぎる」(同)という状況なのだ。
複数の関係者によれば、この新聞社の取り組み、手法はジワりと他社に広がる気配があるという。他の業界と同様、新聞業界も横並び意識が強いため、「広告減による減収・業績悪化」という項目に、押し紙圧縮による減収分を紛れこまそうとする動きが広がるかもしれない。
ただ、1つ問題がある。こうした行為が他の業界で行われていた場合、新聞記者は真っ先に叩きにいく。筆者が現役の記者であれば、格好の素材としてしつこく取材し、ねちっこく記事を出し続ける。が、こっそりと押し紙圧縮に動いた新聞社があるように、自浄作用は働いていないのが現状だ。筆者はなんども経験し、目にしてきたが、メディア業界は内部のスキャンダルやミスを他の業界以上に隠ぺいしたがる。日頃他人を叩き続けているという立場上、自身のことを表に出すと仕事がやりにくくなる、というのがその理由だ。業界に長きに渡っていた悪習・因習を自戒する記事、あるいは声明が当事者である新聞社の内部から出てくることを筆者は切に願っている。
KDDI 小野寺社長、Twitterは「やるつもりない」
「わたしはやるつもりはない」──KDDIの小野寺社長は4月23日の決算発表会で、Twitterの利用予定について聞かれてこう答えた。
小野寺社長はTwitterについて「いい仕組みだと思っている」と評価する一方、「つぶやいたことが責任のある形でできればいいが、つい本音が出て、逆のことを言おうものなら『何だ』という話にもなる。責任のある人が闇雲にやるべきではないと思う」とした。
ソフトバンクモバイルの孫正義社長は、Twitterを活用してユーザーの要望などをサービスに取り入れている。小野寺社長は「孫さんは非常に上手なので、うまく使っていると思う」とコメントした。
YouTubeでもライブ動画配信、グーグル徳生氏「ニーズがあれば」
グーグルは23日、動画共有サイト「YouTube」の設立5周年を記念して記者会見を開催した。同社シニアプロダクトマネージャーの徳生裕人氏がYouTubeの現状を語り、今後は「USTREAM」などに代表されるライブ動画配信の提供を視野に入れていることを明かした。
YouTubeのライブ動画配信への取り組みとしては、2009年10月にロックバンド「U2」のコンサートを無料配信するなど「実験している状況」(徳生氏)というが、「長期的には間違いなくやる」と語った。
「USTREAMに対抗するサービスを提供するのか」という記者団の質問に対しては、「対抗というよりも、ユーザーにどのようなバリューが提供できるかということ。ニーズがあればそういうことをやっていきたい」と話した。
また、米国のYouTubeでは映画配給会社と契約し、映画コンテンツを有料配信しているが、同様の取り組みを日本で展開することについては、「権利者と話し合いをするとともに、有料課金サービスへのニーズがあれば応えたい」と前向きな姿勢を見せた。
収益面については「(米Googleの)CFOが『楽観している』と公式の場で言っている」と説明。高画質の動画配信によるコストに関しては「収益の議論をせずにスタートしたが、フルHD動画は全体のごく一部」として、収益を圧迫することはないと話した。
YouTubeは2005年2月に米国で設立。同年10月に米Googleが16億5000万ドルで買収した。現在の動画再生回数は毎日10億回以上、アップロードされる動画は毎分24時間以上としており、どちらも成長を続けているという。
前社長、管財人代理を退任 ウィルコム
会社更生手続き中のPHS最大手ウィルコムは23日、前社長で管財人代理に就いていた久保田幸雄氏が同日付で退任すると発表した。2009年8月に社長を務めていた久保田氏はウィルコムから離れる。
ウィルコムは当初、経営陣が残って再建を目指す方針だった。だが、今月1日に事業部門を統括する管財人に弁護士が就任して再生への態勢が整ったほか、久保田氏から健康上の理由で退きたいとの申し出もあったため、退任が決まった。
自工会会長「自動車は簡単に値上げできない」 鋼材価格巡り
日本自動車工業会の青木哲会長(ホンダ会長)は23日の定例記者会見で、自動車向け鋼材の価格交渉で鉄鋼メーカーが鉄鋼原料の値上げ分の転嫁を要請していることに関し「自動車は消費者に買ってもらう商品で、いまの経済状況で簡単に値上げはできない。鉄鋼メーカーはコスト削減に最大限努力してもらいたい」と述べた。
「自動車メーカーは2008年以来の需要減に対応するためコスト削減を徹底してきた」とも語り、自動車各社が鋼材価格の上昇分を吸収するのは容易ではないとの見方を示した。
自工会会長、次世代車普及「強力な政策支援が必要」
日本自動車工業会の青木哲会長(ホンダ会長)は23日の定例記者会見で、ハイブリッド車や電気自動車(EV)など次世代自動車のシェア拡大について「政府の責任で強力な政策支援を講じてもらう必要がある」と述べた。
そのうえで、自動車業界は温暖化ガス削減に貢献するため次世代車の開発に力を入れていることを強調。「研究開発のための人員や今後10年間でのモデルチェンジの回数を考慮すると、まだまだ課題は多い」と説明した。
歳出入の差「消費税10%でも埋まらない」 金融相
亀井静香郵政・金融担当相は23日の閣議後の記者会見で、消費税率の引き上げについて「消費税を10%にしても(それによって上がる税収では)今の歳出と歳入のギャップを埋められない」と否定的な考えを示した。同時に「菅直人財務相も力強いダイナミックな経済成長を促す財政出動を否定していない。2人の意見は一致している」と語った。
11年連続減 09年度たばこ販売
日本たばこ協会が23日発表した2009年度のたばこ販売数量は前年度比4・9%減の2339億本となった。前年実績を下回るのは11年連続で、ピークの1996年度(3483億本)からは3割もの“激減”となった。消費者の健康志向の高まりや、今年10月に予定される1箱100円程度の増税を前に、禁煙の動きが広がったためで、今後も需要減退に歯止めがかかりそうもない。
日本たばこ産業(JT)の国産たばこの販売は同5・0%減の1519億本で、フィリップ モリス ジャパンとブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパンの輸入たばこは同4・5%減の820億本。販売シェアは、JTが0・2ポイント減の64・9%となる一方、輸入たばこが0・2ポイント増の35・1%だった。
銘柄別のシェアは、首位のセブンスターが5・0%で2年連続の首位。以下2位はマイルドセブン・スーパーライトで4・6%、3位はマイルドセブン・ライトで3・8%だった。上位20銘柄中、JTが16銘柄、輸入タバコは4銘柄だった。
たばこ販売は、ここ11年間で年率5%前後のマイナスと厳しい環境だが、先行きは一段と苦戦が予想される。国の税制改正に伴い「たばこ税」が10月1日から増税となり、ほとんどの銘柄で1箱400円台となる見込みだ。「大幅なたばこ需要の減退が避けられない」(JTの木村宏社長)状況だ。
日銀総裁がNYで講演、消費税引き上げに言及
【ニューヨーク=小谷野太郎】日本銀行の白川方明総裁は22日、ニューヨーク市内で講演し、消費税について「欧州諸国の平均税率20%に対し日本は5%で、十分引き上げの余地がある」と述べ、財政健全化に向け、消費税率の引き上げが有力な選択肢の一つとの認識を示した。
鳩山首相は任期中の消費税率引き上げを否定しており、消費税を巡る日銀と政府の意見の食い違いが、今後、論議を呼びそうだ。
白川総裁は、2008年秋以降の金融危機について、「影響が一巡したとは言えない」と述べ、先行きに慎重な見方を示した。
さらに、今回の危機では「良好な経済状況が過剰な自信をもたらし、民間のリスク管理も、中央銀行や政策当局の監督・規制もうまく作動しなかった」と分析。その上で、「個々のリスク特性に応じた監督」が有効との見解を示し、中央銀行や監督当局には「適度な裁量が必要」と強調した。
「夢あふれる日本」舛添代表で「新党改革」旗揚げ
参院選
舛添要一・前厚生労働相らは23日午後、東京都内で記者会見し、新党「新党改革」の旗揚げを正式に表明した。
新党の代表に就任した舛添氏は「鳩山政権の迷走ぶりに国民は本当に失望している。しかし、国民は自民党政権の復活は望んでいない」と民主、自民両党を批判した上で、「尊敬される日本を再構築し、夢あふれる日本をつくるため、参院選を戦わなければいけない」と夏の参院選に向けた決意を強調し、「どうか皆さん、一緒に日本を変えましょう」と訴えた。
新党には改革クラブの渡辺秀央代表ら参院議員計6人が参加した。
【中日社説】
高速新料金 国民無視の“大迷走”だ
2010年4月23日
所管の大臣が公表した高速道路の新料金体系が、一夜にしてひっくり返り見直しへ。その後も、政府・与党間の意見は食い違ったままだ。選挙目当てを疑われる迷走の被害を受けるのは国民である。
前原誠司国土交通相が、高速道路の一部無料化に合わせ導入する新料金体系を発表したのは、今月九日のことだった。ところが二十一日夜の政府・民主党首脳会議では一転、再検討と決まった。
新体系に盛られた車種別上限料金制が、近距離で実質値上げとなり、小沢一郎幹事長ら党側が「政権公約で高速無料化を言いながら、値上げはおかしい」と異論を唱えたからである。背景には利用者らから「公約違反」の批判など、参院選への悪影響を懸念する党内の動きがある。
前原国交相は二十二日、「現時点では見直さない」としつつ、国会の審議によっては柔軟に対応する考えも示した。国権の最高機関による審議を尊重するとした限りでは、正論といえよう。
しかし国民の立場からは、政府と所管大臣、政権与党の意見が分裂している、というのが率直な印象である。鳩山政権の掲げた「政策決定の政府一元化」は、当初それなりに清新な感じを与えた。それが、党内有力者の一喝で覆ったり、関係する政治家にてんでばらばらに発言をされては、国民は何を信用したらよいのか。
高速道路網は今や、日常の物流はもちろん、観光を含む国民の国内移動ルートなどとして、日常生活に欠くことのできない重要な社会資本である。それを利用する料金体系につき、政府・与党の考えが不統一をさらけ出しては、政権への信頼も地に落ちる。
もともと民主党が政権公約に高速無料化を掲げながら、将来の高速道路網の維持、新規建設などに総合的な政策の展望を示さず、その場しのぎの小細工を続けたことに混乱の原因がある。
前政権以来続く休日料金の上限を千円とする割引などの原資を、建設に転用できるための道路整備事業財政特別措置法改正案は、衆議院で審議中だ。転用が実質値上げの理由との批判もあるが、もし新料金見直しで、転用により整備対象に挙げられた路線・区間着工が中止となれば、混乱に輪をかけることになる。
目先の利害にとらわれず、無料化の是非を含め、問題の根源までさかのぼり、高速道路網のあり方につき、政府・党一体となった新しい公約を示してほしい。
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電子部品、再び増産投資 新興国にハイテク景気
家電や自動車に使う電子部品の増産投資が再び拡大する。日本電産など大手5社の2011年3月期の設備投資額が合計で約2600億円と前期比で5割増えるほか、東芝は約100億円を投じハードディスク駆動装置(HDD)を3割増産。新興国で急拡大するパソコンや携帯電話端末の需要に対応する。国内工場での増産は半導体関連などにも広がりつつあり、外需が国内の設備投資を押し上げる構図が部品産業ではっきりしてきた。
日本電産は今期の設備投資額を650億円程度と前期に比べて倍増させる。車載モーターの受注急増を受けて、中国に5000人規模の工場を建設、来年1月に稼働させる。家電用などでもグループ会社がベトナムに新工場を建設するなど積極投資に転じる。
村田製作所は前期比で約8割増の500億円弱を投じる。中国の携帯電話やパソコン向けにコンデンサーなどの受注が増え、年初計画を約100億円上方修正。福井県越前市の主力工場など国内外の工場で増強する。
京セラは約4割増の550億円前後。半導体チップを搭載するセラミックパッケージの受注が好調で、鹿児島県の工場などで能力を増強する。TDKは700億円以上。HDD向けの磁気ヘッドが中心で、長野県の工場を増強するほか次世代品の開発に投資する。
これにアルプス電気を加えた大手5社の設備投資額は約2600億円となる。リーマン・ショックで10年3月期は1800億円まで落ち込んだが、ピークだった08年3月期(3700億円)の7割水準まで回復する。
東芝は今期中にタイ工場に新ラインを設けるとともに、フィリピンの2工場では生産効率の改善などでHDDを3割増産。投資額は合計100億円程度とみられる。東芝は昨年、富士通のHDD事業を統合。韓国サムスン電子を抜いて世界4位となっており、3位の日立製作所グループを追う。
電子部品の需要は昨年から新興国のハイテク景気を受けて回復。先進国でも高機能携帯電話「スマートフォン」市場などの立ち上がりで拡大基調に入りつつあり、各社は国際競争力の向上へ増産投資が必要と判断した。
国内の設備投資は半導体関連のほか、環境対応車や次世代送電網の需要をにらんだ新エネルギー関連、工作機械などに広がっている。生産能力が過剰な自動車や石油では供給力の縮小が課題になっているが、新興国の需要急拡大に対応した投資の広がりは雇用や関連内需にも波及しそうだ。
沖縄セルラー電話、次世代携帯に30億円投資
KDDI系(au)の沖縄セルラー電話は次世代携帯電話「LTE(ロング・ターム・エボリューション)」のサービス開始に向け、今後5年間で総額約30億円を投資する。新サービスに必要な無線基地局設備や基幹通信網の整備に充てる。光ファイバー通信回線並みの高速データ通信が可能な次世代通信インフラを構築し、2012年末にもサービスを開始する予定だ。
LTEの通信速度は受信で最大毎秒100メガ(メガは100万)ビット以上、送信では同毎秒50メガビット以上。音楽CD1枚なら約1分、2時間の映像も約5分でダウンロードでき、現行のauの第3世代携帯に比べ30倍以上速くなる。
同社は11年3月期から15年3月期の5年間でLTEのインフラを構築する。沖縄県内にNECとモトローラ製の無線基地局設備を既存の300~400基地局に導入するほか、基地局から発信したデータを集約する日立製作所製の基幹通信網も整備する。
LTEの設備投資はサービス開始予定の13年3月期にピークを迎える。資金はすべて自己資金で賄う計画で、銀行借り入れなどはしない。親会社のKDDIもLTE向けに5000億円強を投じる方針だ。
LTEは短時間で音楽や映像などを気軽に送受信でき、顧客の利便性が飛躍的に向上する。本格的に普及すれば現在、2000円台前半でとどまっている同社のデータ通信の契約あたり月間収入(ARPU)の拡大が期待できる。
LTEでは先陣を切ってNTTドコモが今年末にサービスを開始。11年度以降にソフトバンクモバイルやイー・モバイルも順次始める計画だ。
経産省が報告書、再編・集約で国際競争力
経済産業省は製造業の国際競争力の強化に向けた報告書をまとめた。企業の事業再編や設備の集約を促すほか、特定の業種について地方での産業集積を進めることなどが柱。付加価値の高い製品・部材の供給基地としての役割を強め、アジアを中心とした新興国からの需要獲得を目指す。23日の産業構造審議会(経産相の諮問機関)に示し、議論のたたき台とする。
国内総生産(GDP)に占める製造業の割合は2割程度だが、輸出額は9割近くを占める。経産省は今後も輸出を成長エンジンとするには、抜本的な基盤強化が必要だと判断。具体的には産業機械や素形材、鉄鋼など11分野で、過当競争の改善を含む国内の競争環境整備と、次世代成長産業の育成を柱に据えた。
例えば、部品供給が中心の航空機産業では機体やエンジン、素材メーカーなどの連携を促し、製造だけでなく維持整備まで海外の顧客などに提供できるように改める。同業界の売上高を2020年に現在の約2倍の2兆円、30年には3兆円にすることを目指す。
一方、20年にわたり供給過剰が続くセメント産業では、供給拠点の統廃合やタンカーの削減を加速させる。さらに、生産時の二酸化炭素(CO2)の発生が少ない環境技術をいかして新興国市場にも進出する。
地域の産業活性化にも乗り出す。ナノテク研究拠点「つくばイノベーションアリーナ」(茨城県)など、全国約10カ所を新たに「国際競争力拠点化モデル」に指定し、国内外の研究機関や企業を誘致する。特区制度なども用いる。
紀伊国屋書店、予約状況を出版社に提供へ
紀伊国屋書店は22日、書籍の予約状況を出版元の企業に対して提供すると発表した。出版社は需要に合わせて発行部数をきめ細かく決めることが可能になる。印刷や配送の効率を高めると同時に、書籍の返品率の引き下げにつなげる。
紀伊国屋は出版社向けに販売時点情報管理(POS)データを提供するシステムを運用しているが、店頭で受け付けた予約状況も反映できるように刷新。6月に運用を始める。
従来型を含むシステムの利用者数を2年以内に現在の3倍にあたる千社に引き上げる考え。書店で売れ残った書籍の返品率は業界全体で4割に上っている。電子書籍の普及を目前にし、出版社や書店は書籍流通の効率化が急務となっている。
新システムのみを利用する場合の料金は月額1万円。従来システムの利用者(月額料金は10万円)は無料で活用できるという。
オリコン、芸能情報誌の大半をネット無料公開
オリコンは週刊芸能情報誌「オリ★スタ」の大半のページをインターネット上で無料公開する。23日から閲覧サイトを立ち上げ、毎号掲載する。雑誌の認知度を高めることで、紙媒体の購読者も拡大できるとみている。
オリ★スタは、男性アイドルのインタビュー記事や写真などを掲載している。10~20代の女性の購読者が中心で、価格は320円。
毎週金曜日の発行に合わせ、ネット版を更新する。誌面イメージに近い形でページをめくる感覚で閲覧できる。サイト内に雑誌を注文できる機能を設けて購読を促す。オリコンは、好きなタレントが載った雑誌を手元に持ちたいと考える購読者が多いとみており、部数の落ち込みは想定しておらず、逆に5割程度増やしたい考えだ。
同社によると、有料出版物のほぼすべての内容を無料公開するのは国内で初めて。角川書店や文芸春秋の出版社が販促のために期間限定で展開した例はある。
あゆ突然の降臨にTwitter騒然……ファンの書き込みにも気軽に返信
浜崎あゆみがTwitterを始めた。ファンとも気軽にやりとりを行う様子が大反響を呼んでいる。4月20日に最初のつぶやきを投稿して以来、フォロワーはすでに4万人に迫る勢いだ。
デビュー曲の歌詞のつぶやきから突然始まった浜崎あゆみのTwitter。スタッフとの交信や日常のつぶやきだけでなく、ファンの質問にも気軽に答えるなどの内容が大きな話題となっている。本人もファンとの交流を楽しんでいるらしく、ちょっとした書き込みに返信したり、リクエストに応えたりとファンにはたまらないフランクな姿を披露。海外からの書込みにも英語で答えており、フォロワーは世界中に広がっているようだ。
CM好感度、ソフトバンクが連覇 「白戸家」シリーズが好評
CM総合研究所(東京都港区)が22日に発表したテレビCMの2009年度好感度調査によると、首位は2年連続でソフトバンクモバイルだった。白い犬のお父さんを中心としたシリーズや人気グループSMAPのダンスCMが好評だった。前年と同じ2位のサントリーを大きく引き離した。
3位は前年度の7位から上昇したキリンビール、4位は18位から上昇したロッテ。5位は前年度と同じ花王だった。
初めてテレビCMを始めた新規参入企業では、女優の真矢みきさんを起用して女性の支持を集めた美紀化粧品企画・販売会社の悠香(福岡市)が首位だった。ネコが空き箱に飛び込むCMのUQコミュニケーションズが2位、グーグルが4位とインターネット関連企業の躍進が目立った。
CM総合研究所は関東1都6県で1年間に放送された1971社のテレビCMの調査結果を「CM好感度白書」としてまとめ、5月19日に発行する。
フォトフレーム急成長 09年は4倍 ギフト向け新サービスも続々
デジタル写真を自由に表示できる「デジタルフォトフレーム」市場が急拡大している。2009年の国内販売台数は前年比4・2倍の約110万台となり、10年はさらに倍増が見込まれている。ソニーなどメーカー各社は、母の日などの「ギフト需要」を取り込もうと、新サービスに乗り出している。
デジタルフォトフレームは、画像をメモリカードなどで取り込み表示するデジタルの写真立て。市場調査会社のGfKジャパンによると、各社が相次いで新製品を発売し、販売機種が09年中にほぼ倍になったことで、価格も約1万5千円から5千円近く下がったことも市場拡大に弾みをつけた。
ギフトとしての購入が約3割と高いのも特徴。ソニーは22日、インターネット直販サイトで購入すると、ネット経由で好みの写真を取り込んだフォトフレームを指定した相手に無料で配送するキャンペーンを始めた。「結婚式のお祝いや、祖父母に子供の写真を入れて送る」(ソニー広報)などの用途を想定しているという。
百貨店大手5社、正社員2割削減
2年で5000人、店舗を効率化
大手百貨店が人員削減を進める。高島屋やJ・フロントリテイリング傘下の大丸松坂屋百貨店など5社の2010年度末の正社員の合計は、消費の不振が深刻になった08年度末に比べ2割弱少ない2万2000人程度になる見込み。百貨店業界は売り上げの落ち込みが続いており、人員を絞り込んで店舗運営の効率化を急ぐ。
大手百貨店を運営する事業会社5社(大丸松坂屋百貨店、高島屋=単体、三越、伊勢丹、そごう・西武)を対象にまとめた。三越池袋店(東京・豊島)の閉鎖などで百貨店の不振が鮮明になる直前の08年度末の正社員は計約2万7000人。10年度末までの2年で5000人程度減る。
各社は1970年前後の大量採用を経て定年退職を迎える社員の補充を見送る「自然減」や、グループ会社への出向などを組み合わせて減らす。
高島屋は正社員を2年間で2割減らし、10年度末に約5300人とする。自然減や子会社への出向などで単体で負担する人件費を抑える。今年2月には赤字の新宿店(東京・渋谷)の正社員を250人に半減し、ビルメンテナンス子会社などへの出向や高収益店への異動などを進めた。
全国百貨店の売上高は09年に6兆5800億円とピーク時の91年(約9兆7000億円)から大幅に落ち込んだ。松屋などの中堅百貨店や地方百貨店でも人員の削減が進んでおり、パートなどを含めた従業員数は同じ期間に14万人から10万人弱まで減少した。今後も専門店やインターネット通販などとの競合は激しさを増す見通し。売り上げの不振が続けば、一段の合理化を迫られる可能性もある。
3月の電子マネー決済、39%増で伸び率過去最高
電子マネーの決済件数の伸び率が3月まで4カ月連続で過去最高を更新した。主要6電子マネーの総決済件数は3月に前年同月比39.4%増の約1億4924万件で、2月を0.9ポイント上回った。イオンの「ワオン」やセブン&アイ・ホールディングスの「ナナコ」など流通系が引き続き好調なほか、東日本旅客鉄道(JR東日本)の「スイカ」は九州の一部で利用可能となり件数が増えた。
流通系では、大型ショッピングセンターの開業などで利用が増えたワオンが約2.2倍の3710万件で首位に返り咲いた。2位のナナコは3550万件(22.4%増)で、発行枚数はサービス開始から3年で1000万枚に到達した。
スイカは3215万件(25.4%増)。福岡県内で九州旅客鉄道(JR九州)などの電子マネーと3月中旬に相互利用が始まり、件数が増えた。ビットワレット(東京・品川)の「エディ」はコンビニエンスストアでの利用促進策を展開し、2950万件(20.4%増)だった。
iPhone、国内シェア72% 高機能携帯で圧勝
調査会社のMM総研(東京・港)が22日発表した2009年度のスマートフォン高機能携帯電話の国内シェアは、米アップルの「iPhone(アイフォーン)」が72.2%の首位だった。09年度の出荷台数は169万台で、08年7月の発売以降の累計出荷台数は230万台以上に上るという。端末各社は成長市場としてスマートフォンの開発に力を入れるが、アップルの「独り勝ち」が続いている。
スマートフォン全体の09年度国内出荷台数は前年度の2.1倍の234万台。シェアの2位は台湾のHTCで11.1%。東芝、カナダのリサーチ・イン・モーションなどが続く。
農家戸別補償1兆円、民主が参院選公約案
民主党で参院選公約を検討している成長・地域戦略研究会は22日、骨格をまとめ、衆院選マニフェスト(政権公約)に掲げた農家の戸別所得補償制度は「1兆円規模で2011年度から本格実施する」と明記した。今年度はコメ農家に約5600億円を実施した事業に、小麦や大豆などを加える。
民主党の公約は3つの研究会が原案を策定し、政府・与党でつくるマニフェスト企画委員会を経て、党代表の鳩山由紀夫首相が議長を務める政権公約会議で決定する。成長・地域戦略研究会は大畠章宏氏が会長を務めている。
どうなる電子書籍(下)~石田衣良氏に聞く
「編集のプロ必要。ソニー端末に期待」
いしだ・いら 1960年東京生まれ。広告制作会社、フリーランスのコピーライターを経て、「池袋ウエストゲートパーク」でデビュー。2003年「4TEEN(フォーティーン)」で直木賞を受賞。
米アップルの「iPad」発売などでサービス環境が整いつつある電子書籍。市場の拡大には有力コンテンツの確保が欠かせない。人気作家は電子書籍の可能性をどう見ているのか。「どうなる電子書籍」2回目は石田衣良氏に聞いた。
出版業界、不振脱する好機
――電子書籍の普及は日本の出版業界にプラスか。
「いいチャンスだと前向きにとらえている。1990年代半ばのピーク以降、書籍の売り上げは落ち続けてきた。音楽市場ではCDが売れなくなったが、インターネット配信は伸びている。そういう成長分野が出版にはなかった。右肩下がりの出版市場にとって、電子書籍という伸びる新メディアが加わるのはいいことだ。デビュー以来、『作家は食えなくなる』と言われて育ってきたので、うれしい」
「音楽で起きたことは出版でも起きる。音楽の場合、米国では(CD販売大手の)タワーレコードがつぶれたが、音楽を作る側、音楽会社は生き残っている。出版も中身さえ良ければ、(紙か電子かという)器の問題は乗り越えられる。出版社と作家については、電子出版がマイナスに働くことはとりあえずないと安心してもいい。書店と取次会社は大変だ」
――携帯電話向けに作品の配信を始めたが。
「手応えはそんなにない。紙の本と電子を比べると、売れている量はケタが2つくらい違う。紙の10万に対して電子が1000といった感じだ。電子はまだまだ柱になっていない。ただ、去年のクリスマスに、アマゾンでは紙の本の販売をキンドルが上回ったという。遠からず日本もそういう状況になるだろう。ちょっとずつ準備しておいた方がいい」
――どんな準備か。
「例えば通勤途中にひとつずつダウンロードして読む短編集のような、『細切れ読者』に対応した本の需要が増えるだろう。それを用意した上で長編も書くというふうに、作家は両方を求められる。野球選手と同じで作家も毎年、淘汰されている。新しい技術がそういう変化を促進する」
「全巻で20冊、30冊あるような長編の漫画は、電子なら場所をとらない。旅先で続きを買って読むことが簡単にできる。コミックや雑誌はかなり電子に置き換えられると思う。紙の本は装丁やデザインが一段と大事になる。持って満足できるプラスアルファが必要だ」
配信価格は紙の7割程度か
――アマゾンから直接、書き下ろし作品を書いて欲しいと要請があれば受けるか。
「出版社の編集者をメンバーに加えるだろう。プロの手が入っていない本は出来が良くない。内容の誤りをチェックしたり、作家と深い議論をしたり、編集者の力はばかにできない。アマゾンも日本の編集者を雇うかもしれないが、いい編集者は大手出版社に属し、フリーの人はあまりいない。アマゾンにとっては壁になるだろう」
「日本では作家も出版社も、誰もがお互いに仕事をし、たくさんのつながりがあり、密な線で結ばれている。アマゾンが単独で契約するのは難しいだろう。それほど人気のない作家であれば、個別に契約する一本釣りがあるかもしれない」
――電子書籍について出版社との契約はどうなるか。
「これまでは市場が小さく真剣に考えてこなかったが、大きくなれば従来と同じ契約というわけにはいかなくなる。作家が受け取る紙の本の印税率は10%。紙の本では(印刷や在庫の)リスクを出版社が負っているが、電子になればそうしたリスクがなくなる。作家と出版社の取り分の比率は変わってくる。紙なら10%の印税率が電子ならこれくらいという相場がやがて決まるだろう。15%くらいかもしれない」
――アマゾンは25ドル前後の紙の新刊をキンドルでは9.99ドルで販売することが多い。半額以下の設定だ。
「日本では(紙の本の)7割くらいの配信価格に落ち着くのではないか。1500円の本なら1100円、1200円くらいがいい線だと思う。端末を普及させるために期間限定で安くするといった方法もあるだろう。コスト面で電子と競争できるのは文庫本だ。単行本は存続が厳しく、電子配信にとって代わられる可能性はある。これからは文庫本対電子メディアの戦いになるのではないか」
――電子書籍分野ではアマゾン、アップルと米社の動きが目立つ。
「特定の大手企業が市場を握るのは良くない。そういう意味ではソニーに頑張って欲しい。日本はCD、DVD以降、世界規格を生んでいない。ハード、ソフトをまぜこぜにしたシステムを作る力は米国に遠く及ばない。日本人のハード偏重を変えないとだめだ」
家電や自動車に使う電子部品の増産投資が再び拡大する。日本電産など大手5社の2011年3月期の設備投資額が合計で約2600億円と前期比で5割増えるほか、東芝は約100億円を投じハードディスク駆動装置(HDD)を3割増産。新興国で急拡大するパソコンや携帯電話端末の需要に対応する。国内工場での増産は半導体関連などにも広がりつつあり、外需が国内の設備投資を押し上げる構図が部品産業ではっきりしてきた。
日本電産は今期の設備投資額を650億円程度と前期に比べて倍増させる。車載モーターの受注急増を受けて、中国に5000人規模の工場を建設、来年1月に稼働させる。家電用などでもグループ会社がベトナムに新工場を建設するなど積極投資に転じる。
村田製作所は前期比で約8割増の500億円弱を投じる。中国の携帯電話やパソコン向けにコンデンサーなどの受注が増え、年初計画を約100億円上方修正。福井県越前市の主力工場など国内外の工場で増強する。
京セラは約4割増の550億円前後。半導体チップを搭載するセラミックパッケージの受注が好調で、鹿児島県の工場などで能力を増強する。TDKは700億円以上。HDD向けの磁気ヘッドが中心で、長野県の工場を増強するほか次世代品の開発に投資する。
これにアルプス電気を加えた大手5社の設備投資額は約2600億円となる。リーマン・ショックで10年3月期は1800億円まで落ち込んだが、ピークだった08年3月期(3700億円)の7割水準まで回復する。
東芝は今期中にタイ工場に新ラインを設けるとともに、フィリピンの2工場では生産効率の改善などでHDDを3割増産。投資額は合計100億円程度とみられる。東芝は昨年、富士通のHDD事業を統合。韓国サムスン電子を抜いて世界4位となっており、3位の日立製作所グループを追う。
電子部品の需要は昨年から新興国のハイテク景気を受けて回復。先進国でも高機能携帯電話「スマートフォン」市場などの立ち上がりで拡大基調に入りつつあり、各社は国際競争力の向上へ増産投資が必要と判断した。
国内の設備投資は半導体関連のほか、環境対応車や次世代送電網の需要をにらんだ新エネルギー関連、工作機械などに広がっている。生産能力が過剰な自動車や石油では供給力の縮小が課題になっているが、新興国の需要急拡大に対応した投資の広がりは雇用や関連内需にも波及しそうだ。
沖縄セルラー電話、次世代携帯に30億円投資
KDDI系(au)の沖縄セルラー電話は次世代携帯電話「LTE(ロング・ターム・エボリューション)」のサービス開始に向け、今後5年間で総額約30億円を投資する。新サービスに必要な無線基地局設備や基幹通信網の整備に充てる。光ファイバー通信回線並みの高速データ通信が可能な次世代通信インフラを構築し、2012年末にもサービスを開始する予定だ。
LTEの通信速度は受信で最大毎秒100メガ(メガは100万)ビット以上、送信では同毎秒50メガビット以上。音楽CD1枚なら約1分、2時間の映像も約5分でダウンロードでき、現行のauの第3世代携帯に比べ30倍以上速くなる。
同社は11年3月期から15年3月期の5年間でLTEのインフラを構築する。沖縄県内にNECとモトローラ製の無線基地局設備を既存の300~400基地局に導入するほか、基地局から発信したデータを集約する日立製作所製の基幹通信網も整備する。
LTEの設備投資はサービス開始予定の13年3月期にピークを迎える。資金はすべて自己資金で賄う計画で、銀行借り入れなどはしない。親会社のKDDIもLTE向けに5000億円強を投じる方針だ。
LTEは短時間で音楽や映像などを気軽に送受信でき、顧客の利便性が飛躍的に向上する。本格的に普及すれば現在、2000円台前半でとどまっている同社のデータ通信の契約あたり月間収入(ARPU)の拡大が期待できる。
LTEでは先陣を切ってNTTドコモが今年末にサービスを開始。11年度以降にソフトバンクモバイルやイー・モバイルも順次始める計画だ。
経産省が報告書、再編・集約で国際競争力
経済産業省は製造業の国際競争力の強化に向けた報告書をまとめた。企業の事業再編や設備の集約を促すほか、特定の業種について地方での産業集積を進めることなどが柱。付加価値の高い製品・部材の供給基地としての役割を強め、アジアを中心とした新興国からの需要獲得を目指す。23日の産業構造審議会(経産相の諮問機関)に示し、議論のたたき台とする。
国内総生産(GDP)に占める製造業の割合は2割程度だが、輸出額は9割近くを占める。経産省は今後も輸出を成長エンジンとするには、抜本的な基盤強化が必要だと判断。具体的には産業機械や素形材、鉄鋼など11分野で、過当競争の改善を含む国内の競争環境整備と、次世代成長産業の育成を柱に据えた。
例えば、部品供給が中心の航空機産業では機体やエンジン、素材メーカーなどの連携を促し、製造だけでなく維持整備まで海外の顧客などに提供できるように改める。同業界の売上高を2020年に現在の約2倍の2兆円、30年には3兆円にすることを目指す。
一方、20年にわたり供給過剰が続くセメント産業では、供給拠点の統廃合やタンカーの削減を加速させる。さらに、生産時の二酸化炭素(CO2)の発生が少ない環境技術をいかして新興国市場にも進出する。
地域の産業活性化にも乗り出す。ナノテク研究拠点「つくばイノベーションアリーナ」(茨城県)など、全国約10カ所を新たに「国際競争力拠点化モデル」に指定し、国内外の研究機関や企業を誘致する。特区制度なども用いる。
紀伊国屋書店、予約状況を出版社に提供へ
紀伊国屋書店は22日、書籍の予約状況を出版元の企業に対して提供すると発表した。出版社は需要に合わせて発行部数をきめ細かく決めることが可能になる。印刷や配送の効率を高めると同時に、書籍の返品率の引き下げにつなげる。
紀伊国屋は出版社向けに販売時点情報管理(POS)データを提供するシステムを運用しているが、店頭で受け付けた予約状況も反映できるように刷新。6月に運用を始める。
従来型を含むシステムの利用者数を2年以内に現在の3倍にあたる千社に引き上げる考え。書店で売れ残った書籍の返品率は業界全体で4割に上っている。電子書籍の普及を目前にし、出版社や書店は書籍流通の効率化が急務となっている。
新システムのみを利用する場合の料金は月額1万円。従来システムの利用者(月額料金は10万円)は無料で活用できるという。
オリコン、芸能情報誌の大半をネット無料公開
オリコンは週刊芸能情報誌「オリ★スタ」の大半のページをインターネット上で無料公開する。23日から閲覧サイトを立ち上げ、毎号掲載する。雑誌の認知度を高めることで、紙媒体の購読者も拡大できるとみている。
オリ★スタは、男性アイドルのインタビュー記事や写真などを掲載している。10~20代の女性の購読者が中心で、価格は320円。
毎週金曜日の発行に合わせ、ネット版を更新する。誌面イメージに近い形でページをめくる感覚で閲覧できる。サイト内に雑誌を注文できる機能を設けて購読を促す。オリコンは、好きなタレントが載った雑誌を手元に持ちたいと考える購読者が多いとみており、部数の落ち込みは想定しておらず、逆に5割程度増やしたい考えだ。
同社によると、有料出版物のほぼすべての内容を無料公開するのは国内で初めて。角川書店や文芸春秋の出版社が販促のために期間限定で展開した例はある。
あゆ突然の降臨にTwitter騒然……ファンの書き込みにも気軽に返信
浜崎あゆみがTwitterを始めた。ファンとも気軽にやりとりを行う様子が大反響を呼んでいる。4月20日に最初のつぶやきを投稿して以来、フォロワーはすでに4万人に迫る勢いだ。
デビュー曲の歌詞のつぶやきから突然始まった浜崎あゆみのTwitter。スタッフとの交信や日常のつぶやきだけでなく、ファンの質問にも気軽に答えるなどの内容が大きな話題となっている。本人もファンとの交流を楽しんでいるらしく、ちょっとした書き込みに返信したり、リクエストに応えたりとファンにはたまらないフランクな姿を披露。海外からの書込みにも英語で答えており、フォロワーは世界中に広がっているようだ。
CM好感度、ソフトバンクが連覇 「白戸家」シリーズが好評
CM総合研究所(東京都港区)が22日に発表したテレビCMの2009年度好感度調査によると、首位は2年連続でソフトバンクモバイルだった。白い犬のお父さんを中心としたシリーズや人気グループSMAPのダンスCMが好評だった。前年と同じ2位のサントリーを大きく引き離した。
3位は前年度の7位から上昇したキリンビール、4位は18位から上昇したロッテ。5位は前年度と同じ花王だった。
初めてテレビCMを始めた新規参入企業では、女優の真矢みきさんを起用して女性の支持を集めた美紀化粧品企画・販売会社の悠香(福岡市)が首位だった。ネコが空き箱に飛び込むCMのUQコミュニケーションズが2位、グーグルが4位とインターネット関連企業の躍進が目立った。
CM総合研究所は関東1都6県で1年間に放送された1971社のテレビCMの調査結果を「CM好感度白書」としてまとめ、5月19日に発行する。
フォトフレーム急成長 09年は4倍 ギフト向け新サービスも続々
デジタル写真を自由に表示できる「デジタルフォトフレーム」市場が急拡大している。2009年の国内販売台数は前年比4・2倍の約110万台となり、10年はさらに倍増が見込まれている。ソニーなどメーカー各社は、母の日などの「ギフト需要」を取り込もうと、新サービスに乗り出している。
デジタルフォトフレームは、画像をメモリカードなどで取り込み表示するデジタルの写真立て。市場調査会社のGfKジャパンによると、各社が相次いで新製品を発売し、販売機種が09年中にほぼ倍になったことで、価格も約1万5千円から5千円近く下がったことも市場拡大に弾みをつけた。
ギフトとしての購入が約3割と高いのも特徴。ソニーは22日、インターネット直販サイトで購入すると、ネット経由で好みの写真を取り込んだフォトフレームを指定した相手に無料で配送するキャンペーンを始めた。「結婚式のお祝いや、祖父母に子供の写真を入れて送る」(ソニー広報)などの用途を想定しているという。
百貨店大手5社、正社員2割削減
2年で5000人、店舗を効率化
大手百貨店が人員削減を進める。高島屋やJ・フロントリテイリング傘下の大丸松坂屋百貨店など5社の2010年度末の正社員の合計は、消費の不振が深刻になった08年度末に比べ2割弱少ない2万2000人程度になる見込み。百貨店業界は売り上げの落ち込みが続いており、人員を絞り込んで店舗運営の効率化を急ぐ。
大手百貨店を運営する事業会社5社(大丸松坂屋百貨店、高島屋=単体、三越、伊勢丹、そごう・西武)を対象にまとめた。三越池袋店(東京・豊島)の閉鎖などで百貨店の不振が鮮明になる直前の08年度末の正社員は計約2万7000人。10年度末までの2年で5000人程度減る。
各社は1970年前後の大量採用を経て定年退職を迎える社員の補充を見送る「自然減」や、グループ会社への出向などを組み合わせて減らす。
高島屋は正社員を2年間で2割減らし、10年度末に約5300人とする。自然減や子会社への出向などで単体で負担する人件費を抑える。今年2月には赤字の新宿店(東京・渋谷)の正社員を250人に半減し、ビルメンテナンス子会社などへの出向や高収益店への異動などを進めた。
全国百貨店の売上高は09年に6兆5800億円とピーク時の91年(約9兆7000億円)から大幅に落ち込んだ。松屋などの中堅百貨店や地方百貨店でも人員の削減が進んでおり、パートなどを含めた従業員数は同じ期間に14万人から10万人弱まで減少した。今後も専門店やインターネット通販などとの競合は激しさを増す見通し。売り上げの不振が続けば、一段の合理化を迫られる可能性もある。
3月の電子マネー決済、39%増で伸び率過去最高
電子マネーの決済件数の伸び率が3月まで4カ月連続で過去最高を更新した。主要6電子マネーの総決済件数は3月に前年同月比39.4%増の約1億4924万件で、2月を0.9ポイント上回った。イオンの「ワオン」やセブン&アイ・ホールディングスの「ナナコ」など流通系が引き続き好調なほか、東日本旅客鉄道(JR東日本)の「スイカ」は九州の一部で利用可能となり件数が増えた。
流通系では、大型ショッピングセンターの開業などで利用が増えたワオンが約2.2倍の3710万件で首位に返り咲いた。2位のナナコは3550万件(22.4%増)で、発行枚数はサービス開始から3年で1000万枚に到達した。
スイカは3215万件(25.4%増)。福岡県内で九州旅客鉄道(JR九州)などの電子マネーと3月中旬に相互利用が始まり、件数が増えた。ビットワレット(東京・品川)の「エディ」はコンビニエンスストアでの利用促進策を展開し、2950万件(20.4%増)だった。
iPhone、国内シェア72% 高機能携帯で圧勝
調査会社のMM総研(東京・港)が22日発表した2009年度のスマートフォン高機能携帯電話の国内シェアは、米アップルの「iPhone(アイフォーン)」が72.2%の首位だった。09年度の出荷台数は169万台で、08年7月の発売以降の累計出荷台数は230万台以上に上るという。端末各社は成長市場としてスマートフォンの開発に力を入れるが、アップルの「独り勝ち」が続いている。
スマートフォン全体の09年度国内出荷台数は前年度の2.1倍の234万台。シェアの2位は台湾のHTCで11.1%。東芝、カナダのリサーチ・イン・モーションなどが続く。
農家戸別補償1兆円、民主が参院選公約案
民主党で参院選公約を検討している成長・地域戦略研究会は22日、骨格をまとめ、衆院選マニフェスト(政権公約)に掲げた農家の戸別所得補償制度は「1兆円規模で2011年度から本格実施する」と明記した。今年度はコメ農家に約5600億円を実施した事業に、小麦や大豆などを加える。
民主党の公約は3つの研究会が原案を策定し、政府・与党でつくるマニフェスト企画委員会を経て、党代表の鳩山由紀夫首相が議長を務める政権公約会議で決定する。成長・地域戦略研究会は大畠章宏氏が会長を務めている。
どうなる電子書籍(下)~石田衣良氏に聞く
「編集のプロ必要。ソニー端末に期待」
いしだ・いら 1960年東京生まれ。広告制作会社、フリーランスのコピーライターを経て、「池袋ウエストゲートパーク」でデビュー。2003年「4TEEN(フォーティーン)」で直木賞を受賞。
米アップルの「iPad」発売などでサービス環境が整いつつある電子書籍。市場の拡大には有力コンテンツの確保が欠かせない。人気作家は電子書籍の可能性をどう見ているのか。「どうなる電子書籍」2回目は石田衣良氏に聞いた。
出版業界、不振脱する好機
――電子書籍の普及は日本の出版業界にプラスか。
「いいチャンスだと前向きにとらえている。1990年代半ばのピーク以降、書籍の売り上げは落ち続けてきた。音楽市場ではCDが売れなくなったが、インターネット配信は伸びている。そういう成長分野が出版にはなかった。右肩下がりの出版市場にとって、電子書籍という伸びる新メディアが加わるのはいいことだ。デビュー以来、『作家は食えなくなる』と言われて育ってきたので、うれしい」
「音楽で起きたことは出版でも起きる。音楽の場合、米国では(CD販売大手の)タワーレコードがつぶれたが、音楽を作る側、音楽会社は生き残っている。出版も中身さえ良ければ、(紙か電子かという)器の問題は乗り越えられる。出版社と作家については、電子出版がマイナスに働くことはとりあえずないと安心してもいい。書店と取次会社は大変だ」
――携帯電話向けに作品の配信を始めたが。
「手応えはそんなにない。紙の本と電子を比べると、売れている量はケタが2つくらい違う。紙の10万に対して電子が1000といった感じだ。電子はまだまだ柱になっていない。ただ、去年のクリスマスに、アマゾンでは紙の本の販売をキンドルが上回ったという。遠からず日本もそういう状況になるだろう。ちょっとずつ準備しておいた方がいい」
――どんな準備か。
「例えば通勤途中にひとつずつダウンロードして読む短編集のような、『細切れ読者』に対応した本の需要が増えるだろう。それを用意した上で長編も書くというふうに、作家は両方を求められる。野球選手と同じで作家も毎年、淘汰されている。新しい技術がそういう変化を促進する」
「全巻で20冊、30冊あるような長編の漫画は、電子なら場所をとらない。旅先で続きを買って読むことが簡単にできる。コミックや雑誌はかなり電子に置き換えられると思う。紙の本は装丁やデザインが一段と大事になる。持って満足できるプラスアルファが必要だ」
配信価格は紙の7割程度か
――アマゾンから直接、書き下ろし作品を書いて欲しいと要請があれば受けるか。
「出版社の編集者をメンバーに加えるだろう。プロの手が入っていない本は出来が良くない。内容の誤りをチェックしたり、作家と深い議論をしたり、編集者の力はばかにできない。アマゾンも日本の編集者を雇うかもしれないが、いい編集者は大手出版社に属し、フリーの人はあまりいない。アマゾンにとっては壁になるだろう」
「日本では作家も出版社も、誰もがお互いに仕事をし、たくさんのつながりがあり、密な線で結ばれている。アマゾンが単独で契約するのは難しいだろう。それほど人気のない作家であれば、個別に契約する一本釣りがあるかもしれない」
――電子書籍について出版社との契約はどうなるか。
「これまでは市場が小さく真剣に考えてこなかったが、大きくなれば従来と同じ契約というわけにはいかなくなる。作家が受け取る紙の本の印税率は10%。紙の本では(印刷や在庫の)リスクを出版社が負っているが、電子になればそうしたリスクがなくなる。作家と出版社の取り分の比率は変わってくる。紙なら10%の印税率が電子ならこれくらいという相場がやがて決まるだろう。15%くらいかもしれない」
――アマゾンは25ドル前後の紙の新刊をキンドルでは9.99ドルで販売することが多い。半額以下の設定だ。
「日本では(紙の本の)7割くらいの配信価格に落ち着くのではないか。1500円の本なら1100円、1200円くらいがいい線だと思う。端末を普及させるために期間限定で安くするといった方法もあるだろう。コスト面で電子と競争できるのは文庫本だ。単行本は存続が厳しく、電子配信にとって代わられる可能性はある。これからは文庫本対電子メディアの戦いになるのではないか」
――電子書籍分野ではアマゾン、アップルと米社の動きが目立つ。
「特定の大手企業が市場を握るのは良くない。そういう意味ではソニーに頑張って欲しい。日本はCD、DVD以降、世界規格を生んでいない。ハード、ソフトをまぜこぜにしたシステムを作る力は米国に遠く及ばない。日本人のハード偏重を変えないとだめだ」
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総務省で進むNTTの組織問題。「分割」主張するソフトバンクらの思惑は(COLUMN)
20日、総務省で開かれたICTタスクフォース。昨年末、原口一博総務相が提示した光ファイバー敷設のビジョン「光の道」構想について、事業者の見解を聴くことを目的として開催された。組織分割を取りざたされるNTTとともに、主役となったのはやはりソフトバンクだった。
登壇した孫正義社長は開口一番、「『光の道』の政府案を全面的に支持したい」と述べ、3月の政務三役会議で「2015年までにブロードバンド普及率(利用率)100%」「そのためにはNTTの経営形態を含め、実現方法を検討する」とした原口総務相の意向に賛意を示した。
ソフトバンクが提案するのはNTTの持つ、電柱から各家庭までの引き込み線(アクセス回線)を資本分割し別会社とする案。KDDIやイー・アクセスなど、同じくNTTの分割を主張する他社の案と大枠では同じだ。
一括工事による建設費用の大幅低減や通信サービスの競争促進により、「税金ゼロで実現が可能」「光ファイバー整備と同時にメタル回線を撤去することで、現在収益を圧迫している年間3900億円の維持費を大幅に低減できる。NTTの利益が増えることになる」「(新会社と既存NTT分合計の)企業価値が向上し、NTTの株主にとってもいい話」(孫社長)と、各利害関係者にとってのメリットを強調した。
ソフトバンクをはじめ、各事業者がNTTの分割を要望するのは、固定通信事業において公正な競争環境が確保されていないという認識があるためだ。電柱や地下通路など、有線を各家庭まで敷くために必要な設備は電電公社時代からの資産を引き継いでいるNTTが独占的に所有している。
電気通信事業法の定めにより、NTTにはこうした設備を他事業者に開放する義務を課せられているが、「設備利用の申請をしてから許可が出るまでに時間がかかりすぎる」「『新たに線を敷くための空きスペースがない』と断られることがあるが、真偽が不透明」(通信事業者)など、中立・公平性が保たれていないという不満が各社にあった。
アクセス回線のみを保有する新会社を設立し、NTTと資本分離を行えば、すべての事業者に公平にインフラを貸し出す環境が整い、通信サービスの競争が促進されるというのがソフトバンクらの言い分だ。
光ファイバー事業はインフラ敷設と顧客獲得に多額の費用がかかり、シェア約7割のNTT東西を含め、全事業者が大幅な赤字の状態。ブロードバンド事業を手掛けるソフトバンクBBでは自前で光ファイバーの敷設をやめ、昨年2月よりNTT東西の光サービス「フレッツ光」の代理販売を行っている。
今回NTT分割で同社のアクセス回線を安く迅速に利用できることになれば、NTT以外の通信事業者は自前でインフラ整備の費用をかけずに、採算の見合う都市部などでだけサービスを提供することも可能になる。
20日の会合で孫社長は「NTTにとって得だとか損だとか、ソフトバンクにとってどうだとか、そんな次元の話ではない。これはNTTの構造改革ではなく、ニッポンの構造改革だ」とブチ上げ、ICT活用が教育、医療、行政サービスなどの面で国民にもたらす利益にこそ目を向けるべきだと主張した。だが、こうした思惑は当然視野に入れていることだろう。
原口総務大臣はタスクフォースを通じ、5月中旬までに構想の大枠を固める方針。期日は迫りつつあり、議論の行方が注視される。
NTTの光通信網“解放”に反対 自力整備の電力系が待った
関西電力系のケイ・オプティコム(大阪市北区)など電力系通信事業者6社は22日、都内で会見し、NTT東西地域会社が保有する光ファイバー通信回線網を分離し他社に解放することについて、「通信事業者の設備投資意欲が失われ、設備競争による技術革新が阻まれる」として、反対を表明した。
電力系各社は自力で光通信網を整備してきたことから、ソフトバンクなどが求めている解放に待ったをかけた。
NTTの光通信網の分離問題は、総務省のICT(情報通信技術)タスクフォースで議論されている。20日の合同部会では、ソフトバンクを中心に、「完全分離して別会社化すべきだ」との主張が相次いだ。
だが長年にわたって自力で光アクセス網を構築してきた電力系6社にとっては、巨大なNTT以外にもライバルが増え、競争力の低下につながりかねない。通信事業者間での意見の隔たりが鮮明になってことで、今後のタスクフォースの議論にも影響しそうだ。
記者会見で意見表明したのはケイ・オプティコムのほか、東北や北陸、中国、四国、九州を地盤とする電力系通信事業者。
Adobe、iPhone向けFlashを断念 Androidにシフトへ
Adobe SystemsはiPhone向けFlashアプリ作成ツールの開発をやめ、今後はAndroidデバイスに力を入れる。同社幹部が明らかにした。
同社のFlashデベロッパーリレーション主任プロダクトマネジャー、マイク・チェンバース氏は4月20日、自身のブログでこの意向を明らかにした。その理由として、Appleが先日iPhone OS SDKの利用規約に加えた変更を挙げている。この変更により、変換・互換のためのレイヤーやツールを使ったアプリは禁じられるため、FlashアプリをiPhoneアプリに変換するAdobe Flash CS5の「Packager for iPhone」機能や、そのほかのサードパーティーツール「Unity」「Titanium」「MonoTouch」などが使えなくなる。
Adobeのプラットフォームエバンジェリスト、リー・ブリムロー氏はこの変更に憤慨し、「専制的」「くたばれApple」と痛烈に批判している。
チェンバース氏は、Packager for iPhoneはiPhoneとiPad向けにリリースするが、Adobeは「この機能にそれ以上の投資はしない計画だ」と、開発終了を示唆している。同氏は、Appleが新たな規約をFlash CS5で開発されたコンテンツに適用するだろうと確信しており、「開発者はFlash CS5で作成されたアプリとコンテンツがiTunes Storeから削除されることを覚悟しておくべき」と注意を促している。
「幸い、iPhoneしか選択肢がないわけではない」。同氏はこう語り、Androidが勢力を伸ばしていることを指摘している。「わたし個人は、モバイルへの取り組みをすべてiPhoneからAndroid端末に移し(特に年内に登場するAndroidタブレットに関心がある)、iPhoneにはもうあまり力を入れないつもりだ」。AdobeはAndroid向けのFlash Player 10.1とAdobe AIR 2.0の開発でGoogleと協力しており、これらプログラムを非公開βテスト中という。
「Appleが作り上げようとしている閉鎖的なシステムは、業界、開発者、そして消費者にマイナスになると考えている。わたしはこのような動きを積極的に推進したいとは思わない」と同氏。「最終的には、オープンなプラットフォームが、Appleが作ろうとしている閉鎖的なプラットフォームに勝つと確信している」
大日本印刷、電子書籍閲覧ソフト「雑誌ビューア」を開発
大日本印とDNPデジタルコムは22日、電子書籍を閲覧するための専用ソフト「雑誌ビューア」を開発し、iPhoneアプリとしてリリースした。
「雑誌ビューア」は、出版物を紙のレイアウトそのままにiPhoneなどのスマートフォンで閲覧するための電子書籍閲覧ソフトで、機能を絞り込むことで簡単でスムースな操作を実現している。今回、iPhone向けに、大日本印刷のオリジナル書体「秀英体」の活字見本帖「秀英体見本帖」を、このソフトで閲覧可能な電子書籍として無償配布を開始した。
トヨタ急落、3位→360位 米誌の10年版有力企業番付
【ニューヨーク=川上穣】米経済誌フォーブスが21日に発表した2010年版の世界優良企業ランキングで、トヨタ自動車が360位と前年の3位から急落した。リコール(回収・無償修理)問題で業績や株価が落ち込んだことが響いた。中国企業が躍進する一方、日本企業の低落も浮き彫りになった。
日本はNTTの41位が最高。100位以内は、三菱商事(78位)、ホンダ(86位)の3社にとどまった。一方、中国では中国工商銀行(ICBC)が5位。100以内には7社が入り、日本勢を上回った。
首位は業績が堅調な米銀大手JPモルガン・チェース。2位以降もゼネラル・エレクトリック(GE)、バンク・オブ・アメリカと米国勢が続いた。ランキングはフォーブス誌が売上高、利益、資産、株式時価総額を総合評価して算出した。
メールやカーナビ 「脳波で操作」実用化へ 20年までに 産学官で新市場開拓
総務省は、人の意図や感情を読み取り、意のままに動くロボットや家電製品の開発に産学官で乗り出す。今年度に研究計画を立ち上げ、2020年までに実用化する。耳に掛けたセンサーで脳の活動を調べ、行き先を瞬時に探すカーナビや思い浮かんだ言葉をメール文に換える携帯電話などを想定。電子機器の豊富な機能を誰もが使いこなせるようにするほか、こまめな操作で省エネを促す。
脳の産業応用は世界が注目、日本が実現目標を示した包括計画をまとめるのは初めて。成長戦略で強化する脳科学とIT(情報技術)を融合、世界に先駆けて新市場を開拓する。
LGディスプレー、韓国に600億円投じ新工場
【ソウル=尾島島雄】液晶パネル世界2位の韓国のLGディスプレーは22日、ソウル市近郊の坡州市に7270億ウォン(約600億円)を投じて新工場を建設すると発表した。建物のみを事前に準備し、パネル市況が堅調に推移する場合は製造装置を大量投入して増産に持ち込む体制を整える。中国に続く新工場の設置計画により、首位のサムスン電子超えを目指す姿勢を鮮明にする。
今年6月までに着工し2011年末までに完工する。生産設備の規格は未定としているが、30型台や40型台のテレビ用パネルを切り出しやすい「第8世代」か、さらに大型のガラス基板を使う公算が大きい。高額の投資を必要とする製造装置の導入時期の決定を先送りし、不安定なパネル市況に対応して設備負担のリスクを軽減する狙いがある。
中国などでの薄型テレビ需要の拡大を受けて、LGディスプレーは基幹部品である液晶パネルの増産を急いでいる。坡州市にある既存の工場では「第8世代」の新ライン設置を決めており、月産10万枚(ガラス基板投入ベース)の生産能力を3倍弱まで拡大する。一方で12年上半期には中国・広州でも「第8世代」の新工場を稼働する計画だ。
アイフォーンで業務管理 ソフトバンクとサイボウズ提携、ソフト提供
ソフトバンクモバイルとソフト開発のサイボウズ(東京都文京区)は22日、中小企業向けビジネスで業務提携すると発表した。サイボウズが、ソフトバンクが取り扱う「iPhone(アイフォーン)」向けにクラウド型の業務管理ソフトサービスを提供する。
アイフォーンで利用できるようになるのは、サイボウズの「かんたんSaaS」の改良版。両は社共同で中小企業向けにアイフォーンを活用したサービス提供する。
今後3カ月間で1万社以上の中小企業に、アイフォーンのビジネス利用を提案し売り込む。
どうなる電子書籍~大沢在昌氏に聞く
「普及に5年。作家もブランド時代」
おおさわ・ありまさ 1956年名古屋市生まれ。「新宿鮫」の人気シリーズを持ち、94年の第4作「無間人形」で直木賞を受賞した。作家マネジメント会社の大沢オフィスに、宮部みゆき氏、京極夏彦氏とともに所属
――日本でも電子書籍への関心が高まっている。
「1~2年はたいしたことはないが、5年ほどすると、読書が好きな人の1割くらいが手にし、雪崩のように普及していくと思う。まず買うのは50代、60代の人。本を読むのに熱心で、経済的に余裕がある層だ。電子書籍端末は文字を大きく表示でき、老眼の悩みからも解放される。米国でもキンドルに最初に手を出したのは年配者だったという。若い人は携帯電話が主で、さらに別の端末を持つのは煩わしいのではないか」
――出版市場の縮小が止まらない。
「特にリーマン・ショック以降、単行本の販売は激減している。日本経済が復調しても、元には戻らない。構造的に紙の出版は限界に来ていた。全体のパイが小さくなっても、出版社は自転車操業的に本を大量生産し、生きのびてきた。売れない本も取次会社に回した。しわよせをくったのは読者だ。書店に行っても本があふれ、どれを買っていいかわからず、結局、買わない。悪い流れが10年以上、続いている。制度を改める必要があるにもかかわらず、出版業界は他社を横にらみし、市場が先細りになっても変化を拒んできた。そこに(電子書籍という)黒船がやって来た」
――黒船は『悪』とは限らない。
「うまくビジネスモデルを構築できれば、すごいお金になる。例えば、それは(作家の代理人として電子出版についてアマゾンなどと交渉する)エージェント業かもしれない。腕のいい編集者が仲のいい作家のエージェントとなり手数料を稼ぐ動きが出てきてもおかしくない。大手出版社がエージェント業に乗り出すかもしれない。膨大な書籍のなかから読者が好む一冊を効果的に探す選書ビジネスもある。優れた仕組みを考えれば、相当いい商売になるのではないか」
――電子時代に生き残る作家の条件とは。
「ブランド力がある作家のほうが有利かもしれない。膨大な電子書籍のなかから読者が本を選ぼうと思えば、過去読んで面白かったという実績は大きな意味を持つ。司馬遼太郎や池波正太郎を電子でまとめて買って読んでみようということもあるだろう。ブランド力があり売れている作家は、電子化を機にもっと売れるとの説もある」
――『新宿鮫』シリーズの最新作をインターネット上の『ほぼ日刊イトイ新聞』で連載中だ。
「(ネットでも紙でも)媒体と締め切りがあれば書く。ただ、『ほぼ日』で驚いたのは読者からのリアクションだ。新聞や雑誌に連載したり記事が載ったりしてもリアクションはほとんどないが、ほぼ日にはファンからの電子メールが何十通も来た。僕も驚いた。ツイッターでもすごい勢いで情報が流れる。過去に経験がない。これは事件だ」
【アマゾンとの直接取引には慎重】
――電子書籍の出版で、アマゾンと直接取引する考えはあるか。
「新宿鮫については、シリーズを育ててくれた編集者たちがいる。(出版元である)光文社を無視することはできない。書き下ろし作品については微妙ではあるが、そもそもアマゾンと直接取引しなければならないほど現在の生活に困ってはいない」
「作家は週刊誌に小説を連載すればまとまった原稿料が入り、その後、単行本で印税が入り、文庫でも入る。これに匹敵する金額をアマゾンが作家に支払おうと思えば、電子書籍を相当売らないと追いつかない。アマゾンが販売額の7割をくれるといっても、キンドルの普及台数が100万台、200万台では意味がない。アマゾンがまとまった前払い金を払うというのなら話は別だが、アマゾンはそれほどのリスクをとれないと思う」
「アマゾンが日本でコンテンツを集める場合、いちいち作家一人ひとりと交渉したりはしないのではないか。それだけの人海戦術はとれない。出版社に対し、著作者の了解を取って欲しいと頼むことになると思う。作家にとっても、本を売るための宣伝など今しばらくは出版社の力を無視できない」
――出版業界には本の値段の下落を警戒する声もある。
「アマゾンは日本最大の書店だ。どの出版社もアマゾンに本を卸さないとは言えない。出版社が恐れているのは、キンドルが広く普及したときにアマゾンが何を言い出すか分からないということだ。『この1年間ダウンロードがないから、この本は価格を引き下げる』といったことがあるかもしれない。そうなれば出版業界の従来の制度は崩壊だ。つぶれる出版社、つぶれる本屋、食えない作家が出てくる。滝つぼに向かって突き進むようなものだ」
20日、総務省で開かれたICTタスクフォース。昨年末、原口一博総務相が提示した光ファイバー敷設のビジョン「光の道」構想について、事業者の見解を聴くことを目的として開催された。組織分割を取りざたされるNTTとともに、主役となったのはやはりソフトバンクだった。
登壇した孫正義社長は開口一番、「『光の道』の政府案を全面的に支持したい」と述べ、3月の政務三役会議で「2015年までにブロードバンド普及率(利用率)100%」「そのためにはNTTの経営形態を含め、実現方法を検討する」とした原口総務相の意向に賛意を示した。
ソフトバンクが提案するのはNTTの持つ、電柱から各家庭までの引き込み線(アクセス回線)を資本分割し別会社とする案。KDDIやイー・アクセスなど、同じくNTTの分割を主張する他社の案と大枠では同じだ。
一括工事による建設費用の大幅低減や通信サービスの競争促進により、「税金ゼロで実現が可能」「光ファイバー整備と同時にメタル回線を撤去することで、現在収益を圧迫している年間3900億円の維持費を大幅に低減できる。NTTの利益が増えることになる」「(新会社と既存NTT分合計の)企業価値が向上し、NTTの株主にとってもいい話」(孫社長)と、各利害関係者にとってのメリットを強調した。
ソフトバンクをはじめ、各事業者がNTTの分割を要望するのは、固定通信事業において公正な競争環境が確保されていないという認識があるためだ。電柱や地下通路など、有線を各家庭まで敷くために必要な設備は電電公社時代からの資産を引き継いでいるNTTが独占的に所有している。
電気通信事業法の定めにより、NTTにはこうした設備を他事業者に開放する義務を課せられているが、「設備利用の申請をしてから許可が出るまでに時間がかかりすぎる」「『新たに線を敷くための空きスペースがない』と断られることがあるが、真偽が不透明」(通信事業者)など、中立・公平性が保たれていないという不満が各社にあった。
アクセス回線のみを保有する新会社を設立し、NTTと資本分離を行えば、すべての事業者に公平にインフラを貸し出す環境が整い、通信サービスの競争が促進されるというのがソフトバンクらの言い分だ。
光ファイバー事業はインフラ敷設と顧客獲得に多額の費用がかかり、シェア約7割のNTT東西を含め、全事業者が大幅な赤字の状態。ブロードバンド事業を手掛けるソフトバンクBBでは自前で光ファイバーの敷設をやめ、昨年2月よりNTT東西の光サービス「フレッツ光」の代理販売を行っている。
今回NTT分割で同社のアクセス回線を安く迅速に利用できることになれば、NTT以外の通信事業者は自前でインフラ整備の費用をかけずに、採算の見合う都市部などでだけサービスを提供することも可能になる。
20日の会合で孫社長は「NTTにとって得だとか損だとか、ソフトバンクにとってどうだとか、そんな次元の話ではない。これはNTTの構造改革ではなく、ニッポンの構造改革だ」とブチ上げ、ICT活用が教育、医療、行政サービスなどの面で国民にもたらす利益にこそ目を向けるべきだと主張した。だが、こうした思惑は当然視野に入れていることだろう。
原口総務大臣はタスクフォースを通じ、5月中旬までに構想の大枠を固める方針。期日は迫りつつあり、議論の行方が注視される。
NTTの光通信網“解放”に反対 自力整備の電力系が待った
関西電力系のケイ・オプティコム(大阪市北区)など電力系通信事業者6社は22日、都内で会見し、NTT東西地域会社が保有する光ファイバー通信回線網を分離し他社に解放することについて、「通信事業者の設備投資意欲が失われ、設備競争による技術革新が阻まれる」として、反対を表明した。
電力系各社は自力で光通信網を整備してきたことから、ソフトバンクなどが求めている解放に待ったをかけた。
NTTの光通信網の分離問題は、総務省のICT(情報通信技術)タスクフォースで議論されている。20日の合同部会では、ソフトバンクを中心に、「完全分離して別会社化すべきだ」との主張が相次いだ。
だが長年にわたって自力で光アクセス網を構築してきた電力系6社にとっては、巨大なNTT以外にもライバルが増え、競争力の低下につながりかねない。通信事業者間での意見の隔たりが鮮明になってことで、今後のタスクフォースの議論にも影響しそうだ。
記者会見で意見表明したのはケイ・オプティコムのほか、東北や北陸、中国、四国、九州を地盤とする電力系通信事業者。
Adobe、iPhone向けFlashを断念 Androidにシフトへ
Adobe SystemsはiPhone向けFlashアプリ作成ツールの開発をやめ、今後はAndroidデバイスに力を入れる。同社幹部が明らかにした。
同社のFlashデベロッパーリレーション主任プロダクトマネジャー、マイク・チェンバース氏は4月20日、自身のブログでこの意向を明らかにした。その理由として、Appleが先日iPhone OS SDKの利用規約に加えた変更を挙げている。この変更により、変換・互換のためのレイヤーやツールを使ったアプリは禁じられるため、FlashアプリをiPhoneアプリに変換するAdobe Flash CS5の「Packager for iPhone」機能や、そのほかのサードパーティーツール「Unity」「Titanium」「MonoTouch」などが使えなくなる。
Adobeのプラットフォームエバンジェリスト、リー・ブリムロー氏はこの変更に憤慨し、「専制的」「くたばれApple」と痛烈に批判している。
チェンバース氏は、Packager for iPhoneはiPhoneとiPad向けにリリースするが、Adobeは「この機能にそれ以上の投資はしない計画だ」と、開発終了を示唆している。同氏は、Appleが新たな規約をFlash CS5で開発されたコンテンツに適用するだろうと確信しており、「開発者はFlash CS5で作成されたアプリとコンテンツがiTunes Storeから削除されることを覚悟しておくべき」と注意を促している。
「幸い、iPhoneしか選択肢がないわけではない」。同氏はこう語り、Androidが勢力を伸ばしていることを指摘している。「わたし個人は、モバイルへの取り組みをすべてiPhoneからAndroid端末に移し(特に年内に登場するAndroidタブレットに関心がある)、iPhoneにはもうあまり力を入れないつもりだ」。AdobeはAndroid向けのFlash Player 10.1とAdobe AIR 2.0の開発でGoogleと協力しており、これらプログラムを非公開βテスト中という。
「Appleが作り上げようとしている閉鎖的なシステムは、業界、開発者、そして消費者にマイナスになると考えている。わたしはこのような動きを積極的に推進したいとは思わない」と同氏。「最終的には、オープンなプラットフォームが、Appleが作ろうとしている閉鎖的なプラットフォームに勝つと確信している」
大日本印刷、電子書籍閲覧ソフト「雑誌ビューア」を開発
大日本印とDNPデジタルコムは22日、電子書籍を閲覧するための専用ソフト「雑誌ビューア」を開発し、iPhoneアプリとしてリリースした。
「雑誌ビューア」は、出版物を紙のレイアウトそのままにiPhoneなどのスマートフォンで閲覧するための電子書籍閲覧ソフトで、機能を絞り込むことで簡単でスムースな操作を実現している。今回、iPhone向けに、大日本印刷のオリジナル書体「秀英体」の活字見本帖「秀英体見本帖」を、このソフトで閲覧可能な電子書籍として無償配布を開始した。
トヨタ急落、3位→360位 米誌の10年版有力企業番付
【ニューヨーク=川上穣】米経済誌フォーブスが21日に発表した2010年版の世界優良企業ランキングで、トヨタ自動車が360位と前年の3位から急落した。リコール(回収・無償修理)問題で業績や株価が落ち込んだことが響いた。中国企業が躍進する一方、日本企業の低落も浮き彫りになった。
日本はNTTの41位が最高。100位以内は、三菱商事(78位)、ホンダ(86位)の3社にとどまった。一方、中国では中国工商銀行(ICBC)が5位。100以内には7社が入り、日本勢を上回った。
首位は業績が堅調な米銀大手JPモルガン・チェース。2位以降もゼネラル・エレクトリック(GE)、バンク・オブ・アメリカと米国勢が続いた。ランキングはフォーブス誌が売上高、利益、資産、株式時価総額を総合評価して算出した。
メールやカーナビ 「脳波で操作」実用化へ 20年までに 産学官で新市場開拓
総務省は、人の意図や感情を読み取り、意のままに動くロボットや家電製品の開発に産学官で乗り出す。今年度に研究計画を立ち上げ、2020年までに実用化する。耳に掛けたセンサーで脳の活動を調べ、行き先を瞬時に探すカーナビや思い浮かんだ言葉をメール文に換える携帯電話などを想定。電子機器の豊富な機能を誰もが使いこなせるようにするほか、こまめな操作で省エネを促す。
脳の産業応用は世界が注目、日本が実現目標を示した包括計画をまとめるのは初めて。成長戦略で強化する脳科学とIT(情報技術)を融合、世界に先駆けて新市場を開拓する。
LGディスプレー、韓国に600億円投じ新工場
【ソウル=尾島島雄】液晶パネル世界2位の韓国のLGディスプレーは22日、ソウル市近郊の坡州市に7270億ウォン(約600億円)を投じて新工場を建設すると発表した。建物のみを事前に準備し、パネル市況が堅調に推移する場合は製造装置を大量投入して増産に持ち込む体制を整える。中国に続く新工場の設置計画により、首位のサムスン電子超えを目指す姿勢を鮮明にする。
今年6月までに着工し2011年末までに完工する。生産設備の規格は未定としているが、30型台や40型台のテレビ用パネルを切り出しやすい「第8世代」か、さらに大型のガラス基板を使う公算が大きい。高額の投資を必要とする製造装置の導入時期の決定を先送りし、不安定なパネル市況に対応して設備負担のリスクを軽減する狙いがある。
中国などでの薄型テレビ需要の拡大を受けて、LGディスプレーは基幹部品である液晶パネルの増産を急いでいる。坡州市にある既存の工場では「第8世代」の新ライン設置を決めており、月産10万枚(ガラス基板投入ベース)の生産能力を3倍弱まで拡大する。一方で12年上半期には中国・広州でも「第8世代」の新工場を稼働する計画だ。
アイフォーンで業務管理 ソフトバンクとサイボウズ提携、ソフト提供
ソフトバンクモバイルとソフト開発のサイボウズ(東京都文京区)は22日、中小企業向けビジネスで業務提携すると発表した。サイボウズが、ソフトバンクが取り扱う「iPhone(アイフォーン)」向けにクラウド型の業務管理ソフトサービスを提供する。
アイフォーンで利用できるようになるのは、サイボウズの「かんたんSaaS」の改良版。両は社共同で中小企業向けにアイフォーンを活用したサービス提供する。
今後3カ月間で1万社以上の中小企業に、アイフォーンのビジネス利用を提案し売り込む。
どうなる電子書籍~大沢在昌氏に聞く
「普及に5年。作家もブランド時代」
おおさわ・ありまさ 1956年名古屋市生まれ。「新宿鮫」の人気シリーズを持ち、94年の第4作「無間人形」で直木賞を受賞した。作家マネジメント会社の大沢オフィスに、宮部みゆき氏、京極夏彦氏とともに所属
――日本でも電子書籍への関心が高まっている。
「1~2年はたいしたことはないが、5年ほどすると、読書が好きな人の1割くらいが手にし、雪崩のように普及していくと思う。まず買うのは50代、60代の人。本を読むのに熱心で、経済的に余裕がある層だ。電子書籍端末は文字を大きく表示でき、老眼の悩みからも解放される。米国でもキンドルに最初に手を出したのは年配者だったという。若い人は携帯電話が主で、さらに別の端末を持つのは煩わしいのではないか」
――出版市場の縮小が止まらない。
「特にリーマン・ショック以降、単行本の販売は激減している。日本経済が復調しても、元には戻らない。構造的に紙の出版は限界に来ていた。全体のパイが小さくなっても、出版社は自転車操業的に本を大量生産し、生きのびてきた。売れない本も取次会社に回した。しわよせをくったのは読者だ。書店に行っても本があふれ、どれを買っていいかわからず、結局、買わない。悪い流れが10年以上、続いている。制度を改める必要があるにもかかわらず、出版業界は他社を横にらみし、市場が先細りになっても変化を拒んできた。そこに(電子書籍という)黒船がやって来た」
――黒船は『悪』とは限らない。
「うまくビジネスモデルを構築できれば、すごいお金になる。例えば、それは(作家の代理人として電子出版についてアマゾンなどと交渉する)エージェント業かもしれない。腕のいい編集者が仲のいい作家のエージェントとなり手数料を稼ぐ動きが出てきてもおかしくない。大手出版社がエージェント業に乗り出すかもしれない。膨大な書籍のなかから読者が好む一冊を効果的に探す選書ビジネスもある。優れた仕組みを考えれば、相当いい商売になるのではないか」
――電子時代に生き残る作家の条件とは。
「ブランド力がある作家のほうが有利かもしれない。膨大な電子書籍のなかから読者が本を選ぼうと思えば、過去読んで面白かったという実績は大きな意味を持つ。司馬遼太郎や池波正太郎を電子でまとめて買って読んでみようということもあるだろう。ブランド力があり売れている作家は、電子化を機にもっと売れるとの説もある」
――『新宿鮫』シリーズの最新作をインターネット上の『ほぼ日刊イトイ新聞』で連載中だ。
「(ネットでも紙でも)媒体と締め切りがあれば書く。ただ、『ほぼ日』で驚いたのは読者からのリアクションだ。新聞や雑誌に連載したり記事が載ったりしてもリアクションはほとんどないが、ほぼ日にはファンからの電子メールが何十通も来た。僕も驚いた。ツイッターでもすごい勢いで情報が流れる。過去に経験がない。これは事件だ」
【アマゾンとの直接取引には慎重】
――電子書籍の出版で、アマゾンと直接取引する考えはあるか。
「新宿鮫については、シリーズを育ててくれた編集者たちがいる。(出版元である)光文社を無視することはできない。書き下ろし作品については微妙ではあるが、そもそもアマゾンと直接取引しなければならないほど現在の生活に困ってはいない」
「作家は週刊誌に小説を連載すればまとまった原稿料が入り、その後、単行本で印税が入り、文庫でも入る。これに匹敵する金額をアマゾンが作家に支払おうと思えば、電子書籍を相当売らないと追いつかない。アマゾンが販売額の7割をくれるといっても、キンドルの普及台数が100万台、200万台では意味がない。アマゾンがまとまった前払い金を払うというのなら話は別だが、アマゾンはそれほどのリスクをとれないと思う」
「アマゾンが日本でコンテンツを集める場合、いちいち作家一人ひとりと交渉したりはしないのではないか。それだけの人海戦術はとれない。出版社に対し、著作者の了解を取って欲しいと頼むことになると思う。作家にとっても、本を売るための宣伝など今しばらくは出版社の力を無視できない」
――出版業界には本の値段の下落を警戒する声もある。
「アマゾンは日本最大の書店だ。どの出版社もアマゾンに本を卸さないとは言えない。出版社が恐れているのは、キンドルが広く普及したときにアマゾンが何を言い出すか分からないということだ。『この1年間ダウンロードがないから、この本は価格を引き下げる』といったことがあるかもしれない。そうなれば出版業界の従来の制度は崩壊だ。つぶれる出版社、つぶれる本屋、食えない作家が出てくる。滝つぼに向かって突き進むようなものだ」
住商とKDDI、放送・通信事業で提携
住友商事とKDDIが放送・通信事業で広範に提携する方向で協議を始めることが21日明らかになった。住商が筆頭株主となったCATV最大手ジュピターテレコム(JCOM)が持つ番組をKDDIの光回線網で配信したり、KDDIの携帯電話販売をJCOMが支援したりすることを検討する。光ブロードバンド(高速大容量)通信サービスなどで先行するNTTグループに対抗する。
住商の加藤進社長とKDDIの小野寺正社長が22日にも会談し、提携協議を始めることで合意する見通し。JCOM株の30.9%(議決権ベース)を取得したKDDIに対抗し、住商がTOB(株式公開買い付け)で保有比率を40.2%に引き上げ筆頭株主になるなど、両社の関係はこじれていた。21日にTOBの払い込みが終了するまでは金融商品取引法で接触も禁止されていた。
提携内容は今後詰めるが、(1)JCOMが保有するスポーツ番組などのコンテンツをKDDIの光ファイバー網を使った配信サービスで活用する(2)JCOMの営業網で「au」ブランドの携帯電話を販売する(3)KDDI傘下でCATV2位のジャパンケーブルネット(JCN)とJCOMのシステムを統合する――などを協議するとみられる。
光サービスはNTT東西の「フレッツ」が51%のシェアを握るのに対し、KDDIの光サービスとJCOMの加入者合計のシェアは十数%。JCOMの持つ優良コンテンツを武器にすれば、NTTの有力な対抗勢力になる可能性がある。
SCE、ソニー本社に移転 ネットワーク戦略を強化
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は、今秋にも東京・青山の本社を東京・品川のソニー本社内に移転する。現本社周辺に点在する拠点も年内をメドに順次、ソニー本社の周辺に移す。ソニーはゲーム、パソコン、ウォークマンなどの製品をネットワークを通じて結集する方針で、グループの連携を強化する。
SCEが本社機能を移すのは、ソニーの本社ビル「ソニーシティ」。約1400人の国内従業員のうち、1000人規模が今秋をメドにソニーの本社ビルに移転。残りの従業員もソニー本社周辺のビルに移る見込み。
SCEは1993年の設立以来、本社を青山周辺に置き、家庭用ゲーム機「プレイステーション」を1兆円規模のビジネスに育てる拠点としてきた。今後はソニーとの連携を強化した配置に転換する。
ネット上の海賊版、接続業者が削除 国際条約案
模倣品や海賊版の取り締まり強化に向け、日米欧などが交渉中の国際条約の原案が明らかになった。インターネット上で違法な映像や音楽などが見つかった場合、プロバイダー(インターネット接続業者)がこれを強制削除する制度の整備を明記。ただ削除の対象については各国・地域が合意に至らず、複数案を併記した。2008年の交渉開始以来、条文案が明らかになるのは初めて。
「模倣品・海賊版拡散防止条約(ACTA)」は日米や欧州連合(EU)、カナダなど11カ国・地域が交渉を進めている。これまで国際的な取り決めのなかったインターネット上の知的財産権侵害についても、参加国・地域で共通の規制を設ける方向で調整している。
プロバイダーの責任に関しては(1)映像や音楽の権利者から通報があれば直ちに削除する(2)通報の内容などを確認できた場合のみ削除する――の2案を併記した。すべての通報に範囲を拡大するとプロバイダーの削除作業が膨大になる可能性があり、日本インターネットプロバイダー協会などは反対している。
NHK会長、受信料還元策は慎重に判断
NHKの福地茂雄会長は21日、日本経済新聞の取材に対し、経営委員会が2012年度からの実施を決めた受信料の「10%還元」の具体策について、「11年度上半期の収支をみて判断すべきだ」と述べた。「受信料免除の生活保護世帯が急増している」などと語り、将来の収支が見通しにくくなっていると指摘。最大1割近い減収につながる還元策の検討を慎重に進める姿勢を示した。
10%還元は外部の経営者や有識者で構成する経営委員会が08年10月に決定。古森重隆委員長(当時)は「還元」は値下げの意味だと説明していた。
福地会長はインタビューで「決定時から経済環境が大きく変化している」と述べ、受信料収入の動向を見極めて判断する考えを強調した。NHK内部では、免除世帯の増加などによる受信料収入の伸び悩みを受けて、還元策の実現を困難視する声も浮上している。
また、福地会長は決定時に想定していない支出が必要になる可能性にも言及。地上デジタル放送への完全移行後の新携帯端末向け放送で数百億円の投資を求められる可能性を挙げ「還元策と別枠で実現するのは不可能だ」と語った。
小丸成洋経営委員長は13日の記者会見で、還元の具体策の議論を進める考えを表明。この点について、福地会長はNHKが今後直面する課題も合わせて取り上げることを前提に「委員会が議論するのは良いことだ」と述べた。
受信料は地上波放送だけの契約(月1345円)と衛星放送を含む契約(同2290円)の2種類ある。福地会長は、衛星放送を視聴できるデジタルテレビが普及していることを踏まえて「一本化が望ましい」と主張。事務負担が減る利点も挙げた。ただ、地上波受信料だけを払ってきた視聴者は値上げとなる公算が大きく、慎重に検討する考えを示した。
NHKが08年12月に始めたインターネットによる番組の有料配信サービスは、09年度の売上高が計画の22億円を大幅に下回る3億円と伸び悩んでいる。福地会長は「まだ先行投資が必要な段階」と述べ、サービスを続ける意向を示した。
福地会長は11年1月の任期満了前に退任する意向を関係者に漏らしている。日本経済新聞の取材には「今の段階でどうなるか分からない」と述べ、退任時期について明言を避けた。
エルピーダ、4ギガビットのDRAMを開発
半導体大手のエルピーダメモリは記憶容量が4ギガ(ギガは10億)ビットのDRAMを開発した。回路線幅40ナノ(ナノは10億分の1)メートルという先端技術を使って微細加工し、従来の2ギガビット製品を2個使用する場合より消費電力を約3割減らせる。6月までにサンプル出荷を始め、すでに4ギガビットDRAMを商品化している韓国サムスン電子を追う。
微細加工技術で大容量化とチップサイズの小型化を両立させ、省電力にもつなげた。サーバーや高性能ノートパソコンなどへの搭載を見込む。データセンターなどで使うサーバーの大容量化が求められているのに対応し、4ギガビットDRAM積層パッケージを36個搭載したモジュール部品の形で出荷する。
量産は広島工場(東広島市)で2010年7~9月期に始める。4ギガビット品はサムスン電子が2月に量産を開始した。
対日投資促進へ外資優遇 経産省検討
法人税減免や入国審査簡略化 研究部門に照準
経済産業省は外国企業の対日投資の拡大を狙って、特例的に税制や入国手続きを優遇する制度の検討に入った。外資の誘致では欧米やアジアに後れを取っており、対内直接投資の国内総生産(GDP)比を現行の3.6%から早期に欧米並みの2ケタに引き上げる考えだ。アジア統括部門や研究開発(R&D)などの付加価値の高い部門に的を絞って外国企業の誘致を進める。
新たな優遇策は投資額や対象、新規雇用の規模などに応じ、期間を限って法人税や所得税を減免する枠組み。技術者らを対象にビザ審査など入国手続きを簡略化する方向で関係省庁との調整を進めている。
投資の相談や優遇策の協議を一元的に進める窓口の設置なども検討。一連の外資優遇策を盛った新法の制定も視野に入れている。
新制度は新たな対日投資に的を絞る。新規の進出や投資に対する税制優遇であれば、すでに日本に進出した企業の減税とは違い、税収が減る結果にはならないためだ。
経産省は23日の産業構造審議会(経産相の諮問機関)で提案し、6月にまとめる政府の新たな成長戦略に盛り込む。新制度導入に絡み、直嶋正行経産相は「日本がアジア拠点の地位を失えば成長力の回復は見込めない」と強調している。
「日本離れ」増加 長期戦略立て直しを
経産省が導入に動く税制優遇などの新制度は、日本に進出する外資に絞った限定的な枠組みだ。日本市場の魅力を根っこから高めるには法人税率の一律引き下げのほか、港湾や航空など物流基盤の整備、対内投資にかかわる規制見直しなど、長期戦略が欠かせない。
日本の対内直接投資のGDP比は2008年で3.6%。米国の15.8%や英国の46.5%、韓国の10.5%に大きく水をあけられている。対内直接投資の拡大は自民党政権時代から掲げられている課題だが、進展していない。
外資を呼び込むどころか、日本を離れる外国企業も増えている。日用品大手の米P&Gはアジア統括本社を神戸から、携帯電話最大手ノキアは研究開発拠点を東京から、それぞれシンガポールに移した。アジアでは韓国が外国人技術者を対象に所得税を2年間半分に減免したり、ビザ審査を1週間に短縮したりする制度を実施。シンガポールは法人税率を交渉で決めたりする。
アジアが対内投資拡大に優遇策を講じるのに比べ、日本の取り組みは大きく遅れている。政府全体で外資呼び込みの体制を抜本的に立て直せるかどうかが試されている。
盗作に使用快諾「素晴らしい」 岡本真夜中国でも人気急上昇(COLUMN)
上海万博公式ソングの盗作騒ぎで、シンガーソングライターの岡本真夜さん(36)がした対応が「素晴らしい」と中国で絶賛され、人気が急上昇している。中国に来て歌ってほしいとの声も出ているという。岡本さん側は、「光栄」だとしているものの、騒ぎには困惑している様子だ。
「この発想は凄い 日本人には出来ない」
「なんという逆転ホームラン」
今回の盗作騒ぎで、上海万博事務局が2010年4月19日、岡本真夜さん側に楽曲使用を申請したと報じられると、ネット上では、こんな驚きの声が相次いだ。
「中国に来て万博ソングを歌ってほしい」
ベストアルバムも人気に
事実上「盗作」と認めることになりながら、意表を突く方法で騒ぎを収めようとしたことが中国流というわけだ。
中国人作曲家による公式PRソングが岡本さんの1997年のシングル曲「そのままの君でいて」に酷似していることが4月に入って発覚。中国メディアの取材に焦ったのか、事務局筋から同14日、岡本さんの所属レコード会社に、曲のカバー許諾と万博限定での全権利譲渡を申し込んできたという。
一方、岡本さん側は、カバーであると公に認めるよう要求した。事務局は謝罪のため来日することを非公式に打診したというが、大きく報じられて観念したのか、PRソングを使用停止にしたうえで19日に楽曲使用を申請してきた。
岡本さんは、これに対し、「大人の対応」で応えた。「とてもすてきなお話で光栄です」と申請を快諾するコメントを発表したのだ。
中国では、万博が持ち上げられ、自尊心をくすぐられたのか、ネット上で絶賛のコメントが相次いだ。あまりの気前よさに疑問視する声もあったものの、「素晴らしい」「中国に来て万博ソングを歌ってほしい」などと続々書き込まれている。
もともと、岡本真夜さんについては、デビュー曲「TOMORROW」が台湾人歌手にカバーされ、中国でもヒットしたことから、ある程度知られていた。それが、今回の騒ぎでさらに、人気がアップしているというのだ。
万博参加「光栄ですので、その気持ちはあります」
日本でも、テレビで岡本さんの曲が繰り返し紹介されたことから、「そのままの君でいて」のチャートが急上昇している。13年前の曲が2010年4月21日夕の時点で、iTunesのトップソングと、レコチョクの着うたフル・デイリーランキングで、ともに5位に入った。
2月にこの曲入りのベスト盤「RISE 1」を再発売した徳間ジャパンコミュニケーションズによると、4月20日に注文が大量に舞い込み、品切れになった。21日も、1000枚に近い注文があったが、生産が追いつかず今週末まで出荷できない状態。5月10日には、現在の所属レコード会社の日本クラウンが、別のベスト盤「My Favorites」を発売する予定で、問い合わせが相次いでいるため、選曲にない「そのままの君でいて」を入れるか検討しているという。
岡本さん所属事務所ノイのマネージャーは、取材に対し、人気急上昇について「ありがとうございます」と感謝の意を示し、5月1日開幕の万博参加を求める声について「光栄ですので、その気持ちはあります」とした。
ただ、騒動については、「報道機関から問い合わせが多く、困惑しています」と明かす。申請を快諾した理由やそれに批判も出ていることなどについては、ノーコメントを連発した。著作権使用料については、近く万博事務局と話し合う予定だという。
党首討論 首相の逃げの一手は許されぬ(4月22日付・読売社説)
鳩山首相、自民党の谷垣総裁、公明党の山口代表による今年3回目の党首討論は、米軍普天間飛行場の移設問題が最大のテーマとなった。目立ったのは、首相の逃げの姿勢だ。
谷垣総裁は、日米が合意した現行計画を「つぶしてきたのはあなたたちだ」と首相を批判した。さらに、首相が問題決着に「職を賭して」取り組むよう迫った。
首相は、5月末までに問題を決着させる決意を改めて強調したものの、自らの責任論については具体的な言及を避けた。
首相周辺は、「新たな移設先の方向性が出て、協議に入ることも決着だ」などと、「決着」の定義を緩め、予防線を張っている。
しかし、事の本質はそこではない。鳩山首相が今直視すべきは、自らの発言と統治能力、ひいては首相としての資質に重大な疑問符がついていることである。
5月末の期限を設定し、米国や移設先の同意を得るとしてきたのは、首相自身だ。それが実現できない場合、どんな言い訳をしても首相の言葉は信頼されなくなる。国内外の政策課題に取り組む首相の指導力も一層失われよう。
普天間の未決着は鳩山首相に重大な政治責任を突きつける、と肝に銘じるべきだ。
山口代表は鳩山首相の資金管理団体の偽装献金事件を取り上げ、22日の元公設秘書の判決公判後は国会への元秘書の参考人招致などに首相が協力するよう求めた。
だが、首相は「元秘書を解雇した後、一切連絡を取っていない」などと述べ、協力を拒んだ。
この姿勢はおかしい。元秘書は首相の政治資金集めのために法を犯したのであり、首相の監督責任は極めて重い。
首相は従来、「捜査中」や「公判中」を理由に、母親からの巨額の資金提供の経緯や資金の使途について口をつぐんできた。
首相自身が資金提供を依頼し、関係議員に配ったのではないか。そんな疑念の払拭(ふっしょく)には、首相が進んで資金の出入りを調査し、全体像を明らかにする必要がある。
党首討論は本来、相手を攻撃し、言質をとるという政局的な駆け引きに終始すべきではない。
与野党のトップが国政の重要課題について、いかに説得力のある主張を展開できるかを競い合う場であるべきだ。だが、過去3回の議論はまだまだ物足りない。
今夏には参院選が予定される。今後も、頻繁に党首討論を開き、政策上の争点を国民に分かりやすく示すことが政治の責任だ。
住友商事とKDDIが放送・通信事業で広範に提携する方向で協議を始めることが21日明らかになった。住商が筆頭株主となったCATV最大手ジュピターテレコム(JCOM)が持つ番組をKDDIの光回線網で配信したり、KDDIの携帯電話販売をJCOMが支援したりすることを検討する。光ブロードバンド(高速大容量)通信サービスなどで先行するNTTグループに対抗する。
住商の加藤進社長とKDDIの小野寺正社長が22日にも会談し、提携協議を始めることで合意する見通し。JCOM株の30.9%(議決権ベース)を取得したKDDIに対抗し、住商がTOB(株式公開買い付け)で保有比率を40.2%に引き上げ筆頭株主になるなど、両社の関係はこじれていた。21日にTOBの払い込みが終了するまでは金融商品取引法で接触も禁止されていた。
提携内容は今後詰めるが、(1)JCOMが保有するスポーツ番組などのコンテンツをKDDIの光ファイバー網を使った配信サービスで活用する(2)JCOMの営業網で「au」ブランドの携帯電話を販売する(3)KDDI傘下でCATV2位のジャパンケーブルネット(JCN)とJCOMのシステムを統合する――などを協議するとみられる。
光サービスはNTT東西の「フレッツ」が51%のシェアを握るのに対し、KDDIの光サービスとJCOMの加入者合計のシェアは十数%。JCOMの持つ優良コンテンツを武器にすれば、NTTの有力な対抗勢力になる可能性がある。
SCE、ソニー本社に移転 ネットワーク戦略を強化
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は、今秋にも東京・青山の本社を東京・品川のソニー本社内に移転する。現本社周辺に点在する拠点も年内をメドに順次、ソニー本社の周辺に移す。ソニーはゲーム、パソコン、ウォークマンなどの製品をネットワークを通じて結集する方針で、グループの連携を強化する。
SCEが本社機能を移すのは、ソニーの本社ビル「ソニーシティ」。約1400人の国内従業員のうち、1000人規模が今秋をメドにソニーの本社ビルに移転。残りの従業員もソニー本社周辺のビルに移る見込み。
SCEは1993年の設立以来、本社を青山周辺に置き、家庭用ゲーム機「プレイステーション」を1兆円規模のビジネスに育てる拠点としてきた。今後はソニーとの連携を強化した配置に転換する。
ネット上の海賊版、接続業者が削除 国際条約案
模倣品や海賊版の取り締まり強化に向け、日米欧などが交渉中の国際条約の原案が明らかになった。インターネット上で違法な映像や音楽などが見つかった場合、プロバイダー(インターネット接続業者)がこれを強制削除する制度の整備を明記。ただ削除の対象については各国・地域が合意に至らず、複数案を併記した。2008年の交渉開始以来、条文案が明らかになるのは初めて。
「模倣品・海賊版拡散防止条約(ACTA)」は日米や欧州連合(EU)、カナダなど11カ国・地域が交渉を進めている。これまで国際的な取り決めのなかったインターネット上の知的財産権侵害についても、参加国・地域で共通の規制を設ける方向で調整している。
プロバイダーの責任に関しては(1)映像や音楽の権利者から通報があれば直ちに削除する(2)通報の内容などを確認できた場合のみ削除する――の2案を併記した。すべての通報に範囲を拡大するとプロバイダーの削除作業が膨大になる可能性があり、日本インターネットプロバイダー協会などは反対している。
NHK会長、受信料還元策は慎重に判断
NHKの福地茂雄会長は21日、日本経済新聞の取材に対し、経営委員会が2012年度からの実施を決めた受信料の「10%還元」の具体策について、「11年度上半期の収支をみて判断すべきだ」と述べた。「受信料免除の生活保護世帯が急増している」などと語り、将来の収支が見通しにくくなっていると指摘。最大1割近い減収につながる還元策の検討を慎重に進める姿勢を示した。
10%還元は外部の経営者や有識者で構成する経営委員会が08年10月に決定。古森重隆委員長(当時)は「還元」は値下げの意味だと説明していた。
福地会長はインタビューで「決定時から経済環境が大きく変化している」と述べ、受信料収入の動向を見極めて判断する考えを強調した。NHK内部では、免除世帯の増加などによる受信料収入の伸び悩みを受けて、還元策の実現を困難視する声も浮上している。
また、福地会長は決定時に想定していない支出が必要になる可能性にも言及。地上デジタル放送への完全移行後の新携帯端末向け放送で数百億円の投資を求められる可能性を挙げ「還元策と別枠で実現するのは不可能だ」と語った。
小丸成洋経営委員長は13日の記者会見で、還元の具体策の議論を進める考えを表明。この点について、福地会長はNHKが今後直面する課題も合わせて取り上げることを前提に「委員会が議論するのは良いことだ」と述べた。
受信料は地上波放送だけの契約(月1345円)と衛星放送を含む契約(同2290円)の2種類ある。福地会長は、衛星放送を視聴できるデジタルテレビが普及していることを踏まえて「一本化が望ましい」と主張。事務負担が減る利点も挙げた。ただ、地上波受信料だけを払ってきた視聴者は値上げとなる公算が大きく、慎重に検討する考えを示した。
NHKが08年12月に始めたインターネットによる番組の有料配信サービスは、09年度の売上高が計画の22億円を大幅に下回る3億円と伸び悩んでいる。福地会長は「まだ先行投資が必要な段階」と述べ、サービスを続ける意向を示した。
福地会長は11年1月の任期満了前に退任する意向を関係者に漏らしている。日本経済新聞の取材には「今の段階でどうなるか分からない」と述べ、退任時期について明言を避けた。
エルピーダ、4ギガビットのDRAMを開発
半導体大手のエルピーダメモリは記憶容量が4ギガ(ギガは10億)ビットのDRAMを開発した。回路線幅40ナノ(ナノは10億分の1)メートルという先端技術を使って微細加工し、従来の2ギガビット製品を2個使用する場合より消費電力を約3割減らせる。6月までにサンプル出荷を始め、すでに4ギガビットDRAMを商品化している韓国サムスン電子を追う。
微細加工技術で大容量化とチップサイズの小型化を両立させ、省電力にもつなげた。サーバーや高性能ノートパソコンなどへの搭載を見込む。データセンターなどで使うサーバーの大容量化が求められているのに対応し、4ギガビットDRAM積層パッケージを36個搭載したモジュール部品の形で出荷する。
量産は広島工場(東広島市)で2010年7~9月期に始める。4ギガビット品はサムスン電子が2月に量産を開始した。
対日投資促進へ外資優遇 経産省検討
法人税減免や入国審査簡略化 研究部門に照準
経済産業省は外国企業の対日投資の拡大を狙って、特例的に税制や入国手続きを優遇する制度の検討に入った。外資の誘致では欧米やアジアに後れを取っており、対内直接投資の国内総生産(GDP)比を現行の3.6%から早期に欧米並みの2ケタに引き上げる考えだ。アジア統括部門や研究開発(R&D)などの付加価値の高い部門に的を絞って外国企業の誘致を進める。
新たな優遇策は投資額や対象、新規雇用の規模などに応じ、期間を限って法人税や所得税を減免する枠組み。技術者らを対象にビザ審査など入国手続きを簡略化する方向で関係省庁との調整を進めている。
投資の相談や優遇策の協議を一元的に進める窓口の設置なども検討。一連の外資優遇策を盛った新法の制定も視野に入れている。
新制度は新たな対日投資に的を絞る。新規の進出や投資に対する税制優遇であれば、すでに日本に進出した企業の減税とは違い、税収が減る結果にはならないためだ。
経産省は23日の産業構造審議会(経産相の諮問機関)で提案し、6月にまとめる政府の新たな成長戦略に盛り込む。新制度導入に絡み、直嶋正行経産相は「日本がアジア拠点の地位を失えば成長力の回復は見込めない」と強調している。
「日本離れ」増加 長期戦略立て直しを
経産省が導入に動く税制優遇などの新制度は、日本に進出する外資に絞った限定的な枠組みだ。日本市場の魅力を根っこから高めるには法人税率の一律引き下げのほか、港湾や航空など物流基盤の整備、対内投資にかかわる規制見直しなど、長期戦略が欠かせない。
日本の対内直接投資のGDP比は2008年で3.6%。米国の15.8%や英国の46.5%、韓国の10.5%に大きく水をあけられている。対内直接投資の拡大は自民党政権時代から掲げられている課題だが、進展していない。
外資を呼び込むどころか、日本を離れる外国企業も増えている。日用品大手の米P&Gはアジア統括本社を神戸から、携帯電話最大手ノキアは研究開発拠点を東京から、それぞれシンガポールに移した。アジアでは韓国が外国人技術者を対象に所得税を2年間半分に減免したり、ビザ審査を1週間に短縮したりする制度を実施。シンガポールは法人税率を交渉で決めたりする。
アジアが対内投資拡大に優遇策を講じるのに比べ、日本の取り組みは大きく遅れている。政府全体で外資呼び込みの体制を抜本的に立て直せるかどうかが試されている。
盗作に使用快諾「素晴らしい」 岡本真夜中国でも人気急上昇(COLUMN)
上海万博公式ソングの盗作騒ぎで、シンガーソングライターの岡本真夜さん(36)がした対応が「素晴らしい」と中国で絶賛され、人気が急上昇している。中国に来て歌ってほしいとの声も出ているという。岡本さん側は、「光栄」だとしているものの、騒ぎには困惑している様子だ。
「この発想は凄い 日本人には出来ない」
「なんという逆転ホームラン」
今回の盗作騒ぎで、上海万博事務局が2010年4月19日、岡本真夜さん側に楽曲使用を申請したと報じられると、ネット上では、こんな驚きの声が相次いだ。
「中国に来て万博ソングを歌ってほしい」
ベストアルバムも人気に
事実上「盗作」と認めることになりながら、意表を突く方法で騒ぎを収めようとしたことが中国流というわけだ。
中国人作曲家による公式PRソングが岡本さんの1997年のシングル曲「そのままの君でいて」に酷似していることが4月に入って発覚。中国メディアの取材に焦ったのか、事務局筋から同14日、岡本さんの所属レコード会社に、曲のカバー許諾と万博限定での全権利譲渡を申し込んできたという。
一方、岡本さん側は、カバーであると公に認めるよう要求した。事務局は謝罪のため来日することを非公式に打診したというが、大きく報じられて観念したのか、PRソングを使用停止にしたうえで19日に楽曲使用を申請してきた。
岡本さんは、これに対し、「大人の対応」で応えた。「とてもすてきなお話で光栄です」と申請を快諾するコメントを発表したのだ。
中国では、万博が持ち上げられ、自尊心をくすぐられたのか、ネット上で絶賛のコメントが相次いだ。あまりの気前よさに疑問視する声もあったものの、「素晴らしい」「中国に来て万博ソングを歌ってほしい」などと続々書き込まれている。
もともと、岡本真夜さんについては、デビュー曲「TOMORROW」が台湾人歌手にカバーされ、中国でもヒットしたことから、ある程度知られていた。それが、今回の騒ぎでさらに、人気がアップしているというのだ。
万博参加「光栄ですので、その気持ちはあります」
日本でも、テレビで岡本さんの曲が繰り返し紹介されたことから、「そのままの君でいて」のチャートが急上昇している。13年前の曲が2010年4月21日夕の時点で、iTunesのトップソングと、レコチョクの着うたフル・デイリーランキングで、ともに5位に入った。
2月にこの曲入りのベスト盤「RISE 1」を再発売した徳間ジャパンコミュニケーションズによると、4月20日に注文が大量に舞い込み、品切れになった。21日も、1000枚に近い注文があったが、生産が追いつかず今週末まで出荷できない状態。5月10日には、現在の所属レコード会社の日本クラウンが、別のベスト盤「My Favorites」を発売する予定で、問い合わせが相次いでいるため、選曲にない「そのままの君でいて」を入れるか検討しているという。
岡本さん所属事務所ノイのマネージャーは、取材に対し、人気急上昇について「ありがとうございます」と感謝の意を示し、5月1日開幕の万博参加を求める声について「光栄ですので、その気持ちはあります」とした。
ただ、騒動については、「報道機関から問い合わせが多く、困惑しています」と明かす。申請を快諾した理由やそれに批判も出ていることなどについては、ノーコメントを連発した。著作権使用料については、近く万博事務局と話し合う予定だという。
党首討論 首相の逃げの一手は許されぬ(4月22日付・読売社説)
鳩山首相、自民党の谷垣総裁、公明党の山口代表による今年3回目の党首討論は、米軍普天間飛行場の移設問題が最大のテーマとなった。目立ったのは、首相の逃げの姿勢だ。
谷垣総裁は、日米が合意した現行計画を「つぶしてきたのはあなたたちだ」と首相を批判した。さらに、首相が問題決着に「職を賭して」取り組むよう迫った。
首相は、5月末までに問題を決着させる決意を改めて強調したものの、自らの責任論については具体的な言及を避けた。
首相周辺は、「新たな移設先の方向性が出て、協議に入ることも決着だ」などと、「決着」の定義を緩め、予防線を張っている。
しかし、事の本質はそこではない。鳩山首相が今直視すべきは、自らの発言と統治能力、ひいては首相としての資質に重大な疑問符がついていることである。
5月末の期限を設定し、米国や移設先の同意を得るとしてきたのは、首相自身だ。それが実現できない場合、どんな言い訳をしても首相の言葉は信頼されなくなる。国内外の政策課題に取り組む首相の指導力も一層失われよう。
普天間の未決着は鳩山首相に重大な政治責任を突きつける、と肝に銘じるべきだ。
山口代表は鳩山首相の資金管理団体の偽装献金事件を取り上げ、22日の元公設秘書の判決公判後は国会への元秘書の参考人招致などに首相が協力するよう求めた。
だが、首相は「元秘書を解雇した後、一切連絡を取っていない」などと述べ、協力を拒んだ。
この姿勢はおかしい。元秘書は首相の政治資金集めのために法を犯したのであり、首相の監督責任は極めて重い。
首相は従来、「捜査中」や「公判中」を理由に、母親からの巨額の資金提供の経緯や資金の使途について口をつぐんできた。
首相自身が資金提供を依頼し、関係議員に配ったのではないか。そんな疑念の払拭(ふっしょく)には、首相が進んで資金の出入りを調査し、全体像を明らかにする必要がある。
党首討論は本来、相手を攻撃し、言質をとるという政局的な駆け引きに終始すべきではない。
与野党のトップが国政の重要課題について、いかに説得力のある主張を展開できるかを競い合う場であるべきだ。だが、過去3回の議論はまだまだ物足りない。
今夏には参院選が予定される。今後も、頻繁に党首討論を開き、政策上の争点を国民に分かりやすく示すことが政治の責任だ。